(2021年6月4日 アルツハイマー型認知症の診断から約14年4ヶ月)
*なんだそりゃ?
本日はタイトルからして妙です。
「いもちがいい」「デラちゃん」なんだそりゃ?
これはおママが貼り絵をしているときに発した不思議な言葉です。
最近、おママは日本語の語彙が極端に減ってしまったし、自分の感情を表す言葉も使えなくなってきました。
本来の単語がわからない場合、おママはその場凌ぎに造語します。
こちらはそれをどう汲み取って理解するのか?
いえいえ、そんな事、私はまだ全くできていません。推測するだけです。
だからこそ、
(おママは何を思っているのか?)
気になってしまいます。
*琥珀色はおママ好み?
琥珀って宝石の仲間ですが、石ではありません。
数千万年から数億年前に地上に繁茂していた樹木の樹脂が土砂などに埋もれて化石化したものです。「樹脂の化石」とも言われています。時々、虫や植物の一部が混入している物があり、それらは大層貴重なのだそうです。
おママも小さいペンダントヘッドを持っていたような気がします。
「琥珀ってね。色が濃い方が上等なのよ。」
おママがそんなことを言っていたのを、子供心に面白いなと思いました。
浅い黄色から赤褐色、暗褐色まで、琥珀色は幅が広いですね。
おママは割と茶系が好きだったと思います。
40代の頃、革工芸でクラフトカービングを施した皮革の表面を丹念に染めていました。それは圧倒的に茶系が多くて、丹念に染めた後、ニスで艶を出して柔らかい布で磨くと、とても良い色合いと艶が出ました。
今思えば、それは琥珀色に似ていたと思います。
(おママ、琥珀色が好きだったのかな。圧倒的に黒よりは茶の方が好きだったかも。)
最近そんなことを思い出しました。
思い出すきっかけは(↓)こちらの広告写真を見たからです。
赤褐色の見事な琥珀色だこと❗️
(おママが好きそうな色だな。切り抜き遊びに丁度良いかも。)
それで、貼り絵の「お題」にしてみました。
*やはりお好みです
広告を見せたら「キレイね❗️」とおママは興味を示してくれました。
それで早速切り抜き作業です。
あまり複雑な形ではないので、おママのハサミもスイスイ進みました。(↓)
縦方向に分割しています。(↓)
気持ちが乗ってきたのか、ハサミの動きも軽やかでした。
<貼り絵制作動画①>構成編
2021年6月4日 15:33〜
琥珀の写真を分割した3ピースを配置しています。
あまりに琥珀色が魅力的だったのでしょう。
おママはしばらく3つのピースに夢中で、他の紙には見向きもしませんでした。
それでも、おママは優しいブルー系の千代紙を選びました。
「どうしようか?」
「どうしようね。」
動画の終わりの時点で、(↓)おママはこんな感じにしようと思っていました。
(↓)ところが❗️
ものの数分後には気が変わって、琥珀は2ピースになりました。
(↓)そして、1枚目が完成しました。冴えた配色ですね。
(2021年6月4日 アルツハイマー型認知症の診断から約14年4ヶ月)
*謎の言葉
さて、早速おママは2枚目に取り掛かりました。
1枚目で余った琥珀の写真をそのまま並べる様です。(↓)まるで「三」みたいですね。
長方形のマーブルペーパーを対角線で折り、切って2枚の直角三角形を作るようです。
(↓)「三」より割り算の「÷」に似ているかも…。
<貼り絵制作動画②>
2021年6月4日 15:51〜 構成・糊付け編
右上と左下の角に大きなマーブルペーパーの3角を貼るところから始まります。
両方のピースの貼る位置を慎重に見極めながら貼りました。余白部分の幅を揃えたかった様です。
動画の中盤でおママは不思議な事を言いました。
「いもちがいい」
「『いもちがいい』ってどういう事?」
「ヘッヘッヘっ。」
おママは笑いました。
「気持ちがいい?」
「うん」
動画の終盤でも妙な造語を言っていました。
「デラちゃん」
「「デラちゃん』って?」
「デラちゃんよ。」
謎の造語に戸惑うチャーコ。
動画を見返して、おママの「デラちゃん」をもう一度考えてみました。
これはあくまで私の想像ですが、
「いもちがいい」はやはり「気持ちがいい」だと思います。
おママには、貼り絵の構成が気持ちよく決まったのかも知れません。
「デラ」は「テラッ」と輝く琥珀の表面をおママなりに表現したのではないかしら。
神秘的で美しい赤褐色の琥珀。
おママには、そのつるっとした「照り」と光が「デラちゃん」だったのでしょう。
そう考えると、
奇妙な「デラちゃん」に対して、どことなく親しみを感じるようになりました。
(↓)同じ6月4日、「デラちゃん」の後に、おママはこの作品も制作しました。
(↓)実はこの作品も同じ琥珀の写真を使っていました。
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。