アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

お電話ありがとうございました。そして、回想法を試みた。

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(2019年12月6日 アルツハイマー認知症の診断から約12年10ヶ月)

 

感謝を込めて、同じタイトルで3度目の記事

昨日(2月16日曜日)、おママの幼なじみの Oさんがお電話を下さったそうです。

ジジが最初に電話に出て、おママにも代わって、一頻りお話をしたそうです。

 

国民学校の時に出会い、女学校も一緒だった Oさん。

そのお付き合いは70年以上ですね。

今もおママを気にかけて下さり、ありがとうございます。

 

「楽しそうに話していたよ。」

ジジは少し顔を曇らせながら言いました。

電話でお話しした事も、恐らくすぐに忘れてしまうおママ。

そう思うと切ないです。

でも、Oさんとお話ししている時は、きっと昔に戻っていると思います。

お友達の声を聞くと70年も75年もひとっ飛びでしょう❗️(^O^)

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当ブログでは、過去にも同じタイトルの記事があります。

Oさんは年に何回かお電話を下さいました。

 

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回想法になるかしら?

私は今、この本を読んでいます。⬇︎

 

題名 なぜ、「回想療法」が認知症に効くのか(祥伝社新書)

著者 小山敬子

出版社 祥伝社

www.s-book.net

回想法とは…。

子どもの頃に慣れ親しんでいた暮らしや遊び、若いころに流行していた物、映画、音楽などを思い出し回想する療法です。

過去を思い出しやすくするための道具(玩具や生活品、写真、音楽のCD、昔の映像など)を用意し、聞き手は必要に応じて問いかけをしながら、思い出話に耳を傾けます。

効果としては、回想することで自分の人生の価値を再発見したり、当時の記憶がよみがえって脳の活性化が期待できます。「話す」「聞く」「コミュニケーションをとる」という行為が記憶を維持し、認知症の進行を遅らせる例もあるようです。

結果的に孤独感や不安を減少させ、意欲を高める事ができるとされています。

 

上記の本に「昔を思い出して語り合う」という項目があります。

折角、Oさんがお電話を下さったのです。だから、Oさんも写っている写真があるから、おママの結婚前のアルバムを出して、ジジと3人で開いてみました。

 

最初のページはおママの亡くなったお父さんの写真。

次はおママが赤ちゃんの時の写真。

戦争で焼けてしまった事もあり、おママが子供の頃の写真は10枚もあるかどうか…。

でも、反応ありました。

「これは…お母さんよね…。これはお兄ちゃん…。それで、これが私かしら?」

 

そうです、そうです。

た。

女学校(途中から新制高校)を卒業した頃でしょうか。Oさんと旅行をした時の写真もありました。

「ほら、この人が Oさんよ。」

「あ、あ、本当だ。Oさん。」

懐かしそうに、おママは笑っていました。

 

その後、銀行時代の社員旅行などの集合写真でも、若き日の自分の姿はしっかり見分けれれていました。

「テニスもやっていたのね。」

「そうなのね…。」

お友達や銀行の親しい同僚たちとの旅行写真の中の、楽しげに微笑んでいるおママの姿を見て、胸が熱くまりました。

当たり前の事だけど、おママにも青春時代がしっかりあったのですね。

私は子供の時から何度も見ている写真ですが、こうしておママと一緒にページをめくっていると感慨深いです。

 

時々、アルバムを開いてみようかしら。

Oさん、きっかけをくださり、ありがとうございます。m(_ _)m

 

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本日アップの貼り絵

「お題方式」の貼り絵です 。

これは私がおママの作業机の引き出しから見つけたお宝。⬇︎

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透明袋に入った切抜きなどなど。和風な柄が多いですね。何から取ったかは不明です。

まるでいつか使おうとおママがセットしておいたような風情がありました。

それで、これを「お題」にしました。

おママはこの「お題」が気に入ったようです。

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この「お題」 から、日を変えて他にも貼り絵が作られました。

それも近々、ご紹介したいです 。

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

宮城道雄『春の海』を想いながら

 

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(2019年11月20日 アルツハイマー認知症の診断から約12年9ヶ月)

 

COVIDー19

皆様、お元気でいらっしゃいますか?

