(2021年5月10日 アルツハイマー方認知症の診断から約14年3ヶ月)
*お話ししている
「ちゅんちゅんしゃんしゃん、くわっくわっ。」
エアコンをかけているのに2階の窓を開けて歩くおママ。
この習性は認知症が進んでも、毎年繰り返されるお馴染みの行動です。
もはや実家では夏の風物詩です。
私がそれを追いかけるように窓を閉めていると、妙な声がしました。
「ちゅんちゅんしーくわっくわっ。ほらほら、こっち。」
声の方へ行ってみると、おママが窓辺で外を見ているのです。
ぐぎーぐぎー、びよっびよっ、ぐぎーぎーぎー、ぐわっぐわっ。
オナガが2羽、夏の午後の熱い電線の上で、羽ばたいたり止まったりを繰り返しながら鳴いていました。
そして、おママは一生懸命彼らに話しかけながら楽しそうに手を振っていました。
「そうそう、そうなのね。ぴょんぴょん、しゅわしゅわ、ちゅんちゅんしーくわっくわっ。」
ぐぎーぎーぎー、ぐわっぐわっ。びーびーびぃっ。
ぐわっぐわっ、ぐぎーぐぎー、ぐわっぐわっ。
窓の内と外で掛け合いをしているようです。
オナガは見た目は羽が青くて綺麗なのに、鳴き声は残念です。濁っている音色なのにけたたましい。
おママはまるで鳥たちとお話をしているようでした。
おママさんよ。
あなたは人の言葉より鳥の言葉の方が分かるのかしら?
私がそんな無邪気な様子を微笑ましくみていたら、
すぐにオナガは飛び立っていき、おママは窓辺から離れました。
そして私は窓を閉める。
夏の昼下がりの事でした。
*本日アップの貼り絵
5月10日月曜日
この日、おママの机の引き出しから、こんな袋が見つかりました。
中にはかつておママのお気に入りだったティーバッグの個別包装袋がたくさん詰まっていました。早速「お題」にしてみましょう。
<貼り絵制作動画①>窓枠編①
2021年5月10日 14:54〜
四角く切り揃えてあったティーバッグの個別放送袋。
以前のおママはよくその中央部分をくり抜いて窓枠のようしていました。それはおママのお気に入りで、貼り絵によく登場していました。
この時、おママは慎重にハサミを進めていました。くれぐれも端っこを切り落とさないようにね。(^O^)
「行きすぎないでね。」
久しぶりの作業におママも少々ぎこちなかったです。そして,ようやく出来ました。
開いたら、
「窓が開いたね。」
おママは左右の枠の太さが違うのが気になるようです。
机の上にはかつておママが切り抜いたシャープな窓が1つ載っています。
<貼り絵制作動画②>窓枠編続き
2021年5月10日 14:57〜
今度は左右の枠の太さが揃うように意識しています。
「手慣れてきましたね。」
やはり1枚目より2枚目の方が上手ですね。(^O^)
(↑)楽しくなって作業を繰り返したおママ。
(↑)おママは民芸調の千代紙を選びました。
(↑)小さく切り抜いています。
<貼り絵制作動画③>構成編
2021年5月10日 15:17〜
おママは赤いティーバッグの個別包装袋を三角に切って合わせようと思い立ちました。
三角形に切って、もう一枚同じ大きさに揃える。
単純な作業ではありますが、現在のおママにはちょっと難しくなってきました。でも、頑張って作業をし、画面に配置しています。
最後の方でオネコさんがやってきて、「こんにちは〜」と声が聞こえます。
(↓)ピースが重なったデザインは糊付けは大変です。2つの窓枠は私が一部分を押さえて動かないようにしながら、おママに糊付けをしてもらいました。(^◇^;)
(↓)2枚目に突入。(^O^)
2枚目制作中は、オネコ、ジジ,私の3人で話をしていたので、写真も少なくて動画も撮れませんでした。
仕上がりました。
(2021年5月10日 アルツハイマー方認知症の診断から約14年3ヶ月)
時期は不明ですが、恐らくおママが認知症になった後に作った窓です。
ピチッとしてますね。シャープです。
私の記憶では(あまり当てにはならないが)、おママは3,4年前までこのくらいに切り抜いていたと思います。
今のおママだと、太くて少し歪んだ窓になりますが、お気に入りだったティーバッグを時々「お題」にしてみたいです。
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。