(2022年7月8日 アルツハイマー型認知症の診断から約15年5ヶ月)
*今でもよくわからない
おママは緑内障です。
昨年6月に視野の殆どが欠けているのではないかという事が分かりました。眼圧も20くらいだったので目薬をさしています。
しかし、本当におママがどう見えているかは、おママをよく観察していても、他の人間では推測の域を出ません。
トイレに誘導する時などの様子を見れば、足元だけでなく下の下半分は見えていない気がします。
食事時の様子を考えると、(↑)この写真のワンプレート皿の全面は見えていないような気がします。
それなのに、貼り絵を何となく続けていられたのは(2022年12月20日頃まで)
視野はかなり狭まっても見えている部分は比較的ハッキリと見えていたからでしょう。
そして、あまり目の不調を訴えなかったのは、認知症のせいだと思います。
視野が欠ける前の記憶がないから、今の状態が当たり前なのだと思っているのかもしれませんね。だから発見が遅れてしまったのですが。(^◇^;)
本日の記事でご紹介した貼り絵の制作動画を見直していたら、本人が違和感を訴えている一コマがありました。
(※この日は安倍前首相が銃撃を受けた日です。動画のバックにそれを延々伝える報道番組が流れておりますので、気になる方はご視聴なさらないで下さいませ。)
<おママの貼り絵制作動画①>
2022年7月8日15:18〜(1分36秒)
おママは調子よくハサミを使っていましたが、急に不調を訴えました。
マ「ほんとうに、あたしなんだか、ぜんぜん…。」
手を止めてしまいました。私は眼がよく見えないのかなと思いました。そういえば、切り初めの頃から、ハサミの刃を紙に当てるのができずにいましたから。
チ「見えないの?」
マ「そうなの。」
チ「どうやったら見えるのかな?」
おママは座り直して体制を少し変えて、問題なく切る作業を続行しました。
おママには見えにくいと感じたようですが、不思議な事に、結局同じような位置と体勢に戻って作業を続けていたのです。
もしかしたら、首をちょっと傾ける塩梅や、顎を引くとか出すとか、その程度の変化でも視野はの欠けた部分を避けることが出来るのかもしれません。
おママは認知症の末期と診断されて、家族がわからないのはもちろん、言葉のほとんどが失われつつあります。かなり脳は萎縮していました。
それでも、本能的に見えるよう自分の身体を微妙に動かして、見えるように微調整をしているのだと思います。
人間って、すごいな。
脳って不思議だな。
改めて、そんな事を思いました。
*本日アップの貼り絵
2022年7月8日に制作された作品です。
私は何度も登場している特別展「宝石 地球がうみだすキセキ」のリーフレットを使ってみようと思いました。
1枚のリーフレットを散々使い倒して、7月8日の時点では残りは(↓)これだけになりました。切り抜いて遊ぶだけでもいいのですが、新しい貼り絵ができたらいいですね。
(↓)上記動画終了後、熱心に切り進めました。
ティアラは「ヴィクトリアン ダイヤモンド デイジー ティアラ」
アルビオン アート・コレクション
丸い方は「ジョルジュ・フーケ作 アルフォンス・ミュシャ作画/デザイン
コンサージュ・オーナメント 個人蔵」
<おママの貼り絵制作動画②>
2022年7月8日 15:30〜(52秒)
おママは目にすれば必ず手に取ってしまうほど心惹かれる市松模様です。黒と緑が鮮やかです。
おママはこの市松模様をどのように切るのでしょうか>
(↓)色々な切り方ができるので、市松模様は楽しいです。
(↓)市松模様に飽きたら、他の紙に気が移りました。福砂屋のカステラの包装紙です。迷わずこの赤を手にするので、おママの色彩感覚は冴えていると思いました。
<おママの貼り絵制作動画③>
2022年7月8日 15:40〜(1分50秒)
おママは同じ大きさの赤い三角形を拵えたいのです。小さく切った福砂屋の包装紙をさらに折って、重なった状態で切っています。この時点のおママはまだそれを自分で考えて作業をしていました。
それを配置する段階で、
おママはミュシャの絵がついているオーナメントがもう一つ欲しいと思ったようです。
マ「これがないから、こまってんのよ。」
チ「いやいや…、それはどの道、ひとつしか無いし。」
おママはご不満なようです。
(↓)ご不満ながらも無いものは仕方ありません。
おママは観念して糊付けを再開しました。
関連作品です。(↓)
おママの貼り絵を見て下さり,ありがとうございます。