(2022年5月27日 アルツハイマー型認知症の診断から15年3ヶ月)
*まさかのキャンセル❗️
「そろそろショートステイも考えた方がいいね。」
姉のオネコがそんなことを言い出したのは、1年以上前のことでした。
デイサービスは日中だけの通所施設ですが、ショートステイは何日間か短期間お泊まりする施設です。
ネットで調べたりはしていたのですが、日々の細々したことに追われてついつい時間ばかりが経ってしまいました。いつもながら我らはなかなかお神輿が上がりませんでした。
ショートステイは申し込んですぐに利用できるわけではありません。
大体、予約は2ヶ月前や3ヶ月前にしておくのです。それも人気のある施設は希望通りに予約が取れるとは限りません。
そんなこんなを考えると、ちょっと二の足を踏んでしまいました。
しかし、今年の春ごろからおママの症状は進み、主たる介護者であるジジが7月にはコロナで入退院してからというものの、更に衰えたなと感じています。
それで、この夏から、オネコと私が二人をサポートする負担が格段に増えました。
オネコは歩いて来られる距離に住んでいるとはいえ、基本的に平日は在宅ワークをしています。
私はというと、自宅から実家まで片道1時間はかかります。連続して実家へ行くときは泊まり込むようになりました。
「おママだけでもショートステイを利用しないと保たない。」
実際にそんな必要に迫られて、慌ててケアマネジャーさんに相談しました。そして直ぐにケアマネジャーさんを通して申込みをしました。
希望の施設では、9月の初旬に11月の予約をします。しかし11月はずいぶん先です。待てません。
その前に「いつでもいいから」ということで、「キャンセルがあったら声をかけてください」と8月中にキャンセル待ちの申し込みをしていました。
そうしたら、思いがけず、9月の上旬の平日に2泊3日のステイができることになったのです。
*契約時のあれこれ
ショートステイの日程が確定したら、まずは初回の前に契約が必要になります。
施設のスタッフが実家へ来て、本人と家族と面談しながら行いました。
ケアマネジャーさんも同席してくれたから、話もスムーズに進みました。
内容は…。
本人の日常の様子や症状、体調、よくある問題行動、服用している薬など細かくお伝えしました。特に最近はトイレでの動作が分からなくなっており、必ず付き添っていただくようにお願いしました。
そして,問題は目のことです。視野が大きく欠損しているので、なるべく正面から話しかけるようにしてほしいです。
私はいつもおママを名前で呼んでいます。おママにとって,私は既に娘ではないので、「芙貴子さん」と呼んだ方が自然なのです。それに気がついたスタッフさんから聞かれました。
「施設内でも苗字ではなく芙貴子さんとお呼びした方がいいですか?」
その方がいいですね。だっておママは苗字が分かりませんから。(^◇^;)
その後、着替えや室内履き、歯ブラシやコップ、テッシュボックスなど、用意する物の説明を受けました。持ち物全部に名前をつけなければなりません。
そしてお薬も日付ごとにきちんと小袋に入れてセットします。
施設内で滞在するのは4人部屋です。それでもパーテンションで区切ることもできますし、プライベートスペースは確保できているようです。
「ベットのある個別のスペースは寝る時だけで、ほぼ日中は共同の広いお部屋で座って過ごしていただいてます。音楽を流したりテレビ番組をつけたりしています。今はコロナであまり外部から指導員を呼べないので、レクリエーションは殆ど無いので申し訳ありません。」
どうやら、その座る椅子はセンサー付きで、立ち上がると直ぐスタッフさんに伝わる仕組みになっているそうです。
送迎に関しての説明もありました。これは施設によってそれぞれ違うと思います。
その施設では送迎車に往復とも家族が同乗しなくてはなりません。ちょっと面倒ですね。でも考えてみれば、行きも帰りも施設に家族が出向くのですから、どんなところか雰囲気くらいはわかって良いし、直にスタッフさんから施設内での様子を聞けるので良いのかも知れません。
オネコが荷物を揃えてくれて、さぁ、おママ、出発ですよ。(^O^)
*元気でご帰還