お食事はちゃんと摂れていますでしょうか?

 

私…、気分も体調もイマイチであります。

熱はありません。でも、喉が痛くて扁桃腺のあたりが痛みます。(TT)

 

あ、それでも食欲は衰えておりません。

昨日の2月14日はバレンタインデーでした。実家から家への帰途、フラフラしているくせに、スーパーでしっかりチョコレート系のタルトを買って食後の甘味にしたくらいですから…。(^O^)

 

新型コロナウイルスによる肺炎、正式名称が「コビッド19」 なのですが、テレビでもあまりこの正式名称が言われないのが、なんだか不思議。

いえ、そんなことより、遂にこの新型肺炎は中国と直接接点のない患者が見つかって、新たな局面に入ったと思います。これが大問題。

そう考えただけで、影響を受けやすい私はドヨ〜ンとしてしまいます。

 

皆様、この週末はゆっくりと休息がとれますように。

 

もっと早くアップすれば良かったわ❗️

私は今日アップの貼り絵が大好きです。なんと申しましょうか?

余韻があるのです。

オネコさんがおママの貼り絵を見て、好きな作品を「余白も良いわね」と褒めます。

それに近い感覚なのですが、私はこの貼り絵の余白に空気を感じます。

 

本当は1月の初旬にアップするつもりだったのに、私はすっかり忘れていました。

なぜ、1月の初旬?

私はこの貼り絵を初めて目にした時、箏曲の名曲『春の海』が頭の中で流れたからです。

宮城道雄さんが昭和4年に発表した『春の海』はお正月によくテレビで流れる曲です。

 

⬇︎こちらのサイトを開いて下方へスクロールしていただきますと、YouTubeで視聴できます。

www.miyagikai.gr.jp

金色の青海波模様の千代紙は恐らく日本橋小津和紙で購入したものでしょう。

かつて使った残りを使用しているようです。

中央は2枚の青海波模様を組み合わせています。私はその合わせ方が絶妙で好きです。

『春の海』を聴くと、私はキラキラ光る海面の寄せては引く様が目に浮かぶのですが、丁度この貼り絵に、そんなイメージが重なります。

私の妄想かもしれませんが…。(^O^)

 

harienikki.hatenablog.com

 この貼り絵は⬆︎こちらの「虎さん」と同じ日に制作されていました。

 

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⬇︎糊付け中です。おやっ❗️もう1枚途中になっていました。

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⬆︎本日アップの貼り絵と「虎さん」が仕上がり、裏面に日付を記入しています。

 

⬇︎こちらもなかなかユーモラスで楽しい作品でした。(^O^)

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(2019年11月22〜25日アルツハイマー認知症の診断から約12年9ヶ月) 

 

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

帯状疱疹の御報告と「COVIDー19」

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2019年12月2日 アルツハイマー認知症の診断から約12年10ヶ月)

 

御報告

昨年末に発覚したおママの帯状疱疹についてです。

現在、湿疹は跡もほとんどないくらい消えて、すっかり綺麗になりました。

問題の後遺症の神経痛についてですが、おママは1月中旬には殆ど痛みを訴えなくなりました。

これについて、私やオネコは、

「もしかしたら認知症の症状が進んで、痛みさえも認識できないほど鈍感になっているんじゃないか⁉️」

と勘繰っております。

とりあえず、本人はさほど痛みを感じなかったのは確かなようです。

良かった、良かった。ホッとしました。(^◇^;)

 

1月に掛かり付け医から帯状疱疹後神経痛の薬タリージェ錠5mgを処方されました。

本人痛みがないとすれば、

(ただでも認知症の薬や血圧の薬を飲んでいるし、これ以上おママの薬を増やすのはいかがなものか?)

