アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

おママの根っこ 型絵染めの資料

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(2021年5月3日 アルツハイマー認知症の診断から約14年3ヶ月)

 

1年半も寝かしてしまった

 前回の記事に関連するお話です。

harienikki.hatenablog.com

 

2019年11月に私はこんな記事を書きました。(↓)

harienikki.hatenablog.com

 おママは本の装丁を習っていた頃の作品を、今も大事にしまっています。

ヨーロッパの伝統的な装丁技法「ルリユール」を習っていたので、やはり、作品としては革による装丁本になるのですが、練習用として綺麗な紙や布で装丁した手帳などもあります。

その中でも私が印象深いのはこちらの本。(↓)本と言っても、練習用の本なので、中は白紙です。

おママは結婚する前に芹沢銈介先生の工房に通って型絵染を習っていました。

この本はその時に染めた布で装丁してあります。渋皮紙を彫った型も残っていたことから、私はブログの記事にしました。

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この記事をブログに書いた後に、押し入れの天袋を片付けていたら、古い「御衣裳函」と書かれた箱が出てきました。

古くて埃を被った蓋を恐る恐る開けてみると、その中にはおママが芹沢先生の工房に通っていた頃の道具や資料が入っていました。

おママは銀行勤めをしながら、型絵染を憧れの先生の工房で習えて嬉しかったと思います。趣味とはいえ、おママがいかに頑張っていたことか。

そしてその後の長きにわたる人生の中でも、その経験をどんなに大切にしていたか。

箱の中身を見ると、その姿が彷彿とします。

 

これをいつか記事にしよう。

そう思いつつ、写真を撮影したのはまる1年後の2020年12月でした。

(おママが大切にしていた物だから、おいそれとは記事にはできない。)

そんな思いがあって、今に至りました。

 

お宝箱

写真は全て昨年12月に撮影したものです。

この時はおママとオネコと3人で開けてみました。
(↓)箱を見ただけでも年代物です。(左上)

開けて見たら色々詰まっておりました。(右上)

道具と渋皮紙(下左右)

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(↓)左上の写真には怪しげな小箱が写っています。「なにかしら?」おママが触ろうとするのを私は静止しました。だって、染料のようですから、触ったり撒き散らしたりしたら大変ですもの。

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 染料は水干(すいひ)でした。その中に「古代朱)という岩絵具でも水干でも今は生産されていない色があったのです。「使えるはずだ、やった❗️」と思いましたが残りはわずかでした。残念…。

 <2021年6月29日追記>

現在、岩絵具の「古代朱」は生産されておりませんが、水干の「古代朱」はあるようです。申し訳ございませんでした。m(_ _)m

www.gofun-nail.com

 

(↓)染色法や色についてのプリントやノート。

色見本はおママが自分で作ったのかしら?「ヴァーミリオン」という色表記に時代を感じます。今は「バーミリオン」ですね。

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  「このはな会は、私の仕事場に集る主として婦人達の染色の集まりです。紅型や唐草などの本染に精進するもの、又その伝統的な仕事の土台に立つて自由な飛躍を試みるものなどアマチュアならではの純な意欲に満ちた制作を見せて貰へる事を常々誠に愉快に思っております。(以下略)」

「このはな会」の作品展に寄せた芹沢銈介先生の言葉です。(↓)

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おママもその一人だったのだと思うと、胸に込み上げるものがあります。

この作品展が昭和何年に開催されたかは不明です。

 

おママは昭和34年にジジと結婚して小樽へ行き、染色をやめることになりました。

私は若い頃、おママからこんな言葉を聞きました。

「結婚した年の、最後の「このはな会」には行かれなかったの。作品だけ預けて出品したのよ。」

小樽の空の下で、おママは残念だっただろうなと思います。

 

ジジは文芸にとても理解のある人でしたから、その後、おママがやりたいと思う事には、応援したし協力もしていました。

でも、新婚時代は北海道の小樽。東京から離れて、おママにはどうすることもできなかったと思います。

現代だったら、なんとしても続けていたかも知れません。そういう時代だったのだと思います。

(↓)名簿の表紙も素敵❗️(^○^)

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 (↓)染色の作品はほとんど残っていません。何かに使ったのかしら?

反物で残っているのはこれのみです。

おママはあまり詳細には覚えていないようでしたが、昔自分で染めた事は朧げに蘇ったようでした。

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 (↓)こちらは練習で染めたのかしら?

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現代は女性の社会進出がめざましく、学ぶことも働くことも自由になりました。

それでも、好きだ、やりたいと思い決めて一本道に通すのは、なかなか難しいです。

 

これは男女を問わず同じ問題ですね。

 

これからも、みんな、頑張って❗️

 

60年前の、

おママのお宝箱は、そんなエールを送っているように思えました。

 

 

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(↑)一昨年2019年11月に描いたイラストです。

今回、古い写真を見ながら新しく描こうと思ったのですが、やめました。

私は一昨年からずっと、この記事を書くのを、自分への宿題としていました。

ようやく果たす事ができたので、その時のイラストを再掲して置きます。

 

 

www.seribi.jp

harienikki.hatenablog.com

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本日アップの貼り絵

この日の「お題」はおママ自身でクリアファイルの中から紙を選んでもらいました。

この日は紅型模様の千代紙に心惹かれたようです。

2月に小津和紙で購入しました。お店で一眼見て思いました。

(民芸調の型染め風の模様だから、おママは絶対好きだろう。

切り抜いて、シール感覚で貼ったら楽しいかも❗️)

案の定でした。(^O^)v

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www.youtube.com

<貼り絵制作動画①>

2021年5月3日 16:59〜 (切り抜き編)

千代紙の模様を丹念に切抜くおママ。特に扇は形に沿って切りたかったようです。

 

 (↓)合わせる紙は赤系が良かったらしい。

この「花青海波模様」の千代紙は多分ずいぶん前に小津和紙で購入したものと思います。

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https://youtu.be/CJrJWhOW6kk


www.youtube.com

<貼り絵制作動画②>

2021年5月3日 17:06〜

おママとしては、四隅に赤い「花青海波模様」の千代紙を配置する予定です。

当初その形は三角でした。それで、おママは三角形を作るために、まず四正方形に近い形を切ります。勿論、それは正確な正方形ではありません。正方形になるように微調整をしますが、本来の三角形にする計画は忘れています。

おママは四隅の「花青海波模様」の向きを揃えたかったのですが、切り込みを入れる場所を間違えて…。上の左右は横向きになってしまいました。(^◇^;)

それが少し残念だったようです。

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(↓)両端の空間が物足りなく感じたおママは、どれを追加しようか思案しております。

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www.ozuwashi.net

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。