(2022年7月24日 アルツハイマー型認知症の診断から約15年5ヶ月)
*プライドとリスクの狭間で
おママが特別養護老人ホームに入所してまだ日も浅い1月上旬。
実家はポータブルトイレを導入しました。
もちろん使うのはジジです。
本人は多少抵抗があったようですが、結局必要だと納得してくれました。
実はジジは夜に4回から5回もトイレに行くのです。就寝は20時から21時頃です。それから朝の起床までの間に何度もトイレに行くのは大変です。
ベットから起き上がり、歩行器を頼りに寝室を出て、リビングを抜けて廊下へ出ます。そして数メートル先のトイレへ。その道中は結構長い。
私が泊まり込んでいる時に目撃したのですが、冬は廊下は寒く、急いでトイレを目指すので、ジジはろくに衣類を羽織もせずにガタガタ歩行器を押していました。その歩く背中には悲壮感すら漂っていたのです。
もちろん、ジジはリハパンツに尿漏れパッドもつけていますから、お漏らしの心配はほとんどありません。しかし、用を足すのはトイレでという気持ちは強いようです。
しかしながら、今年の冬は寒い。しかも昨年と比べて歩行は更に困難になった。
転倒することも増えた現状、ジジが夜間にトイレまで歩くのは危険です。
「暖かい寝室にポータブルトイレを置いて、夜だけでも使ってみたらどう?」
「昔、おふくろも使っていたね…。」
40年ほど前の、ジジとおママが在宅介護をしていた祖母の事が頭ががよぎったのでしょう。
最初は私の提案に表情を曇らせていました。
祖母はポータブルで要を足すのを嫌がりました。まず、プライドが許さなかった。
しかし、身体が思うようにならない場合、どうしようもなく使わざるを得なかったのです。匂いが漂うのも辛いし、その後始末をする家族の精神的な負担も大きかった。
現在のポータブルトイレは当時に比べて随分改良されています。
「家具調で椅子としても使えるポータブルトイレもあるし、いい薬品(消臭剤)もあるから匂いも少ないし、後始末も簡単よ。」
私は努めて明るくポータブルトイレを宣伝しました。
「そうだね…、じゃぁ、手配してね。」
確かに、ポータブルトイレで要を足すという事は、誰だって出来れば避けたいでしょう。
ジジはプライドとリスクを天秤にかけ、そのギリギリのせめぎ合いに折り合いをつけて、承諾したのでした。
*どれにしようか
ポータブルトイレは特定福祉用具なので、レンタルではなく購入になります。まぁね、誰かが使ったポータブルとなると、親戚の間ならともかく抵抗がありますもの。
介護保険を使えば自己負担は少なくすみます。ジジの場合は2割負担で購入できました。
購入に際してはまずはケアマネージャーさんに相談します。そして福祉用具の業者から購入します。納品時に全額現金で支払いますが、後日、介護保険で賄われる分は返金になります。
ポータブルトイレは種類も様々です。介護用品のカタログを見ると、沢山ありすぎてどれを選んだら良いか迷ってしまうほどです。
基本的にポータブルトイレは便座の下にセットされているバケツに用を足す物。
そのほかにどんな機能があるのでしょう。
まずは樹脂製と家具調の区別があります。
そして、肘掛けが可動式ではね上げられるか否か。
あとはソフト便座、暖房便座、商品によっては温水シャワーとかあります。
機能が多いほうがお値段もお高くなる…。
結局,私達が考えたのは次のことだけでした。
使う人にとって、どの機能が必要か。
「寒い夜のことを考えたら暖房便座は必要❗️」
どこに設置するか。
「寝室のベッドの近くに置くから、家具調の方がいいね。」
それで選んだのか(↓)こちらです。
ジジは95歳。100歳まで生きると豪語していますから、結構長期に亘り使用することになるでしょう。ジジが納得できるポータブルトイレにしました。
*設置しました
(↓)寝室にポータブルトイレを置けるだけの空間を作り設置しました。
床面には念の為使い捨て防水シーツを敷いています。
写真には写っていませんが、手を拭くウエットティッシュと尿バッドや汚れたリハパンを捨てるために(↓)の紙オムツ用のゴミ箱を置いています。
オネコの娘ユズちゃん宅で不要となったので、送ってくれたのです。
これがとても優れもので、匂いが漏れませんでした。
ジジは最初は躊躇していたようですが、最近、夜間は使ってくれています。
「寒い廊下に出なくていいから楽だよ。」
そう言っています。
便座の下のバケツに水と消臭薬(ドラッグストアで売ってます)を入れておきます。朝になったらバケツだけ取り出してザザッとトイレに流してしまうので、後始末もそれほど負担にはなりません。
でも、ジジには強く言っておきました。
「自分で汚物の入ったバケツを始末しようとしないでね。無理して自分でやろうとして転んだら、本当に悲惨だからね。」
「わかってるよ❗️」
ジジ…、歳をとるのも大変だよね。(^◇^;)
*本日アップの貼り絵
2022年7月24に制作された貼り絵です。
おママは同じ日に(↓)の作品を仕上げています。今回ご紹介した貼り絵は、言わば(↓)この貼り絵の残りで制作されています。
1作目を終えて、おママは残ったピースをいきなり貼り始めました。
あまりにも軽率に、考えもなく貼ったんですよ。だから私は思いました。
(きっと後で気が変わって貼り直しになるかな?)(^O^)
でも今回は杞憂だったようです。
紙片を貯めている箱の中から、合いそうな紙を選んで貰えば良いかも。
(↓)良さげな紙片を私が見繕って出してみました。
(↓)そして、おママは和風の紙選んで組み合わせていました。
この作品は十数分であっという間に完成してしまいました。
(↓)使用した紙です。
(↓)おママの好きな柄の友禅紙です。
。
おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。