(2021年3月12日アルツハイマー型認知症の診断から約14年1ヶ月)
*想像以上に出来ない
前々回の記事で、私はこんなことを書いていました。
災害時に私やオネコさんがジジの食事の用意が出来なくても、
ジジが何か温かいものを自分で食べられないものか…。
今後、オネコも私も実家に行かれず、ジジは温かい食事を摂れない事だってありえます。
電子レンジは使えないけど、ジジは電気ケトルでお湯を沸かすことはできます。
インスタントのカップラーメンはあまり好まず食べなかったけど…。
背に腹は変えられません。
時々、食べさせて慣れてもらおうかな…。
でも、お湯を注ぐのは危ないかな?(^◇^;)
ジジは96歳。歩行器がなければ屋内の移動すらままなりません。
認知症テストはしていませんが、年齢相応にかなりボケてます。
食器を自分で食器棚から出して食べ物を載せる。
そんな行為も難しくなっています。
私が思いつくのはカップ麺くらいなものでした。
でも、オネコさんは「カップラーメンは無理だと思う」との見解でした。
ものは試しです。実際にジジにカップ麺に挑戦してもらうことにしました。
実は2022年の夏に、ジジがコロナで入院、私とおママも感染して実家で自宅療養をしました。その時に自治体から支援物資を頂き、その中にカップ麺がたっぷり入っていたのです。それで、今からちょうど2年前ですが、その時はまだジジも自分でカップ麺を作って食べていたはず…。
その時に割と口に合って抵抗なく食べていた商品を今回も用意してみました。
マルちゃんの「麺づくり」です。
https://www.maruchan.co.jp/products/search/mendukuri_toridashishio.html
それでやってみて、どうだったか?
2年前は出来ていた事が、私の想像以上に難しくなっていました。
個人差がある問題なのでなんとも言えませんが、90代後半に一人でカップ麺を作って食べるというのは、かなりハードルが高かったです。(^◇^;)
*何が難しいかって…
それは全ての工程です。
カップ麺を作るって、それなりにポットからお湯を注げる年齢になれば,多くの人があまり考えないでも出来る事です。しかし、ジジの場合は認知機能が衰えてきたせいか、どうしたらいいかが分からなくなっていました。
①まず、容器を保護しているフィルムを剥がすのに四苦八苦。目と手先も衰えているから余計に難しい。
②容器の蓋を剥がすのが困難。どうやったらいいか分からないので,私が説明した後に実行。左手で容器を固定して、右手でベリッと剥がそうとしたら、上手く支えられずに容器を転がしてしまったのです。
③私がカップの中から小袋を取り出すように説明したら、何とか小袋を外に出せたが、
「これ,どうするの?」と途方に暮れていました。(↓)
④私に促されて、かやくの小袋を開けてカップの中に出していますが手先がうまく使えず難儀していました。
⑤歩行機に電気ケトルを乗せてテーブルまで運びお湯を注いでいます。写真では難なくやっているようだけど、実際はポットを持つ手が震えてかなり危険。それでも、このタイプのカップは広口なので安定感があるけど、カップヌードルのような形状のカップだと余計に危険だと思いました。
「何分待ったらいいの?」
ここまでの行程は全て私の懇切丁寧な説明と手ほどきが有ったから出来ました。
ところが、ここにきて、ジジは颯爽とポケットからスマホを出して時計がわりに時刻を見つめているではありませんか❗️しっかりしている事をアピールしていました。ただし、ストップウォッチ機能があることはご存知無い。
⑥4分後、蓋を完全に剥がす時がまた危険。左手で容器を支え切れず、容器からお湯が溢れそうになりました。結果として、蓋を取り除いたのは私です。後から粉末スープを入れるのですが、モタモタしているうちに湯気で湿って全部容器に投入する事ができない。これも最終的には私がやりました。
結論として、ジジ一人では無理。
オネコさんの言う通りでした。
*食べてはみたが…
麺を食べるのは問題なかったのですが、
「やっぱり、そんなに美味しくない、こんな容器じゃなくて、チャーコさんが作ってくれるような食器(ラーメンどんぶり)に入ったお蕎麦の方がいい」
とご不満のようでした。
「でも、私もオネコさんも来られない時に、お父さんが一人で食べられないかと思ってやってみたのよ。」
「インスタントでも袋に入った麺をどんぶりに入れてお湯を注ぐだけのが良いよ。」
「チキンラーメンね。」
「そう、それ。チキンラーメンならどんぶりで食べられるじゃない。そっちがいい。」
つまり、使い捨ての容器では味気ないのでしょう。
「気持ちはわかるけどさ…。」
一人でどんぶりを食器棚から出せるのか?
食べた後に、一人でどんぶりを洗えるのか?
やっぱり、姉の言うことは正しかった。
能力的な問題以前に、
ジジは感覚的に、カップ麺は無理でした。(°_°)
*本日アップの貼り絵
2021年3月12日の作品です。
カップラーメンのイメージに合うかなと思って,選んでみました。
「お題パック」を使っておママが一人で取り組んだ作品です。
*「お題方式の貼り絵」と「お題パック 」について
2019年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それで、あらかじめ私が「お題」と称して何種類かの紙を用意することが多くなりました。その他に組み合わせする紙片をおママに選んでもらってから、切り貼りを楽しんでもらうようになりました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。
私が実家に行かない時でもおママが貼り絵に取り組みやすいように、「お題」と台紙にするハガキをチャック付きのビニール袋に入れておく。これが「お題パック」です。
その「お題パック」は(↓)これでした。細かい切り落としばかりですね。殆どはゴミ箱に行くような紙片ばかりです。
(↓)元々は「シュガーバターの木」の包装紙でした。美味しいお菓子です。でも、この包装紙の商品は現在は販売されていないかもしれません。期間限定だったかも?
ちょうどこの2021年3月12日に、おママはこのお菓子の包装紙をハサミで切って遊んでいました。その残りを集めた「お題パック」だったのです。
(↓)チャーコは夕食の準備で忙しく、ほとんど見守りはできませんでしたが、おママは一人で楽しんでいました。
写真の中で制作中だった貼り絵はこんな感じに仕上がりました。(↓)
もしかしたら天地が逆かしら? どっちでもいいですね。(๑˃̵ᴗ˂̵)
(2021年3月12日アルツハイマー型認知症の診断から約14年1ヶ月)
(↓)同じ2021年3月12日にはこれらの貼り絵も制作していました。
(↓)関連作品です。
おママの貼り絵を見て下さり,ありがとうございます。