と思えてきます。

結局、タリージェは4回ほど飲んで後は服用しませんでした。

 

でも、医師から処方された薬を勝手な判断で止めているわけですから、心苦しいです。

2月にジジとおママのお薬を処方してもらう時は、それを医師に伝えなければなりません。気が重いなぁと思っていました。

 

そのXデーが遂にやってきてしまいました。(°▽°)

2月10日、丁度ジジもおママもお薬が無くなったので、3時の午後診療開始を目指して掛かり付け医のクリニックへ。勿論、私もお供しました。とぼとぼ…。

 

「母はあれからすぐに痛みを全く訴えなくなったので、お薬の服用はやめています。」

恐る恐る報告すると、先生は和かに仰いました。

「良かったです。あれだけの湿疹が出ていたのですから、相当長く痛んでもおかしくなかったんです。痛みが残らなくて良かったですよ。」

私、処方されたお薬をおママに飲まさなかった事で先生がムッとされるかと思っていたので、気持ちが軽くなりました。

 

「先生、もしかして、母は認知症が進んで、痛みを感じる感覚が鈍くなっているんでしょうか?」

「いやいや、そんな事はないでしょう。いくら認知症が進んだって痛みは感じますよ。」

 

そうなのか…。感じなくなるわけではないんだ…。

その伝え方が分からなくなって、

伝えづらくなるだけなのかも…。

確かに「頭が痛い」とか時折言ってますものね…。(^O^)

 

harienikki.hatenablog.com

 

「COVIDー19」

この時、クリニックの受付で⬇︎の文面のプリントを手渡されました。

発給元は地元の医師会で、下半分に地元の保健所や相談窓口の連絡先が記載されています。

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今、まだ公には、中国の流行地域から帰国したか(来日したか)、患者と濃厚接触した人のみ感染の可能性があるというスタンスなのでしょう。

でも、これって、どうなんだろう…。

 

水際で感染爆発を食止めるために、必死の対策が取られていると思います。

政府チャーター機で帰国された方々、クルーズ船で御苦労をなさっている方々、それを支えている多くにスタッフの方々には頭が下がります。

 

しかし、日本は海外との交流が頻繁ですから、本当に水際で食い止められるのかしら。

なんとか、感染を検査する検査キッドが保険適用になって、街の小さな診療所やクリニックでも出来る様になって欲しいものです。

高齢なジジとおママ、そして胃癌のクレバーも居ますのでとても心配です。

 

国内でパンデミックを防ぐためには、一人一人が手洗いうがいを徹底し、体力を落とさないようにするしかないと思います。(^。^)

 

それでようやくこの新型肺炎に名前がついたそうです。

「COVIDー19」

コビッド19と読むのだそうです。コロナウイルス(coronavirus)と病気(disease)の文字と最初に確認された年を組み合わせたとか。

 

www.tokyo-np.co.jp

www.asahi.com


本日アップの貼り絵

「お題方式」の貼り絵です。昨年11月29日に私はおママの机の引き出しから、こんな包を発券しました。⬇︎白松がモナカ❣️

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 それを開けてみますと、⬇︎白松がモナカの包装紙を細かくカットした紙片や千代紙が出てきました。

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 それで、私がこれを元に、他の紙を並べて置いた「お題」がこちらです。⬇︎

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白と黒のストライプは甥っ子(オネコの息子)がおママにくれた包装紙の残りかも?

 

「お題方式の貼り絵」 とは…。

今年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それが出来ない時が増えてきました。

それで、あらかじめ私が作業机に何種類かの紙や切れ端を出して置き、まるでおママが貼り絵をやり掛けていたと思えるようにお膳立てをする事が増えました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。

 

www.monaka.jp

 

おママの貼り絵を見てくださり,ありがとうございます。

気持ちを作る

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(2019年12月18日 アルツハイマー認知症の診断から約12年10ヶ月)

 

2月10日の午後

毎月恒例、ケアマネージャーさんがいらっしゃいました。

まず玄関で開口一番、

「デイサービスから、ご自宅で転んだというお話を聞きましたが、お身体のほうは大丈夫ですか?」

とのお言葉…。

例の襖をぶち破った件ですね。⬇︎

harienikki.hatenablog.com

 

ジジはスタッフさんにお話ししていたそうです。それで、デイサービスから直ぐにケアマネさんにも連絡が入ったらしい。家族としてはその連携に安心感を覚えます。

m(_ _)m

まずは、ジジに怪我がなかったのでホッとなさっていました。

それから日々の色々な事や、身体の事、デイサービスでの事などを話し合いました。

こちらからは、1月からジジの入浴サービスが始まり、週2度が可能になっての感想などなど。

 

