(2021年10月22日 アルツハイマー型認知症の診断から約14年8ヶ月)
*月末企画❗️今月のイチ押しとは
日毎に秋が深まるようなこの頃。
もう10月もおしまいです。今年が後2ヶ月で終わりなんて‼️
どうしましょう…。(どうしようもない。)(^O^)
さて、2021年10月版の 「月末企画❗️今月のイチ押し‼️」
このシリーズはその月におママが制作した貼り絵の中で、私やオネコが1番気に入った(面白いと思った)作品をご紹介するものです。
「月末企画❗️今月のイチ押し‼️」というカテゴリーがあるので、もし、ご興味があれば、他の月の「イチ押し」もご覧下さいませ。m(_ _)mお
毎月、オネコと私が「今月のイチ押し‼️」を選ぶ判断基準は⬇️こんな感じです。
①綺麗もしくは興味深い作品。
②制作エピソードがある。
③制作途中の写真があれば尚良し。
2021年9月版の「今月のイチ押し」はどうでしょうか?
①〜④全てに当てはまると思います。
実は今月の「イチ押しミーティング」はちょっと紛糾しました。
オネコは前々回の記事でご紹介した作品(↓)を強力にすすめていました。
作品的には私もこれでも良いと思ったのですが、「お題パック」による貼り絵でもないので、全くエピソードも写真などの資料もありません。
それで、最終的に私の意見を通させてもらいました。
(^O^)
ここ数ヶ月、おママには私の用意した「お題パック」はあまり使ってもらえませんでした。
しかし、10月は「お題パック」による作品が多かったのです。
10月29日時点で、おママは今月29枚の貼り絵を制作しました。
そのうち「お題パック」による作品は14枚、約半数です。これはおママの体調や脳の動きが活発で調子が良かったことの表れだと思います。
最近のおママの貼り絵は比較的大きなピースを組み合わせた大胆な作品が多くなりました。これは今年に入って顕著になったと思います。
10月の作品もこの傾向が見られました。
ところが、細かい形を切り抜いたり、幾枚ものピースを組み合わせたり、複雑な構成にも取り組んでいました。
秋が来て涼しくなったからでしょうか?(^◇^;)
嬉しいことです。
今回の「今月のイチ押し❗️」はそのような作品です。
繊細な作業から、大胆な配色と構成、そして熟考。
おママからすると、1枚で5枚分くらいのエネルギーを費やした作品です。
見守っていた私もクタクタになるほど消耗しました。
*「お題方式の貼り絵」と「お題パック 」について
一昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それで、あらかじめ私が「お題」と称して何種類かの紙を用意することが多くなりました。その他に組み合わせする紙片をおママに選んでもらってから、切り貼りを楽しんでもらうようになりました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。
私が実家に行かない時でもおママが貼り絵に取り組みやすいように、「お題」と台紙にするハガキをチャック付きのビニール袋に入れておく。これが「お題パック」です。
*チャーコ、物忘れに愕然
10月22日に午後、私は「お題」に使えそうなものを探しておりました。
おママがルリユール(ヨーロッパの伝統的な製本技法)を学んでいた時の材料や作品を入れている箪笥の引き出しを開けてみると、(↓)こんな袋が出てきました。
「これは❗️1年前の塗り絵だ‼️」
おママは滅多に箪笥を開けませんし、その存在を忘れています。
しまったのは私でしょう。すっかり失念していましたわ。(^◇^;)
開けてみると出てくる出てくる。
(↓写真に振った番号は10月22日におママが切り抜いた順番です)
1枚だけ去年切り抜いたものもありました。
去年の9月にこんな写真を撮っていました。(↓)
これはデイサービスでもらった塗り絵のコピーです。おママは塗り絵は好きではありません。それで、貼り絵に使ったのです。今回見つかったのは昨年の残りです。
(↓)昨年の貼り絵です。この塗り絵を使っています。
「まだ残っているはずだよね。」
そう思っていたのです。私は自分でしまった場所をすっかり忘れていたなんて‼️
ちょっとショックでした。(^◇^;)
*超絶カット
