(2022年9月19日 アルツハイマー型認知症の診断から約15年7ヶ月)
*地雷原
おママが特別養護老人ホームに入ってはや3ヶ月。
少しづつですが、おママがいない実家にも慣れてきました。
当初はおママの動画を見るだけでも胸が苦しくなっていたのですが、最近はだいぶ穏やかな気持ちになれたと思います。
今日ご紹介した貼り絵の制作動画を見直していて、私はふと気づきました。
「私、地雷を踏んでる…。」
それは、小さな小さな地雷でした。
認知症の人は記憶力が落ちていますから、常に不安であると言われています。それはおママを見ていてもそうでした。
さらに症状が進んでくると他者の言葉が理解できなくなり、自らの言語能力も落ちてきます。そうなると、意思の疎通が難しくなり、当人は不安と苛立ちを感じることがより多くなると思います。
そんな感情を何かの拍子に表出させることがある。
私は心の中でそれを「地雷」と呼んできました。
「おママの地雷を踏まないように。」
おママが不安になったり、苛立ったりしないように努めてはみるものの、私も人間ですから、そのサインを見逃すこともあります。
おママの地雷のほとんどは小さなものでした。
たまには怒り狂ったおママが椅子を振り上げるという、特大地雷が炸裂した事もありましたね。(↓)
でも、比較的に穏やかに症状が進行してきたので、大変ではありませんでした。
思い返せば、おママは元々は短期で怒りっぽいところがありました。
だから、私は子供の頃に「おママを怒らせないように」と気をつけながら暮らしていました。
可笑しなものですね。子供の頃も、大人になってからも、
「おママの地雷を踏まないように」
していたのですから。
やがて、経験からくる探知センサーが身につきますから、高確率で地雷は避けられるようになります。
でも、どんなに気をつけていても、踏んでしまうことはありますわね。
だって、人間だもの。
*本日アップの貼り絵
2022年9月19日の作品です。
この日,私は「お題」を考えていなかったので、おママに紙を選んでもらいました。
缶からあれこれ出していますね。これがおママにとって楽しい時間だったと思います。
興味を持ったのは2種類。(↑)これです。(^O^)
(↓)切ってます。
(↓)こちらはどの作品の残りでしょうか。面白い形ですね。白い端っこ炉切り落としています。
<おママの貼り絵制作動画①>
2022年9月19日 14:07〜(1分14秒)
おママは配置を考えています。小さな青い三角形も使いたいと思いました。
紫のピースがいくつか足りないと感じて追加しています。
(↓)ちゃんとしたピースを切ってあるのに、おママは模様が分割された2ピース(赤い矢印)を組み合わせて貼ることに固執していました。それがうまくいかず,ちょっとご機嫌斜めでした。
(↓)大体恋性が決まったので、糊付け中です。
*小さな地雷を踏んだ動画
<おママの貼り絵制作動画②>
2022年9月19日 14:23〜(1分33秒)
順調に糊付けしていましたが、最後に小さな青い三角形が残っています。確か,これは使う予定でしたよね。おママさんはお忘れの様です。
チ「後これ一つ、どっか貼る?」
小さいのでおママは見えない様です。視野狭窄にせいだと思われます。
マ「おいて❗️みるとわからないの、ぜんぜん。」
手探りをして、「これだ❗️」
でも、すぐまた手に隠れてしまいました。おママはちょっと逆ギレ気味。
マ「あたしのところは、こんなところは❗️」
おママ自分のお腹を叩き、チャーコの手の甲を叩き、
マ「ありません❗️」
どうやら私は、おママの地雷を踏んでしまったのか?(^◇^;)
チ「ここ、見える?」
マ「しめません❗️」
これは「見えません」と言いたかったのでしょう。(^◇^;)
おママは小さい青い三角形を見つけました。そして画面に戻したのです。
マ「ここにすればいいじゃない❗️」
しかし次に「どっこい、どっこい,どっこいちょ」
と言いながら御機嫌が治りました。
最終的には当初の計画に戻れました。
出来上がりです。出来上がりのはずだったのに…。
(↑)先ほどこだわり抜いて2枚をはぎ合わせた紫のピースですが…。
完成して他のピースを比べたら見劣りがした様です。
「これじゃぁ、こまっちゃうわよ。」
自分で剥がして完全なるピースを貼り直していました。
おママの貼り絵を見てくださり,ありがとうございます。