ジジも弱音を少々。(^O^)

まぁ、弱音も吐きたくなるでしょう。

 

「最近は寝ていられるのなら寝ていた方が楽な気がするけど、そうもいかないし、そうなるともう歩けなくなりそうだしね…。

気力が落ちてきたような気がするんです。

それで、髭剃りを毎日する事にしてみました。

仕事を辞めてから、髭剃りは3日に一度くらいだったけど、最近毎朝やることにしたんですよ。

朝、起きて髭を剃る。そうすると身体とは違って、気持ちがしゃんとするような気がします。

身体はそんな調子だけど、髭を剃って気持ちを作っていかないと、もうダメになりそうだからね。」

 

ジジが完全にリタイヤしたのは2年半前、89歳の時です。

働いている時は、毎朝髭を剃る事でお仕事モードに気持ちを作っていたのですね。

 

 

 私はふと思いました。

「気持ちを作る」ってなるほどだと思う。

50代の私も心身共に消耗したり、落ち込んだりする時に、何度か気分を上向けないとと思う事はあります。

ただ50代のと90代の心身の辛さは個人差はあるけど全然違うと思います。

 

気持ちを上向ける…。立て直す…。気分を変える…。

それでは追いつかない感じなのかもしれません。

 

そう言えば、最近、娘のアズキが出勤前にしっかりお化粧をする様になりました。

それも気持ちを作っているのかも?

 

頑張りすぎては絶対にいけないと思うけど、気持ちの張りは必要だと思います。

 

さぁ、今日も「気持ちを作って」生きてまいりましょう。

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気持ちを作るぞーーーーー❗️

 

本日アップの貼り絵

同じ紙をメインに使った貼り絵が他に2枚あります。それがこれら。⬇︎

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(2019年12月18日 アルツハイマー認知症の診断から約12年10ヶ月)

 

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(2019年12月18〜20日 アルツハイマー認知症の診断から約12年10ヶ月)

 

 元はこちらのパッケージ。良いですねぇ。(^O^) 私好みの色彩です。

明るくて楽しくて大好きです。

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 これは昨年、姪っ子のユズちゃん一家が浅草に行った時に立ち寄った、かりんとう屋さんのパッケージです。折りたたんだ中にかりんとうが入っていたのかしら。

ユズちゃんからはこの他のバージョンも何枚かもらっているので、またおママの様子を見ながら、「お題」にしてみたいです。

⬇︎こちらのお店。

www.karincoron.jp

 

楽しく切っております。⬇︎

日本橋」「八重洲」「かりんころん」と書かれた提灯を切り抜く時に、おママはこだわりがあったようです。確かに同じ形には切っていません。(^O^) 

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⬇︎構成は案外すんなり決まったもよう。(๑˃̵ᴗ˂̵)

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⬆︎大きな波模様のパーツですが…。いろいろなものを切り取った跡の形、そのままでございます。

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

危険がいっぱい‼️

 


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(2019年12月30日 アルツハイマー認知症の診断から約12年10ヶ月)

 

危険その1

今週の月曜日(2月3日)の午後、私はおママがダイニングテーブルで貼り絵に取り組んでいるのを見つつ、夕飯作りに勤しんでいました。

メインのおかずはシュウマイ(もちろん出来合いの…)ですが、副菜としてチンゲン菜とシラスの和物をつくりました。

 

これって簡単なのです。

洗ったチンゲン菜1株を適当な好みの大きさに切って器に載せ、ラップをして電子レンジで蒸します。

柔らかくしんなりしたらレンジから出して、熱々のうちにフォークか何かでギュッ絞ります。顆粒出汁を二本指でひとつまみ振りかけて混ぜ混ぜ。

シラスをザルに入れ、熱湯をかけて塩分を落としたシラスと和えるだけ。私はそのままでも食べますが、塩気が足りない場合は数滴お醤油を垂らせばOKでしょう。

器に盛り付けて、私は帰りました。

 

その夕食のテーブルで事件は起きました。(大袈裟です)

ふと、ジジが向き合うおママを見ると、件のチンゲン菜とシラスの和え物におママはアラビア糊を垂らしかけていたそうな…。

 

