アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

2024年8月の面会(1)ジジも一緒に

(2010年6月25日アルツハイマー認知症の診断から約3年3ヶ月め)

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まだらぼけ

おママが特別養護老人ホームに入所して、早1年半以上経ちました。

なるべく月に一回はオネコさんと2人で面会をしていますが、今年に入ってジジを連れていったのは2月の面会の時だけです。

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実を言うと、車椅子のジジを連れて行くのはちょっと大変なのです。

*交通手段は往復タクシーを呼ぶ。

*施設内での移動は車椅子を借りる。

*タクシーから施設の入り口まではほんの10m位なので、ジジに持参した歩行器をで歩いてもらう。

箇条書きにするだけなら楽勝案件ですが、いざやってみると、オネコさんと2人がかりで「やっとこさ」なのです。

しかしながら、かれこれ半年、ジジはおママに会っていません。

ジジは繰り返し言っていました。

「フキコさんが入院している病院だけど、どこにあるの?」

ジジよ、『病院に入院』じゃないよ。特別養護老人ホームに入所だよ。

「へー、そうなんだ。どんな所なのか一度くらい見に行きたいね。」

過去4回は行っていますが…。

「そんな事ないよ,一度も行った覚えがないからね。」

そうですね。行った記憶はすぐに忘れちゃうんだものね。

ツッコミどころ満載の発言を繰り返されると、私もようやくお神輿を上げようかと思いました。

オネコさんには

「もう少し涼しくなってからにしようよ、こんなに暑い時期じゃなくてもさぁ」

と言われたけど、ジジだって96歳。突発的にいつどうなってもおかしくない。本人が行きたい時に連れていかないと,私たちも後悔するかも知れません。

それで、8月26日月曜日に3人で行ってまいりました。(๑˃̵ᴗ˂̵)

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いざ面会

到着して、車椅子を借り、エレベーターでおママの居室のある3階に上がり、いざ対面となると、ジジは貝のようにダンマリなのです。

私とオネコがおママに絵本を見せるのを側で傍観するだけでした。

貼り絵のファイルをおママに見せていると、ジジは私に小声で囁きました。

「これを全部自分でやった(貼り絵をした)って本人は分かっているのかな?」

「気になるなら,自分で話しかけてみたら?」

それで、一生懸命ジジは声を出して言いました。

「これを全部あなたが作ったんだよ。分かりますか❗️」

おママは首を傾げるだけでした。そもそも、ジジの話した言葉の意味が分からなかったようです。結局話しかけても通じないから、ジジは話のしようがないのでしょう。

それでも、帰り際に手を繋いだ時、

「また来るからね」

と言っていました。ちょっと切なかった…。

 

面会する方もかなりでした

まぁ、ここまでは、それなりにいい話なのですが…。

帰宅してホッと一息、3人でおやつを食べていると、ジジが和かに言いました。

「さっき会ったケイコさんだけど、結構、見た感じが若かったね。」

私もオネコさんも一瞬固まりました。

「ケイコさんって、何処のケイコさん?」

察しはつきますが、オネコさんは一応訊ねました。

「ほら、あそこに住んでいたケイコさんだよ。確か私よりずいぶん年上だったと思うけど。かなり若かったね。」

私は椅子から転げ落ちそうになりましたわ。

あそこに住んでいたケイコさんって、ジジより10歳ほど年上の腹違いの姉です。

面会した時はおママだと認識していたはず。

帰宅したら突然ケイコさんになったのかしら。それも本名はケイさんだしね。

「ケイさんは8年ほど前に亡くなりましたよ。」

「え❗️じゃぁ,さっき会ったのは誰…?」

おいおい…,ジジよ。しっかりしておくれ。

あんなに会いたがっていたから連れて行ったのに…。(°_°)

「あれは、お父さんの奥さん、フキコさんですよ。」

「ええぇ❗️そうなの?」

「年齢は90歳です。」

「そっか、だから、まだ若いんだね。」

確かにジジから比べたら,若いよ。(°_°)

ケイさんは生きていたら106歳くらいだしね。それよりかなり若いけどさ。

90歳で若いって、なんなんだよ…。(°_°)

せっかく、おママと面会できたのに、

ずっと疎遠だった姉さんと間違うなんて、(°_°)

「いったい、なんなんだよぉ。」(TT)

私は疲労感が限界を超えて、虚無感に襲われました。

本日アップの貼り絵

2010年6月25日の作品です。

(↓)前記事の作品と使った材料とクラフトパンチが同じなので連作のようですが、制作時期は1年以上隔たっています。

認知症になってから,おママは記憶力はかなり落ちていましたが、好みはほぼ変化がなかったように思います。好きな物は、いつ見ても新鮮で、きっと毎回新たな発見の喜びを感じて使っていたのだと思います。

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星のような煌めきはクラフトパンチで型抜きして貼っていました。

(↓)10年以上に亘って貼り絵の材料になった紅茶の袋です。

おママが特別養護老人ホームにに入所する時に持っていった作品ファイルの中に収めた作品でした。

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おママの貼り絵を見てくださり,ありがとうございます。