(2018年7月15日アルツハイマー型認知症の診断から約11年5ヶ月)
1ヶ月が経つのが速すぎます。
明日からは8月ですね。夏休みのご家庭もなかなか大変だと思います。
皆様、体調に気をつけながらお過ごし下さいませ。
そして先週からの豪雨で水害に遭われた方々に、お見舞いを申し上げます。
これ以上災害がありませんように。
*「今月のイチ押し❗️リターンズ❗️」とは
昨年の1月におママが特別養護老人ホームに入所したので、もう、新しい貼り絵作品は出来ません。(面会時にシール遊びはしますが…)
一昨年まで、「月末企画❗️今月のイチ押し❗️」は当ブログの月末恒例行事でした。
オネコと私は「イチ押しミーティング」をして、特に印象に残る作品を選んできました。
それはすぐに意見が一致することもありましたが、紛糾する(大袈裟です)こともしばしば…。
しかし、それも出来なくなりました。寂しいものです。
「今月のイチ押し」は今見ても素敵な作品が多いです。当時を思い出して、今、感じることもあります。
そこで考えたのが「リターンズ❗️」。
6年間72枚の中から、私が特に好きな作品を再びご紹介する企画です。
(↓)先月の「イチ押しリターンズ❗️」です。
*季節を先取り?
2018年7月の「今月のイチ押し」作品です。
制作は7月で暑い盛りなのですが、秋を感じさせるような、大人っぽい配色でした。
なかなかエレガントな作品で、斜め右上への対角線を軸としたシンメトリーです。
明度や彩度が良い感じに落ち着いているけど、2組の補色関係は画面をキリッと締めています。それを台紙に使っているハガキの白とモノトーンの小さなピースが緊張感を緩和させていて、私はこの作品を最初に見た時に、
「へぇ❗️おママ、やるじゃん❗️」v(๑˃̵ᴗ˂̵)v
と思いました。
当時、おママは認知症の診断を受けてから既に11年以上経過していましたが、実によく考えられた(?)作品だと思います。
以下、過去記事の引用です。(↓)
*イチ押しミーテイング
オネコとミーテイングして作品を選ぶ時、私は自分なりに候補作品を2点くらい選んでおきます。しかし姉妹でも好みは違いますから、オネコの良いと思うのと合致しない事もしばしば。
でも今回は不思議な事に、私の候補とオネコの選んだ2点がぴったり一致していました。
「じゃあ、綺麗な方にします。」
そして決めたのがこの貼り絵です。
オネコはしきりと、
「右上の細長い緑がちょっとだけズレたのが惜しかったわね〜」
と残念がりましたが、私はご愛嬌だと思います。他のパーツはほぼシンメトリーが決まってますから。((^。^)v
あ、そういえば…。候補だったもう1点はとても個性的な作品でした。
*7月13日(金)
この日の午後、おママは自分で制作を始めました。
私は夕食の支度の合間に覗いて、出来上がりが楽しみでした
⬇️ あれこれ悩んでおります。
「どうかしらね?」
おママはどこか自信なさげでしたが、
「その色の組み合わせなら、絶対に大丈夫よ」
と、私は本心からそう思いました。大人っぽい配色ですね。
途中の写真を撮影したのは7月13日でしたが、私は完成を見ずに帰宅しました。
そして、貼り絵の裏面に書かれた完成日は7月15日(日)です。
もしかして、おママは2日間この貼り絵を作業机に置きっぱなしにして、見つける度に構成を練り直していたのかもしれません。
暑い最中に頑張って制作したこの貼り絵を、
「今月のイチ押し」に決定❣️
*色彩は自由だ
私がまだ大学生の頃、おママは革工芸から、ルリユール(ヨーロッパの伝統的な製本技術)の技法のひとつ、革に金箔を施す工芸金箔に取り組んでいました。
それまでも、おママは皮革を染めたり組み合わせる時は、その配色にかなり悩んでいました。
「どうもして色彩感覚に自信がない。キレイな配色が出来ない。」
「配色に自信が持てないから、色を合わすときに『本当にこれでいいのか』と悩む。」
「どうしたものか…?」
当時、私は一応美術系の学校に進学していたので、おママは私に解答を求める事がよくありました。
でも、血筋でしょうか。私も配色には全く自信がありませんでした。
「色彩学の本でも見て…」
と私は素っ気なく、自分が使っていた配色見本が載っている本を、おママにポンと貸しました。本を見ても、おママは更に悩んでしまうようでした。結局、大人しめの同系色でまとめる傾向があり、おママ自身、「つまんない」と物足りない意識はあったようです。
それから20年以上経って、おママは認知症の診断を受けた前後から、この「おママの貼り絵」に取り組むようになりました。
初期の頃は,いわゆる理性が勝っていたでしょうから、それなりに配色に悩んでいたかもしれません。
しかし、私がブログを始めて「おママの貼り絵」制作を見守るようになった頃には、ほぼ気分や直感で配色や使う紙を合わせているようでした。
自由なのに、しっかり考えているのか?
考えているようで、ほぼ自由気ままなのか?
見守っている私としては、判然とはしませんでした。
でも、確かな事が一つありました。
おママが配色や構成を心から楽しんでいた事です。
好きな紙を、好きな色合いを、ハガキ大の世界に詰め込んでいる「おママの貼り絵」を見つめながら、私は「色は自由で良いんだな」と思うようになりました。
配色が苦手だったのですが、私もその意識から解放されたような気がします。
私が「絵を描いてみたいな…」そう思い始めたのは、ちょうどこの頃からでした。
この貼り絵は、そんな思い出深い作品です。
おママの貼り絵を見てくださり,ありがとうございます。