1年前に出来たことが今現在できるとは限りません。
その日の体調や気分にもよります。10月22日のおママは食欲もあり、昼寝もせずに何やら元気です。
(試しに見せてみようかな…。)
おママはこの塗り絵の中の既に切ってある花を手にしました。
「これは前に芙貴子さんが切り抜いたものです。」
「へぇ…。」
「また切って遊んでみませんか?」
おママは頷いて、ハサミと共に手にしたのは①の花でした。
これを難なく切り抜いてしまいました。そして、更に細かい②モチーフを見ておママは言いました。
「これもやりたい❗️」
どうぞ,どうぞ…。
しかし①を切り抜くだけでかなりお疲れになったはずです。
(1枚目よりもっと大変そうだ。途中で疲れたら、後日続きをやってもらえばいいや。)
私は正直言って、おママがこれを切り抜きおおせるとは思っていませんでした。
<貼り絵制作動画①>
2021年10月22日14:44 カット前編(10分29秒)
おママなりにハサミの使い方を工夫しています。これにはチャーコも
「考えるよねーーー」と嘆息しています。
細かくハサミを動かしているうちに、おママはどこを切っていたのかわからなくなることもあります。それでも確実に前に進んでいました。
<貼り絵制作動画②>
2021年10月22日14:55〜カット後編(11分9秒)
1番の難所を通過したおママ。この集中力はどこからくるのでしょうか。
確かに昔から手先は器用でした。細かい作業もできる人でした。
ただ疲れも知らずに切り進む様子を見ていると、強い「拘り」も感じました。
「もう。おっこどしちゃうから(切り落としそうだから)先に進もう❗️」
「すっごーーい。」
「なんか、切れちゃいそうだね❗️」
などチャーコの声援がうるさいです。しかし、残り少なくなってくると、おママもとても嬉しそうでした。切り終えた時は、私はおママを称賛しました。
小さい子供ではありませんが、出来た時はうんと褒めて一緒に喜んであげるのは大事だと思いました。
おママは調子に乗って、①〜④の全ての花を切り抜いたのでした。(^◇^;)
自分がやったことを忘れるからでしょう。おママは疲れ知らずです。
しかし、撮影と見守りだけですが、私はこの段階でもう草臥れてしまいました。(°_°)
*配色は大胆に
貼り絵を制作するにあたって、おママは全身全霊で切り抜いた花のピースを濃い色味の背景に載せようと考えていました。
紙がたくさん入った缶からあれこれ出しては花のピースを重ねて考えていました。
一度は桃色に赤い線が可愛らしい『鬼滅の刃』禰豆子の麻の葉柄を手にしましたが、
「これだとこれが良くないからダメだわ(この千代紙だと花のピースが映えないからダメだわ)」
と、自ら却下していました。
なんとも鮮やかな配色です。
昔の50〜60代のおママはこの様に思い切った色選びはしなかったと思います。
いい意味で感性が爆発しているのでしょう。
*構成を熟考する
左上に広く空いたオレンジ色の上に何を載せるか?
おママはそれ自体にはさして悩みませんでした。右下とのバランスを考えれば『鬼滅の刃』炭治郎の市松模様になります。
しかし、この鮮やかな市松模様をどう配置するかは悩みどころでありました。
おママはまず、正方形を考えました。しかし、正方形ではまとまりが良すぎます。
「つまらない。」
なら、正方形を切り抜いた残りはどうでしょう。山形が2つの面白い形です。
<貼り絵制作動画③>
2021年10月22日 16:02〜(5分23秒)
おママの考えは二転三転していきます。その過程も興味深いです。
認知症のおママにとって、考えることは無意味ではないと思います。
そうして悩んだ末に完成しました。
強いこだわりを持って取り組んだ繊細なカッティングワーク。
大胆に決めていく配色。
そして、最終的には堂々巡りをしながら決めていく構成。
認知症の今のおママが持てるエネルギーを出し切って制作したこの貼り絵を
「今月のイチ押し」に決定‼️
👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏
10月31日午前0時44分
余りにも沢山の誤字脱字を加筆修正いたしました。
恥ずかしいです。申し訳ございません。反省…。
おママの貼り絵を見てくださり,ありがとうございます。