往きはオネコが担当し、私は帰りを担当しました。
最終日の午後、私が施設に迎えに行くと、おママは担当のスタッフさんと笑顔でロビーに降りてきました。とてもスタッフさんと打ち解けたようです。満面の笑顔でした。私の顔を見ても「どなたかしら?」みたいな感じでした。(^◇^;)
それはそれでいいのです。施設内で嫌な思いはしなかったようですから。何よりです。
スタッフの方に施設内での様子を伺いました。
日中も夜間にトイレに起きた時も、おママは施設内を歩き回っていたそうです。
「やはり,なんとなくいつもと違うと感じたようです。」
「他の利用者の方と楽しそうにお話ししたり一緒に歌を歌うこともありました。ただ、スタッフでも他の利用者でも、誰か1人に気がつくと、まるでロックオンしたみたいに付き纏う事がありました。」
視野に入った人を逃すまいと思ったのかしら?(°▽°)
「お食事は食べるようにとお話しすれば、お一人で完食されていました。」
不安に駆られてパニックになったり騒ぐことはなかったのでしょうか。
「芙貴子さんではありませんが、他の利用者の中には夜中に叫んじゃう方もいたのです。それを聞いた芙貴子さんは、両手を打って拍子を取りながら
『う・る・さ・いん・で・す❗️し・ず・か・に❗️』
と大声を出していらっしゃいました。」
十分、おママも騒音だったかも?(^◇^;)
そして、最終日にトイレで大をする時に、やはり手を汚したりする事があったそうです。でも、あらかじめお伝えしていたし、上手に本人に働きかけて下さったようです。
そして、おママはスタッフさんと別れを惜しみながら送迎車に乗り込み、発車してスタッフさんの姿が見えなくなるまで笑顔で手を振り続けていました。
おママはジジのことはまだ家族のような印象を持っているようですが、その記憶はあまり無いようです。ショートステイでも,家に帰りたいと駄々をこねることもなかったのです。それならば、今後もショートステイなどを利用しても大丈夫な気がします。
半分安心しました。そして、半分寂しさを感じました。(^O^)
*本日アップの貼り絵
2022年5月27、こんな「お題」を考えてみました。おママはどうするかな?(^O^)
(↓)この展覧会のチラシも少し混ざっています。
(↓)おママはまず大好きだった手毬模様を選びました。これは2017年5月におママが小津和紙で自ら選んだ友禅紙です。この時はオネコと私と3人で行きました。
あれから5年、おママは大好きだった小津和紙に行っていません。なかなか電車での移動は難しくなりました。
<おママの貼り絵制作動画①>
2022年5月27日 14:22〜(2分17秒)
おママは手毬が2つ連なるピースを2枚切り抜こうとしています。
「チュンチュンチュン,チュンチュンチュン♪
こうして、こうして、こう。」
楽しそうに歌いながら切っています。2022年9月19日現在、おママはこんなに上手に切り抜くことはできなくなりました。感慨深いです。
<おママの貼り絵制作動画②>
2022年5月27日 14:26〜(21秒)
おママは構成をあっという間に決めました。
しかし、順調なのはここまでです。それから作業は混乱と混迷を深めていきます。
一度貼ったピースを剥がして貼り直す事はよくあるのですが、
この日のおママはそれを何度も繰り返しました。
(↓)遂にしっかり糊付けした大きなピースの上部を剥がしてめくり上げ、小さな手毬をその内側に挟み込もうとしています。実はこれはおママが良くやる手法なのです。
<おママの貼り絵制作動画③>
2022年5月27日 14:48〜(1分19秒)
おママはせっかくめくり上げたのに、その目的をわすれてしまいました。
チャーコが「ここだったよ」と教えました。
さらに「糊を付けてください」というチャーコの言葉は理解できないのですが、自分で納得していればスムーズに糊を手に出来るようです。
(↓)最後に1ピース追加して完成しました。(^O^)v
(↓)この手毬模様の友禅紙はおママのお気に入りでした。
幾枚もの貼り絵に使われて、もうほとんどありません。(^O^)
(↓)関連作品です。
おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。