(2021年5月30日 アルツハイマー型認知症の診断から約14年3ヶ月)
*間がもつのか?
2023年5月23日(火)、私はオネコと二人でおママと面会をしてきました。
前回は私一人だったし、まだ室内と室外、ガラスに分断されていたので、おママと面会しても、全く間がもちませんでした。
「今回はどうかしら。まだガラス越しなのかしらね…。」
オネコさんは不安のようでしたが、私は前回の2分で敢え無く撃沈した記憶がまだ生々しく、ほぼ諦観していました。
「恐らく、間はもたんでしょう。」
期待するだけ、後の落胆は大きいですから。(^◇^;)
一応、オネコさんは綺麗な花柄、私は大きな市松模様のシャツを着て行きました。
そしてオネコさんは更なる奥の手を仕込んでおりました。
*反応あり⁉️
今までは同室で面会はできませんでした。完全にガラスと壁で分断されていましたが、今回は少し前進しました。
コロナウイルスが感染法上の「5類」になったからですね。
大きなテーブルの上のアクリル板越しとは言え、同室で面会できることになったのです。
少なくとも、お互い声はよく聞こえるでしょう。(^O^)v
そして…、
スタッフさんと一緒に現れたおママは、なぜかフリースのひざ掛けをたたんで抱えていました。
娘二人を前にしても、おママはあまり目も合わさずに、ひたすらひざ掛けを畳んでいました。
「お母さん、元気そうで良かったわ。」
そう言ってもイマイチ反応がありません。
そこで、オネコさんは奥の手をバックから出して、おママの目の前で開きました。
それは、おママが10年以上前に制作してオネコさんに上げた貼り絵のファイルでした。
アクリル板越しに開かれるページには、
色とりどりの紙片が織りなすハーモニーです。
おママは直ぐにファイルに見入って、表情がパッと明るくなりました。
「これは、こうだから、こう、こうなのね」
と指で紙片を辿り始めました。
全部で20枚くらいだったのですが、おママは全てのページを喜んで見つめていました。
「これ,全部、お母さんが貼ったのよ。」
そう言っても、全く自覚はないし、私たちの言葉も理解はできていないようでしたが、作品を見つめる瞳は輝いていました。
おかげさまで、今回の面会は20分くらいでした。
前回が2分だったので、本当に充実した時間でした。
次回からも奥の手は必須かもしれませんね。(^O^)
*本日アップの貼り絵
2021年5月月30日の作品です。
2年前のおママはまだ「お題パック」があれば一人で貼り絵ができていました。
*「お題方式の貼り絵」と「お題パック 」について
2019年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それで、あらかじめ私が「お題」と称して何種類かの紙を用意するようになりました。その他に組み合わせする紙片をおママに選んでもらってから、切り貼りを楽しんでもらう。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。
私が実家に行かない時でもおママが貼り絵に取り組みやすいように、「お題」と台紙にするハガキをチャック付きのビニール袋に入れておく。これが「お題パック」です。
しかし、2022年にはおママは一人では貼り絵ができなくなったので、この「お題パック」は終了しました。
そんな時期の作品です。
この日、おママが使った「お題パック」はこちらでした。(↓)
私がこれをセットしたのは2021年5月28日ですから、制作の2日前でした。
チャーコは小津和紙でいかにもおママが好みそうな友禅紙を買ったので、おママに披露してみました。(↓)型絵染の紋様のような、色彩も民藝風です。
案の定、おママは嬉々としてハサミを持ち、切り抜き始めました。
<おママの貼り絵制作動画>
2021年5月28日 15:27〜(3分5秒)
模様に沿っておママはハサミを入れていきました。時々立ち止まり、そして考えながら進みました。
同じ5月28日には(↓)おママは下記の連作を制作しました。
そして、その残り物を中心に私は「お題パック」をセットしました。
今回の作品の元となった「お題パック」と一緒に(↓)も同時にセットしました。
黄土色系の模様に入った市松模様の紙は本高砂屋の包装紙です。(↑)
そしてできたのが、(↓)こちらです。恐らく同時か前後して制作された連作だと思います。
おママに貼り絵を見て下さり,ありがとうございます。