アラビア糊って、おママがいつも貼り絵をする時に使っている液体糊です。

貼り絵をしていた時のまま、テーブルに載っていたのでしょう。

 

「そんなのかけないの‼️それは紙を貼る糊だから食べられないよ‼️」

「大丈夫よ。」

「ダメだって‼️そんなものかけて食べたらどうかしちゃうでしょ。」

 

「こないだかけたら美味しかったわよ。私は分かっているんだから❗️」

「…………。」


勿論、ジジはおママから取り上げて、食べさせませんでしたが、心底、動揺したそうです。

目の前で妻がお惣菜に液体のりをかける様を目の当たりにしたら、誰だって頭が真っ白になるでしょう。

 

「もしかして…、おママに(調理を)やってもらったら…。まさか、これまでもアラビア糊を入れられてないだろうか…。」

かなり不安になったそうです。

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危険その2

(おママは頭がおかしくなってしまったのだろうか?)

この晩、ジジは夕食の時に事件が頭を離れず、ずっと心が騒ついていました。

 

いえ…。ジジ、もうだいぶ前からおママはおかしいのですよ…。

今更何を仰います事やら……。

 

(今夜は早く寝かした方が良いだろう。それには布団を敷いてあげるか…。)

ジジはそう思ったとさ…。

 

実家では足腰の弱いジジはベットを使っています。それは私ら姉妹が昔使っていた2段ベットの片方だけ組み立て直した物です。

おママはずっと布団派でした。そして、今まで通り敷布団を敷いて寝ています。

それにおママはジジと違って足も腰もいたって丈夫。布団の上げ下ろしだってお茶の子さいさいです。だから、ジジがベッドを使っていても、今まで通り敷布団を敷いて寝ています。

 

つまり、この夜、ジジは自分では普段やらなくなった「布団を敷く」と言う行為をおママのためにやろうと思ったのです。

 

どっこらしょ‼️

 

ジジは重い布団を動かしながら思わず後ろ様に倒れました。

その身体は押し入れの戸の襖を直撃し、重なって片方に寄せられていた戸はジジが倒れる衝撃をまともに受けて大きな穴が開いてしまったとさ。

 

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取り敢えず、怪我がなくてよかった。

しかし…、大惨事でした。

普段やらないことをやろうとするから…。

おママより足腰が悪くなっているのに、

「布団を敷いてあげよう」

なんて仏心を出すからです…。

 

結局、危険の元はジジの気持ちにあったのですね。

仏心だけでなく、

「私は男だから、妻が変になった時は自分がしっかりしなければ‼️

という夫としての自負も危険に繋がってしまいました。

 

私は、水曜日に実家へ行った時、初めてこの話を聞きました。

惨劇の後はなかなか酷いもので、おママは何度か「自分で直す」と言ってはみても、どうする事も出来なかったようです。

老朽化した家ですし、襖だけ新しくしてもなんなので、ジジは張り替えるという気持ちはなさそうです。

「応急措置でいいから…。なんとかして欲しい。」

確かにねぇ…。

穴が空いた凄まじい襖が部屋にあるのは、見ていて精神衛生上良くないと思いました。

それで、私は養生テープと大きなカレンダーの紙を使って応急措置を行なったのです。

 

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事件当日、襖は重なっっていたので、両面ともこの惨劇…。

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昔のおママならもっと綺麗に応急措置ができたかも…。

作業しながら思いました。

ジジが倒れてぶつかった先が襖で良かったと…。

もし、硬い壁だったら、ジジの方が怪我をしていたでしょう。

 

 ジジの身体で重い昔ながらの布団を持つのは不可能です。

 

「布団なんて、今となっては引きっぱなしでいいじゃないの。」

オネコがジジに言っていましたが、おママが自分で押入れに片付けてしまうので、仕方ありません。いつだって、布団を敷くのもおママ自身なのですから、

 

 だから、とにかく❗️

ジジよ…。その不可能を無理にやったりしないでくださいね。

 

 本日アップの貼り絵

昨年末に制作された貼り絵です。

この日は私が実家へ行く年内最後の日です。三賀日にオネコの家に行くので、その時には会えますが、私はしばらくお休みとなりました。

それで、空のティッシュ箱をおママと一緒に切抜き、年明けにおママが取り組みやすそうなパーツを揃えておこうと試みました。

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ネピア ネピネピ の水色の箱。⬆︎

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六花亭の包装紙のお花と組み合わせてみた…。

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黄緑色のはクリネックスの空箱からです。

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おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。

