(2021年6月21日 アルツハイマー型認知症の診断から約14年4ヶ月)
*思わぬプレゼント
11月でおママは88歳になります。米寿です。
コロナ禍ですし、だからと言ってお祝いの計画があるわけでもありません。
実の所、米寿ということすら私の念頭にはありませんでしたわ。
9月に入ってからの月曜日。
私はいつものごとくジジとおママと一緒に昼ごはんを食べていました。
すると、ジジが思いついたように言うのです。
「役所からおママ宛に米寿のお祝いが届いたんだよ。それもね、8000円❗️」
「えーーーっ❗️そんなに貰えたの?」(^○^)
「うん、ほらチケットみたいなのだよ。」
あらーーーー、地域振興券なんですね。
マジですか❗️嬉しいじゃありませんか❗️\(^O^)/
「一応、オネコさんとチャーコさんにも見てもらおうと思ってね。」
「なるほど、何処にしまったの?」
高齢者世帯の場合、そこが肝心です。何処にしまってあるか、子達は大事な物の所在を把握しておかなければなりません。
「それがね、おママに渡したっきり、見かけないんだよ。おママの大事なものが届いたら、入れて置けるような箱が欲しいんだ。おママがそれに入れておけば良いしね。」
この人、何言ってんだろう。
そのジジの発言を聞いて、私は自分の目の玉が飛び出るような衝撃を感じました。
私は一気に身体中の血流が脳天に突き上げてくるのを感じました。(°_°)
なんですと?見かけない?失くしたの?
箱が欲しい?
おママに大事なものを入れさせる?
もう、おママには大事か大事で無いかの判断はできないんです。
おママが入れるのは後生大事に折り畳んだトイレットペーパーやティシュペーパーでしょうよ!
あ、勿論、私は怒りに任せてジジを怒鳴ったりはしませんわ。
優しく、畳みかけるように、糾問して、
私の意見を述べただけですのよ。(←充分怖いかも)
「だって、おママが貰ったものだし、ちゃんと見せてあげないとねぇ。
それにおママはとても喜んでいたよ。」
「でも、お父さんは通帳だって保険証だって、大事なものは全部お父さんが管理しているじゃない。見せるのは良いけど、ちゃんと回収しておかないと❗️」
「そうだね…。うっかり渡したっきり忘れちゃったんだよ。でも、この辺のテーブルの辺りにあると思うよ…。」
「おママは何でも新聞紙や広告の間に挟んでしまうから、こちらが誤って捨てちゃうかも知れないよ。地域振興券は現金と同じだよ。まったく❗️」
「使えるお店が書いてある冊子と一緒に、A4くらいの大きな封筒に入っていたから、どこで使えるかチャーコさんにも見ておいて欲しかったんだが…。」
「昼ごはんが終わったら、徹底的に探して、見つかったら、ちゃんと読みます❗️」
この一連の父娘の会話を、おママは昼ご飯をつつきながら、
「そうよね、そうだわね、そうそう」
と相槌を打っていました。
ほとんどはね、おママのことを話していたんですけど…。
それで、地域振興券と取扱店一覧の冊子の入った封筒は、テーブルの上からあっけなく見つかりました。
介護用品のカタログやら新聞紙が上に重なっていたから見えなかったのですね。
ジジにあんなに強く言わなければ良かったと、
私は少しだけ反省しました。(^◇^;)
*敬老の日
せっかく地域振興券をいただいたのですから、
「敬老の日はケーキにしましょう。」
オネコと相談して決めました。地域振興券でカットケーキを4つ買いました。
お陰様でジジもおママも元気で何よりです。
先月、おママは食が細くなってずいぶん心配しましたが、それも完全復活です。
ショートケーキを目の前にして食べ方が分からずに困惑したり、食べ物と思わなかったらどうしようかと思いましたが、それも私の杞憂に終わりました。
「あら、これ、嬉しいわ。」
ケーキの断面に巻いてあるフィルムは、おママが取るのも大変そうなので、私が取りました。
おママは嬉しそうに、まず上に乗っている苺やチョコレートを食べました。
そしてスポンジと苺入りのクリームがサンドしてあるケーキ部分も、倒したりグジャグジャにすることなく綺麗に食べていました。
それも、無邪気な笑顔で…。
娘が幼い頃、ケーキを食べる様子をハラハラしながらも、私は微笑ましく見つめていたのですが、同じ様な気持ちで母親を見る日が来るとはね…。
思いませんでした。
「上手に食べられて良かったね。」
11月のお誕生日にもケーキを食べようね。
(↓)昨年の敬老の日です。
*本日アップの貼り絵
敬老の日にイメージが合うと思って、選んでみました。
私のいない日に、おママ一人で「お題パック」を使って、取り組みました。
(↓)「お題パック」はこちら。
中央に貼られた扇形は、元がどんな神だったか不明です。
もしかしたら、近世の辻ヶ花染めを写した印刷物からの切抜きかも知れません。
随分前におママが自分で切り抜いたものです。同じ写真から切り抜いたと思しき葉っぱもありますが、それはまだ貼り絵に使われていません。いずれ「お題」にしようと思っています。
(↓)今年の2月に私がセットした「お題パック」です。
結局、おママはこれを使わず、中身はバラバラにされました。(^◇^;)
*「お題方式の貼り絵」と「お題パック 」について
一昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それで、あらかじめ私が「お題」と称して何種類かの紙を用意することが多くなりました。その他に組み合わせする紙片をおママに選んでもらってから、切り貼りを楽しんでもらうようになりました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。
私が実家に行かない時でもおママが貼り絵に取り組みやすいように、「お題」と台紙にするハガキをチャック付きのビニール袋に入れておく。これが「お題パック」です。
おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。