アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

青天の霹靂

(2020年2月21日 アルツハイマー認知症の診断から約12年)

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一日違うよ

オネコさんが旅行に行くので、ジジには8月21日水曜から24日土曜までショートステイに行ってもらいました。

そに出掛けに関するゴタゴタは全記事に書きましたが、実は今回は帰宅に関してもちょっと事件(大袈裟です)が有ったのです。

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8月23日金曜日の事でした。

私は本来金曜日は実家当番なのですが、当のジジがいないので、実家にはいきませんでした。

丁度,夕方に銀座にあるクリニックの予約をして、終わったら娘のアズキと合流し、夕ご飯を食べる予定でした。それで午後は早めに家を出て、日本橋で用事を済ませ,まだ時間があるのでスタバでのんびりとコーヒーを飲んでいました。

久しぶりの、都会のど真ん中でブレイクタイムを満喫していると、いきなり私にスマホが鳴りました。画面を見るとジジのスマホからの着信でした。

(また監禁されている❗️)

とかいう妄想話かも知れない。面倒くさいから一瞬スルーしようと思いました。

でもしつこく鳴っているので、私は心を入れ替えました。

「あの、田中太郎様の娘様のお電話で間違い無いでしょうか?私はショートステイの〇〇○のスタッフ⬜︎⬜︎です。」

受話器に向こうは女性の声で,かなり切羽詰まった様子です。

「はい。父がどうかしましたか?」

「いま、ご自宅のお玄関の前にいるのですが,ご家族様がどなたもいらっしゃらなくて…。」

「どうして実家の玄関の前にいらっしゃるんですか?」

「本日23日16:30にお送りすることになっていましたが、ご家族様がいらっしゃらなくて鍵が開きません。」

そうなのです。ジジはドアの鍵を施設に持参していたけど、玄関には暗証番号キーがあるのです。しかもジジは番号を忘れてしまったので開けられません。電話で暗証番号を教えてジジに家に入ってもらっても、今夜は食事もなくどうしようもありません。

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「こちらは24日土曜日の16:30に送っていただくようにお願いしています。1日間違えていらっしゃいますよ。」

「そんな、間違いではありません。施設側では23日16:30でお受けしています。」

そう言われても、困ってしまうわ。

私はジジを施設に連れ帰ってもらうしかないと判断しました。

だって、24日土曜までって申し込んだし、薬も24日昼までの分をセットしています。

「もう一度よく確認なさってください。姉は旅行中で都内におりません。私もこれから診察の予約があるので、今日は全く対応できません。それでお願いしたのですから。」

この女性スタッフは恐らく指示通りに車を運転してきただけでしょうし、玄関前で歩行困難のジジを抱えて気の毒です。でも、仕方ありません。声の主は困惑していました。

「では、もう一度確認して、折り返しお電話します。」

結局

通話を切ってから、私はすかさずオネコにLINEをしました。オネコさんはケアマネさんに予約を依頼する時は、必ずメールでやり取りをしています。その文面を確認してもらうとやはり「24日土曜日16:30の帰宅」で予約が受理されていました。

『ケアマネさんか施設のどちらかがミスったのかもね。』

それから15分以上経っても折り返しの電話がありません。

まさか、歩行困難な高齢者を玄関前に放置する事はないと思うけど、どうなったのか連絡が欲しい。

待っても電話が来ないので、私はケアマネさんに電話をして事情を話しました。

するとケアマネさんも意外そうに言いました。

「こちらの事務所の予定表では、24日土曜日の16:30となっています。必ず予約はファックスやメールで文字の形でしていますし、予約受理の返事も同様にしているので間違いはありません。」

別に私はあなたの間違いを指摘したいわけではない。

「そうですね。とりあえず私が知りたいのは、いま現在,父がどこでどうなっているかです。施設に戻れているのかをケアマネさんから確認して欲しいです。」

「了解しました.直ぐにお返事します。」

切ってから3分もかからずにスマホがなりました。

「お父様は施設に戻られました。明日16:30に御帰宅です。」

まぁ、きっと施設内で連絡ミスでしょう。配車の手配を1日間違えて入力したのだと思います。人間だから間違いはあるし、ジジが予定通り翌日まで泊まれてご飯が食べられれば、私としては文句はありません。

でも、肝を冷やしましたよ。

ジジだって、家に帰ったと思ったら、また引き返すのは気に毒だったと思います。

翌日,約束の時間に帰ってきたジジは、申し分なくご機嫌でした。

前日の話をすると、「そうだったね」くらいで拍子抜けするほど普通でした。

恐らく、よく覚えていないのでしょう。

それなりに,記憶が薄れるって、案外幸せなことかも知れません。

本日アップの貼り絵

2020年2月21日の作品です。

この貼り絵も制作途中の写真がないので、私のいない時におママが1人で取り組んだのだと思います。

三角形の花のピースはカレンダーに印刷されていた絵です。

ルノアールの『花瓶の菊』です。

2019年12月2日に、おママはこの絵を貼り絵に使っていました。

(↓)素敵な連作になりました。今回はこの時の残りを活用したのでしょう。

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ピンク色の三角形は請求書の入っていた封筒の内側の模様です。

そして、記憶がなくても何度見てもおママが好んで使った友禅紙「波紋」の紺。

www.ozuwashi.net

(↓)同じ日におママはこの貼り絵も制作していました。

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おママの貼り絵を見てくださり,ありがとうございます。