アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

おママの手遊び(てすさび)2 紙テープの栞

(2022年12月18日アルツハイマー認知症の診断から約15年10ヶ月)

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てすさび

おママはとても手先の器用な人でした。

おそらく、これは若い頃から、いえ、きっと子供の頃からだったのでしょう。

ほんの少しの暇な時間でも、手を動かして何かをやっていました。

それは若い頃の染色だったり、裁縫や手編みだったり、

中年期は革工芸からルリユール(ヨーロッパの伝統的な本の装丁技術)まで、

趣味として続いていました。

そんな大袈裟なことではなくても、ちょっとした材料があれば、手遊び(てすさび)で一人の時間を楽しむことができました。

(↓)認知症になっても到来物のお菓子の包装材を使って謎の工作を実に精巧にやってのけておりました。

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今回ご紹介する「おママの手遊び」は、細い紙テープを組んで作った栞です。

「本日アップの貼り絵」の中央にドドンとロケットみたいに縦に貼り付けてある。

それなのです。

使用した紙テープはピンクと水色の約7ミリ幅です。その2本をどのように組んだのか。どんな資料を参考にしたのか。私には良くわかりません。

おママが自分で作ったことは間違えないのですが、それがいつであったかも不明です。

私がブログを始めた2016年の12月には既におママの作業机の上にありました。

「きっといつか、おママはこの栞を貼り絵に活用するのではないか?」

そう思っておりました。

 

このおママ手製の栞は1枚だけだったのでしょうか?

大抵おママは試行錯誤を繰り返しながら何本か拵えると思うのです。

そう思っていたら、最近思いがけず、見つけました。

先月末に書いた「今月のイチ押しリターンズ」でご紹介した写真の中にもう1枚写り込んでいました。

赤い矢印のところです。ハガキより小さい用紙に、既に貼り付けていました。組み方が明らかに違うので、おママは幾通りかの組み方を試していたのかもしれません。

「なんだ、おママはやっぱり昔手遊びで作った栞を貼り絵に使っていたのね。」

ちょっと嬉しかったです。

残念なことに、この写真に写っている作品は現時点で見つかっていないので、何処に行ってしまったのでしょう。(^◇^;)

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取り敢えず、最後に残った1枚の栞が紛失せずに「おママの貼り絵」に納められて、良かったと思いました。

本日アップの貼り絵

2022年12月18日の作品です。

おママは年が明けて2023年1月に特別養護老人ホームに入所したので、15年以上続いた「おママの貼り絵」の最晩期の作品です。

この時期のおママはもうあまりハサミが使えなくなっていました。

私が一生懸命おママの手に握らせても、私が切るところを見せても、なかなか切れなくなっていました。だから基本は貼るだけでした。

この日は(↓)このような材料を揃えてみました。

「もう、明日、貼り絵ができなくなっても不思議でない」

そんな状況だったので、実は是非ともおママに使ってもらいたい物があったのです。

それが赤い矢印のところに有る紙テープの栞でした。

今までも、何度か「お題」の中に混ぜていたのですが、イマイチ関心が向かなかったのですが、ようやくおママは興味を持ってくれました。(↓)

画面の真ん中に貼ろうと決めたようです。

(↓)下地にやわらかな色合いの紙を貼っています。

(↓)こうしようかな。

(↓)気が変わりました。上部の左右に対となるピースを配置したいのですが、新たに切らないとダメなようです。

おママが大好きでよく貼り絵に使ったハワイの包装紙。これを手にしたおママはご機嫌でした。

自分ではなかなか持てなくなったハサミを、私がおママに手に握らせてみました。

すると思いの外すんなり進むではありませんか。(↓)

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<おママの貼り絵制作動画>

2022年12月18日 10:44〜(1分27秒)

おママはまず長方形に切りました。

そしてハガキの画面を確認して、右ピースと対になるにはどのように切るべきか考えていました。

マ「これとこれのなかが……これだよね。」

ハサミで指し示しながら確認しています。

チ「頭いい❗️」

そして完成しました。

おママの貼り絵を見てくださり,ありがとうございます。