 

小津和紙に行きました。

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(2018年4月18日 アルツハイマー認知症の診断から約12年2ヶ月)

 

越前 耳付きはがき

おママはいつも「越前 耳付きはがき」という和紙の葉書を台紙にして、貼り絵をしています。

いつからその葉書を使っているかというと、恐らくおママが認知症になる前の、貼り絵を始めた頃だと思います。

選んだのは勿論おママ。

分厚くて和紙の風格を感じさせる、しっかりとした葉書です。

 

中年期から革工芸やルリユール(ヨーロッパの伝統的な川による製本技術)を学んでいたおママにとって、当初、この貼り絵制作は手慰みだったでしょう。

洋紙のもっと安価な葉書でも良かったはずではないか…。

 

でも、あえてこのしっかりとした和紙の葉書を選んだところに、おママの矜持があったのかも知れません。

たとえ今までの手仕事と比べてお手軽なお楽しみだったとしても、

しっかりと取り組みたい。

そのモチベーションのためにも、良い葉書を台紙に使いたかったのではないかしら?

 

この「越前 耳付きはがき」日本橋小津和紙で購入しています。

1箱100枚入りで3080円。

思いっきり高価ではありませんが、1枚30円強ですから、安いとも言えませんね。

(^O^)

 

貼り絵を始めた頃、おママはこの葉書を日本橋のお店に買いに行っていました。そういえば、私もおママと一緒に行った事があります。

認知症の診断を受けてしばらくは、箱に残り枚数が少なくなると、おママはオネコやジジと買いに行きました。

しかし、日曜日が定休なので、仕事をしていたジジはなかなか付き合えません。

それで、いつしかジジが小津和紙に電話を掛けて1度に2箱をお取り寄せで購入していました。

 

一昨年に私が仕事を辞めてからは、時間ができました。それで、私が日本橋のお店に直接買いに行くようにしたのです。

何故か…⁉️

何故って、小津和紙のお店に行くと綺麗な和紙がいっぱいあって、楽しいんですもん。

 

www.ozuwashi.net

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 やはり買ってしまう…。

100枚入りの葉書が、残り10枚くらいになると買いに行くのですが、

前回はいつだったかしら?

でも、そこはブログをやっている強みでしょう。直ぐに分かってしまいます。

 ⬇︎2019年10月9日でした。

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このところ、おママは月に25枚から30枚くらい 制作していましたから、

4ヶ月後の今は丁度良い時期だったのですね。

 

小津和紙の店内で私はどうしても大判の千代紙の棚に吸い寄せられてしまいます。

よくよく目を凝らすと、おママが持っている千代紙の色違いや同じ物が見つかりました。

(これも、あれも、やはり千代紙は小津和紙で買ったんだね。)

そんな新発見と共に、 私の楽しみは「おママが好んで使うんじゃないか?」と思う千代紙を探すことです。それは紙好きにとっては至福の時。

 

⬇︎今回はこの3枚を買いました。

大判の原紙を4分割している千代紙の棚から見つけたのです。

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 これらがおママの貼り絵の材料になるかどうか分かりませんが、

自分で持っていたいなぁと思った柄です。素敵❗️(^O^)

 

これからも又、「越前耳付きはがき」を買いにいきたいものです。

おママ、ボチボチでも良いから、貼り絵を続けてね。

 

 ⬇︎おママが最後に小津和紙に行った時のこと。

認知症の症状が進んで、なかなか連れて行ってあげられません。ごめんね…。

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 本日アップの貼り絵

昨年4月ですから、だいぶ前の作品です。

昔、おママが小津和紙で購入した大きな原紙の千代紙を2019年4月17日に切り出して、翌日制作しました。

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 おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。

記憶について No.41 昭和人

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(2019年11月6日 アルツハイマー認知症の診断から約12年9ヶ月)

 

日付が書けなくなってきた❗️

おママの貼り絵制作には、長年一貫としたルーティンがあります。

 

