(2020年9月18日アルツハイマー型認知症の診断から約13年7ヶ月)
*消えた2020年
この2020年をどう表現しよう。
頭に浮かぶのは空白の時間ばかりです。
世界中の多くの人々にとって、2020年は散々な一年だったでしょう。
予定していた事が消えてしまった人。
仕事が消えてしまった人。健康と普通の生活を失くした人…。
今年あったはずのオリンピックはまだ開幕していません。
真っ白に消えてしまった2020年ですが、やはり私達はその中で懸命に生きていたのだと思います。
2020年はやり直せないから、せめて2021年が多くの人にとって安寧で健やかなものでありますように。
このコロナ禍の世の中で、なんとか乗り越えようとしている私達が、自らに語りかけて慰めるとしたら…。この言葉ではないかと思うのです。
人生における幸、不幸は予測出来ないものです。幸が不幸に転じ、またその逆もあり。だから、安易に喜んだり絶望したりするべきじゃないですよ…。そんな喩えだと思います。
ジジとおママを考えると、そして私も、まさにこの言葉が当てはまると思います。
このコロナ禍の一年を通して、ジジとおママは寝込むような風邪も引かずに、概ね元気に過ごせました。これは幸いな事だと思います。
2人とも週3回のデイサービスを休む事もありませんでした。
これは忙しい施設のスタッフさん達の、コロナウイルス対策が万全だった事に他なりません。とても感謝しております。
でも「よかった,よかった」とは言っていられない。疫病の感染は広がるばかりです。いつ私やオネコが無症状感染者として、ジジやおママにうつすか分かりませんから。
この幸いは危ういのです。
気がかりなのは、頑張って食べても、ジジの体重が減少傾向な事です。
足腰も弱って痩せてきました。なるべく本人もカロリーのあるものを食べようとしていますが、元々栄養が身に付きづらい体質らしく、はかばかしくありません。
でも92歳。年が明けたら93歳です。この長寿は喜ぶべき事です。
それにまだ掛かり付け医、皮膚科などへ、自らシルバーカーを押して出掛ける気力があります。それもおママを引き連れて…。
そして、長年苦しんできた痔からも解放されました。
喜ぶべきことも多い一年だったと思います。
気がかりなのは、おママの認知症の症状が進んできた事です。
言葉が出てこないだけでなく、全く理解出来ない事が多くなりました。
「トイレ」「台所」「ご飯を食べるテーブル(ダイニングテーブル)」などの家の中の場所を表す単語が分からなくなる事が多いので、私がおママを言葉だけで誘導する事が難しくなりました。今後、もっと症状が進んでいくとすると、意思の疎通が全く出来なくなるのではないか。そう考えると、来年以降がとても心配で、介護者としては不安です。
それでも、まだ排泄の自立は保たれていて(もちろん安全の為に、リハパンは履いてます)食事も自分で食べられます。これは認知症歴13年では幸いな事だと思います。
言葉を理解出来ない事は、おママが「線」「赤」「青」などにも及んでいます。私は貼り絵制作を見守っている時に気が付いてショックを受けました。
でも、色や図形の名前なんて、どうでも良いのかも知れません。
色彩と形を感じながら、おママはいつもその構成を楽しんでいるのですから。悲しむ事はないのです。おママが一生懸命取り組んだ貼り絵を喜んだら良いのだと、自分に言い聞かせています。
私は今年、そんなおママの貼り絵制作の様子を動画でアップし始めました。
認知症が重くなっても、おママはおママなりに、自分の感覚や頭をフル回転させています。そして、制作途中に記憶が飛んだりしながらも、紙を切ったり貼ったりする楽しさを味わっている。私はそんな様子を記録に残したいと思いました。
いつまでおママが制作できるかわかりません。昨年末の段階で、私は今年中にはもう無理だと考えていました。もしかしたら、来年も続くかも知れません。続かないかも知れません。
毎回似たり寄ったりの動画ですが、今後もアップし続けたいです。(^。^)
今年は、2人の身体能力の変化に伴って、生活を一部見直しました。
ジジの足腰が弱ったので、これまで2階中心だった生活の場を1階に移しました。これで階段を使う回数が減り、多少ジジの身体は楽になったと思います。
これは筋力を衰えさせる可能性も高いので、諸刃の剣と言えます。しかし、現状を考えれば、筋力の衰えより、転倒による事故の方がよっぽど私達にとっては大きな問題です。
この実家の模様替えなどを、オネコが中心になって進めてくれたので、ジジも心強かったと思います。手間味噌的にもなりますが、家族の協力を得られる事はジジとおママにとって幸いだと思います。
ジジ、おママ、来年も頑張っていこうね。(^O^)v
*本日アップの貼り絵
私は本日アップの、この貼り絵が大好きです。
いつご紹介しようかなと、大事にとっておきました。
この貼り絵を見ると、私は応援されているような感じがします。
おママには全くそんな意図はありません。
でも、私には、中央に立っている人が両手に大きな旗を持ち、エールを送っているように見えるのです。
そして周りのモチーフも祝福しているように見えます。
今年も残りわずかです。
皆様にささやかなエールが届きますように‼️(^O^)
(↓)9月18日、こちらの作品のすぐ後で制作されたものです。
「お題」は同じ、デイサービスで頂いた完成していない塗り絵です。
おママはこんな風に分割した状態で紙に包んでしまっていたのですが、私によって発見されました。(^O^)
(↓)どういう風に切ろうか、お悩み中。(^。^)
(↓)「どうしようかしらね…。」
中央と下辺はもう貼ってあります。
(↓)段々決まってきたか?まだまだ試行錯誤が続くのです。
<制作動画>2020年9月18日 15:15〜。
試行錯誤と堂々巡りを繰り返した挙句の動画です。チャーコは「良いじゃないですか」「もう貼ったらどうですか?」とかを繰り返していますが、没頭しているおママには馬耳東風ですわ。結果として、長い動画となりました。それでも完成までには至っておりません。(^◇^;)
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。