アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

レカネマブ 米国FDAの承認取得、国内でも承認申請へ

(2022年9月19日 アルツハイマー認知症の診断から約15年7ヶ月)

 

思ったより早かった

年明け早々から、あの舌を噛みそうな、絶対覚えられそうにない(チャーコだけかも)新薬の情報がテレビで流れました。

「レ、カ、ネ、マ、ブ」

私は今回も3回ゆっくり発音してようやく頭に叩き込みました。

確か昨年の9月28日のニュースで「22年度中に米国と日本で承認申請を行う」という話だったけど、アメリカでの承認申請が先行していたのですね。

www.nhk.or.jp

この時、私も「レカネマブ」と先行して発売された「アデュカヌマブ」についてブログに書いていました。

harienikki.hatenablog.com

それから、数ヶ月経ちました。

そして新情報です。

2023年1月7日にレカネマブは米国FDAアメリカ食品医薬品局)によって迅速承認されました。そして商品名「LEQEMBI(レケンビ)」は22年度中に日本とEUでも承認申請を執り行う予定です。

www.eisai.co.jp

上記エーザイニュースリリースによると、アメリカでの販売もすぐとのこと。

 LEQEMBIは2023年1月23日の週までに新発売する予定です。

ただ、迅速承認なので保険適用がされるか否かはまだはっきりとしていません。

フル承認に向けてはまだまだ臨床試験は続きます。

気になるお値段ですが、「レケンビ」の米国での価格は一人当たり年間2万6500ドル(約350万円)に設定されました。

answers.ten-navi.com

うーーーーーむ。

日本では完全に承認されて保険適用がなされれば普及するかもしれませんが、それでも庶民には高嶺の花ではないか…。

この薬はアルツハイマー認知症の早期、または発症する前に投与されると効果があるとされる薬です。もし適用されても、使うのはほとんど70歳以下で3割負担の人だと思うのです。

 

更なる承認を目指す

そして、今週に入り、1月16日にまた「レカネマブ」のニュースが流れました。

www.nikkei.com

日本でも承認申請がされ、2023年中の承認を目指すとのこと。

ついに、ここまで進んできたのか。

認知症の新薬が日本でも販売される日もそんなに遠い将来ではないのかもしれません。

しかし、まだその恩恵を受けられる光がチラと見えた段階のようにも思えます。

(↓)このような記事もありました。

jbpress.ismedia.jp

この記事を読んでみると、

実際の有効性・安全性・経済面の問題は確かに五里霧中という気もしてきます。

 

レカネマブという薬

アルツハイマー認知症アミロイドβが脳に蓄積することによって引き起こされるという説が有力とされています。

レカネマブは脳に蓄積したアミロイドβを早期に取り除くことによって、臨床試験では認知症の発症を27%抑制できるというデータが証明された薬です。

 

そこでちょっと復習ですが、アミロイドβって、何ぞや?

(↓)2022年10月3日の私のブログからの引用です。

改めて、「アミロイドβ仮説」のおさらいをしてみましょう。

アミロイドβは脳で作られるタンパク質です。通常なら割と短期間で分解されて排出されるのです。しかし、タンパク質を分解する酵素の働きの変化によって、毒性が強く蓄積されやすいアミロイドβも作られます。これは20年以上かけて脳に蓄積していき、脳の神経細胞シナプス神経細胞同士を繋ぐネットワーク)損傷させて、結果的に脳の萎縮を起こします。これにより、記憶力、認知力が低下してアルツハイマー病を発症します。

レカネマブの効果については(↓)こちらのサイトがイメージ的には分かりやすかったです。

www.commons30.jp

レカネマブは発症してから飲むのではなく、40~50代といった早い段階から飲むことが効果的とされています。原因とされるアミロイドβ(ベータ)(タンパク質)が溜まってきたことを検知したら飲むイメージです。 アミロイドβ凝集体を無毒化し脳内から除去することで病態進行を抑制する効果が期待されています。一方のアデュカヌマブについては、そういった早い段階からの治験を行っていないので、その効果については不明です。厳密にいうとアデュカヌマブは脳にたまったアミロイドβを取り除く薬ですが、レカネマブはアミロイドβが凝集していく過程の中間段階であるアミロイドβ凝集体を取り除く薬という違いがあります。

効果があるのは本当にごく初期か発症前の段階の人となると、それがはっきりするのは投与を始めた40代から50代の人が、アルツハイマー認知症になる20年から30年後なのではないか。

だからこそ、この薬が本当に効果があると実証されて、広く一般化されるのはまだまだ遠い将来のように思えます。

エーザイは「投与患者数は2030年に世界で250万人ほどまで増加する見通し」との見解を持っているようですが、本当にそうなってくれたら良いな…。

 

未来を照らす

レカネマブについて、私は今現在では過度な期待はしていません。

でもアミロイドβに対する新薬開発に共同で取り組んできたエーザイと米国のバイオジェンの功績は素晴らしいと思います。

未来の人類が認知症を克服できる可能性がある。

それはとても喜ばしいことです。これは未来を照らす一歩なのでしょう。

 

しかし、レカネマブが本当に効力を発揮するのは、認知症のリスクを早期に確実に判定できる検査機器と試薬の開発が欠かせません。

そちらの方も、日本の企業が開発と実用化を進めています。

www.sysmex.co.jp

www.nikkei.com

エーザイとの共同研究が始まっています。

 

すでに末期認知症のおママは当然間に合いません。

私だって間に合わないかも。

でも、私たちの子供の代が恩恵を受けられればいいな。

そう強く願っています。

 

(↓)再掲載のイラストです。本当はこんなオネコと私の未来図が望ましいのですが。

harienikki.hatenablog.com

 

本日アップの貼り絵

2022年9月19日の作品です。

この日、チャーコはあまり「お題」を考えていませんでした。それで、おママに紙を選んでもらいました。

おママが興味を示したのはこの和紙です。(↓)2022年6月に小津和紙で購入しました。私は一目でおママの好みだと直感。案の定、おママは気に入ってくれました。

(↓)まずは葉を切り抜いています。

この友禅紙の地の色はオリーブグリーンというのでしょう。渋いわりには明るくて素敵な色だと思います。葉を切り抜いたらその周囲の形も面白い。

(↓)は模様を一単位切り抜いたところで、私は机の上を整理して「お題」を作ってみました。

写真の左端にちょっとだけ後で使用する赤い鹿子模様が見えておりました。(^O^)

(↓)おママはあれこれ配置を考えております。

youtu.be

<おママの貼り絵制作動画①>

2022年9月19日 14:39〜(3分46秒)

葉のピースの配置を決めてから、おママは糊付けを始めました。しかし、うっかり台紙に使っているハガキからはみ出してしまいました。おママははみ出した部分をハガキの縁に沿って器用に切り合わせていました。

 

歌舞伎座の袋を見つけて、おママは小さいピースを作ろうと思いつきました。

(↓)切ってます。(^O^)

youtu.be

<おママの貼り絵制作動画②>

2022年9月19日 14:58〜(30秒)

おママは最後のピースを貼り付けて、完成です❗️

 

(↓)歌舞伎座で舞台写真を購入すると、この袋に入れてくれるのです。(๑˃̵ᴗ˂̵)

おママのお母(チャーコの祖母)は観劇の際に必ず買っていたっけ…。懐かしいです。

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。