(2020年8月14日 アルツハイマーの診断から約13年6ヶ月)
*8月14日、クジラを切っている時
「黒い線の上を切ってみましょう。」
私がそう言うと、おママのハサミを持つ手が止まりました。
「え? なに? くろ?」
この時初めてでした。
おママの唇から色の名前が失われているのに気が付いて、私はひどく驚きました。
それだけでなく、「線」と言う言葉も理解できませんでした。
どうやら「赤」も「青」も,色の名前が出てきません。
それなのに、おママったら…。
大きな「青」の隣に小さな「赤」や「黄色」を配置して、画面を冴え冴えと彩る事は出来るのね。
「色の名前」は失われつつあるのに、言葉ではない「色の概念」は生きている…。
人間って不思議です。
人が生まれて、色の違いや識別が理解できるようになるのは、いつからなんでしょう。
3歳ごろかしら?
私が娘のアズキの子育てに追われていた時期に、そう聞いたことがあります。
個人差があるのでしょう。アズキはもっと早かったように思います。
色の違いが分かるようになっても,色の名前は誰かが教えてあげないと、幼児は青を見て「あお」とは答えられません。
今のおママはその段階なのでしょうか。
しかし別の日には、貼り絵をしている最中に突然、
「こことここに赤を付けるか?」
なんて言う事が稀にあるので、まだおママの頭から「色の名前」が完全に失くなったわけではないんですね。
「まだらボケか❗️」
それに気が付いて、私は少し胸を撫で下ろしました。
「色の名前」を忘れても貼り絵は出来るでしょう。
でも「色の識別」や「色の概念」が失われたら、きっと難しくなりますね。
綺麗な色や素敵な紙をいっぱい見て、その時を少しでも先延ばししたいと思います。
*本日アップの貼り絵
今回も「お題方式の貼り絵」です。
※「お題方式の貼り絵」とは…。
昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それで、あらかじめ私が「お題」と称して何種類かの紙を用意することが多くなりました。そして、他に組み合わせする紙片をおママに選んでもらってから、切り貼りを楽しんでもらうようになりました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。
「お題」はこちら。(↓)
8月10日に赤いアクリル絵の具が包まれていたお魚さん達です。
(↓)この写真は8月10日に撮影したもので、今回のお題は「残り物」です。
8月14日❗️
さぁ、大きなクジラを切り始めました。
そこで、上記の会話が入るのです。
「黒い線の上を切ってみましょう。」
私がそう言うと、おママのハサミを持つ手が止まりました。
「え? なに? くろ?」
しかし。切っているうちに、おママはどうしても綺麗に切りたくなってしまいます。
そして、「線」も「黒」も理解しないまま、黒い線に沿ってハサミを進めていました。
<動画①>
おママはカニを丹念に切っています。
2020年8月14日 おママの貼り絵制作動画① カニを切る編
(↓)ホタテも使いたいようです。
<動画②>
糊付け編です。
今回は大まかなデザインなので、おママは迷うことはありませんが、大きなクジラをハガキからはみ出さないように慎重に貼っていました。
「Whale」という横文字にとても興味を示していました。
分からないながらも発音しているます。私は読み方を聞かれたのですが、
「後でオネコさんに聞いてね」と逃げました。
「ホエール」と答えようかと思ったのですが、動画の音声の中に、私のめちゃくちゃひどい発音が残るのに躊躇いがありまして…。(^O^)笑
2020年8月14日 おママの貼り絵日記制作動画② 糊付け編
今は季節外れになりましたが、制作日は8月。
夏らしい作品になったと思います。
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。