手すき和紙の白い葉書に貼り絵をする。

⬇︎

完成したら裏面に制作日を記入する。

⬇︎

貼り絵を収納しているファイルに入れる。

 

このルーティンに関しては…。

昨年あたりから、おママは貼り絵をファイルに収める事が怪しくなりました。

「ファイルに入れましょう」とジジや私が言わないと、何処かへ独自に仕舞い込む事例も増えてきました。

 ⬇︎昨年11月にはこんな事もありましたわ…。

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そして、今年に入ってから増えた事があります。

それは日付が書けなくなってきたのです。

(なぜ今年から⁉️)

これは私の想像ですが、理由の一つに2020年になった事があると思います。

 

2010年代が終わって、2020年代になった。

 

「お母さん、今日の日付を書きましょう。」

「日付って?」

「今日が何日かを書くのよ。」

「ああ、そうだったわ。」

「にせんにじゅうねん、にがつ、みっか です。」

おママはボールペンを手に必死で書こうとします。

「え…、にせんじゅうねん?それで何ですっけ?」

「にせんにじゅうねんですよ。」

 

 大抵、新聞の日付を見本として見ながら書いてもらいます。

それでも、こちらが読み上げないと、しっくり飲み込めないらしい。

おママは2020年代に入った事を受け入れられないのか?受け入れたくないのか…?

2010と書いてしまいます。

 

この10年間、2010年代が続き、

おママはずっと「2010」から「2019」まで書いてきたのです。

 

記憶力は落ちていますが、習慣的になった動作はまだ出来る事が多いです。

だから、おママは耳から頭、そして手への情報伝達回路に顕れるのは

「にせんじゅうなんねん」代が圧倒的に多いのでしょう。

 

ポンと出てくるおママの歴史

先週、私はおママに毎度お馴染みの声掛けをしました。

「お母さん、今日の日付を書きましょう。」

完成した貼り絵の裏に記入しようとして、おママはふと顔を上げました。

「今年は昭和何年だっけ?」

「えっ………⁈」

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まず、おママの口から元号が出てきた事が衝撃的でした。

そして、それが2つ前の昭和だった事も感慨深いです。

 

そうですよね…。

昭和はおママが生まれて半世紀以上生きてきた時代。

おママの歴史の中でも1番長く、そして最も活動的だった時代ですものね。

平成は31年、令和は実質まだ1年弱です。

きっと、頭の中で認識できる時代は昭和だけでしょう。

おママは昭和人なんですもの。

 

それはそれで良いような気がします。

おママさん、今年は昭和95年なんですよ。(^O^)

 

ところで、昭和が終わった時、おママは56歳でしたか?

今の私が54歳です。

(あの頃のおママは私と同じくらいの歳だったんだ。)

そう思うと、尚更、感慨深かいです。

 

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はいはい、分かったわよ。もう令和だから、取り敢えず降りてきて❗️

本日アップの貼り絵

このお花に絵を見てピンとくる方…。

それはきっと食いしん坊さんでしょう。

 

北海道の六花亭の包装紙の模様です。(^O^)

www.rokkatei.co.jp

実際使ったのは紙袋でした。切り開いて平らで綺麗なところだけ残すとこんな感じでした。⬇︎

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11月6日の午後、おママにこの紙を見せると、綺麗なので直ぐに食い付いてきました。

おママと2人でいくつか大雑把にお花を切り分けてみました。

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「お花はこれが良いわね。」

おママは気分で決めて、貼り絵に取り掛かりました。

 

まずは切らなきゃ…。

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この日は細かくカットしたかったようです。

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本当にハサミで紙を切るのが好きですね。好きこそ物の上手なれ。そう感じます。

 

 

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「これで良いわね。」

「良いですね。」

そしておママは糊付しました。

若干、この作業中に場所が変化しました。

いやいや…、若干でもないですね。(^o^)

私はブルーのワンポイントが効いていると思うので、完成形の方が好きです。

 

材料となった他の紙は…。

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⬆︎日本橋小津和紙で購入した手毬の千代紙。

 

 

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⬆︎おママが認知症になる前に購入していた千代紙。購入元は不明です。


おママの貼り絵を見てくださり,ありがとうございます。