(2022年1月14日 アルツハイマー型認知症の診断から約14年11ヶ月)
*開かなくなったら、どうしよう。
こんな悩みは,
「今どき、こんなのウチの実家くらいかも。」(°_°)
皆さんのお宅のトイレはいかがでしょうか?
あ、ウォシュレットがあるとかないとかの話ではありません。
トイレの扉に付いているノブと鍵の事です。
実家は築80年を悠に超えている建物です。昭和47年ごろに2階を増築して、平成に耐震工事はしております。ほとんどの内装や建具などは昭和47年当時のまま現在に至っております。
(↓)トイレのドアを外側からみるとこんな感じです。
ご覧くださいませ。
どこをどう探しても、外から鍵を開ける部品はついておりません。
これは不測の事態が発生しますと、ドアを破壊しないと救出できません。
昔、私が子供の頃、図らずも幼児がトイレに立て篭もる事案が結構ありました。
トイレに一人で入って無意識に鍵を掛けてしまった。しかし、出るときに開けられなくて泣き叫んでパニックになるというアレです。
それで万一の時のために、現在の家庭用トイレでは外からも解錠できるようになっているのです。
しかし、実家のトイレはそれ以前のものです。
(↓)
ドアノブと一体化した平たいレバー状の鍵をスライドさせるタイプです。
調べますと、ハイスラッチ錠というのですね。
しかし、不測の事態は幼児だけではなく大人にも起きます。
トイレで急病になって倒れた時など命に関わることもありますから。
当然これは、認知症のおママにも言えます。
私はおママがトイレに向かうときは必ず後をつけます。しかし、長年の身に染み込んだ習慣のせいか、おママは中に入ると「カシャッ❗️」と施錠してしまいます。
幸いずっと、おママは出る時も自分で解錠していましたが、
認知症の人は昨日まで出来た事が今日は出来なくなる場合もあるのです。
それがとても気になり始めたのが昨年の秋でした。
*あまりに古すぎて
そこで、昨年11月に、私はトイレのドアノブを取り替えたいと姉のオネコに相談をしました。
「おママが鍵を開けられなくなったら、外からは開けられないでしょ。ドアノブを壊さないといけないんだけど。」
オネコさんとしても、おママが自分で施錠した鍵を開けられなくてパニックになる様は、容易に想像ができたのでしょう。
「そうね、ホームセンターでドアノブを買ってきて付け替えたら良いのかしらね。」
しかし、ドアも古ければドアノブも、鍵がかかる鍵穴も、全てが古いのです。しばらく姉妹でトイレのドアの内外でガチャガチャしていましたが、
「何せ古いドアだから、新しいドアノブに付属している鍵によっては、鍵穴ごと作り替えることになるかも、
そうなると素人では難しいよね、
下手したら、ドアごと作り替えることになるかも…」
という具合に、暗雲が立ち込めてしまうのでした。
古い家です。ジジはこの古い家に、もうあまり手は入れたくないようです。
「とにかく、おママが無意識に鍵を掛けなければ良いんだけどね…。」
しかし、言葉が通じないことも多々あるおママですから、
「鍵を掛けないで❗️」
と言ったところで、理解が得られるとは思えませんし、その時は理解できてもすぐ忘れてしまいます。
(打つ手なし…。)
私は絶望的な気分になりました。
*これが本当の苦肉の策
ところが、しばらく経つとオネコさんがニコニコしながら言うのです。
「つまり、おママがレバーを動かして鍵を掛けても、レバーが鍵穴に入らなければ良いんでしょう。」
そうですが…、そんな事ができるんですか?
それができたのです。発想の転換です。
「こうしたのよ。」
なんと、オネコさんは鍵穴にテッシュペーパーを硬く小さく畳んで詰め込んだのです。
「おママが鍵をかけているうちにティシュが潰れてしまったら、また詰め直せば良いのよ。」
レバーはそれなりに動いて鍵がかかった気がするけど、実際これでは鍵穴には入りません。
オネコさん❗️頭いい❗️
私は姉を褒め称えました。
それから5ヶ月。鍵穴に詰め込んだテッシュペーパーはまだパッキングとしての機能を果たしています。
その後、おママの症状は重くなる一方です。
そして、おママは相変わらず、入る時に無意識で鍵を掛ける事が多いです。
最近では、おママは大の時、あまり自分で拭けなくなってきました。だから私が途中からトイレに入って手伝うことも増えました。
この苦肉の策を思いつかなければ、大惨事が起きたり、馬鹿にならない出費が嵩んだでしょう。
下らない事かもしれませんが、
ちょっとした工夫で問題が解決することもあるんだなと思いました。
*本日アップの貼り絵
2022年1月14日に制作された貼り絵です。
「お題方式の貼り絵」です。
*「お題方式の貼り絵」と「お題パック 」について
一昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それで、あらかじめ私が「お題」と称して何種類かの紙を用意することが多くなりました。その他に組み合わせする紙片をおママに選んでもらってから、切り貼りを楽しんでもらうようになりました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。
私が実家に行かない時でもおママが貼り絵に取り組みやすいように、「お題」と台紙にするハガキをチャック付きのビニール袋に入れておく。これが「お題パック」です。
(↓)今回はこちらの作品の残りを使っております。
この日は私もあまり考えていなかったので、缶からおママに好きな紙を選んでもらいました。
そうすると、おママはどうしても好みの紙に手が行ってしまいます。
(↓)この六角形と三角形を基にした鮮やかな千代紙に惹きつけられていました。
「これ、いいわよね。」
形を整えて大きなメインピースとして使いたいようです。(↓)
(↓)こんな感じです。そして、素敵なジュエリーの写真を配置しようと画策中。(^O^)
<おママの貼り絵制作動画①>
2022年1月14日 15:24〜(1分47秒)
おママは花をモチーフにしたジュエリーの写真を見ながら、頭の中で構成を練っています。
マ「そうしたらこれとこれとね、それで、これ…」
大きめの花をどこに配置するか、おママは指差しながら語っています。
チ「そうね,ちょうど3つあるし。」
マ「それはいいんだけど、この1番の『ち』を…。」
チ「それは成り行きでいいよ。」
マ「この『ちび』をね。」
おママは小さい花のジュエリーを他と比べて『小さい』事を『ち』と言っていたのですね。(^O^)ここで画面が乱れて数秒中断しました。
<おママの貼り絵制作動画②>
2022年1月14日 15:26〜(2分19秒)
順調にカットと配置を進めていましたが、3つ目の花を切り抜いた時、偶然紙が裏返しになってしまいました。
おママ一瞬戸惑っています。裏返しになった事がわからず、急に紙が変わったと思ったようです。
チ「こっち向きだからね。」(^O^)
チャーコが紙を再度裏返して元に戻しました。
すると,おママは「キャハハハハ❗️」と大笑いをしていました。
(↓)そして、これも大好きな「波紋」で飾りをつけて出来上がり❗️
(↓)同じ2022年1月14日にこの作品も制作されました。
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。