(2021年12月27日 アルツハイマー型認知症の診断から約14年10ヶ月)
*美味しいだけじゃない❗️
「お題方式の貼り絵」です。
*「お題方式の貼り絵」と「お題パック 」について
一昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それで、あらかじめ私が「お題」と称して何種類かの紙を用意することが多くなりました。その他に組み合わせする紙片をおママに選んでもらってから、切り貼りを楽しんでもらうようになりました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。
私が実家に行かない時でもおママが貼り絵に取り組みやすいように、「お題」と台紙にするハガキをチャック付きのビニール袋に入れておく。これが「お題パック」です。
最近のおママは自分から貼り絵をすることはありません。
しかし、ハサミで紙を切る、紙を糊で貼るという作業は、手先から脳へ刺激がいくのではないかと思います。それで、私はおママには症状が進んでも取り組んでほしいと思っています。
それで、常におママが切り抜きたくなるような紙類を物色しています。しかし、認知症がかなり進んだおママが何処まで視野があるのか、視力はどうなのか、実のところよくわかりません。
そのため、なるべくはっきりとした模様、判別しやすい境界線がある図案などを念頭に置いて紙を選んでおります。
そして、過去におママが好んで使った紙や包装紙などにも助けられています。
2021年の年末、12月27日。
私はおママがおやつに食べた森永製菓「CHOICE」の空き箱を「お題」にしてみました。
おママはムーンライトとチョイスが大好きです。チョイスは形やビスケットの上に付けられた刻印も好きなのかもしれません。
過去にも「お題」に使ったら楽しそうに切り抜いていました。
おママにとって、チョイスは美味しいだけじゃないのです。(^O^)v
今回も楽しそうに切り抜き作業をしていました。(↓)
*1作目(チャーコが合点しました)
過去作品の切れ端など、大きめの紙片をいくつか用意したら、おママはさっさとそのまま配置を始めました。
2021年の後半くらいから、おママは画面が物足りないと思ったら、何でもかんでも貼ろうとする傾向がありました。
おママの作品だから、おママが好きなようにすれば良いのですが、
(え?それをそこに持っていくか?)
見守っていると時々ハラハラします。
(おママ、ちゃんと考えてる?)
考えることを放棄しているのように見えることもあります。
この作品の場合、(↓)赤い矢印をつけた青系の小さなピースを、おママは
「ここにする(ここに貼る)」
と言って、動画ではほとんど迷いなく決行しました。
私の目には
(ここに、これか?有り得ないでしょう❗️)
と度肝を抜くような構成でした。
しかし、出来上がってみると、それなりに画面に馴染んで見えます。一番上にこのピースがあるからこその面白さなのかも知れません。
恐らく認知症になる前のおママなら、極めて常識人だった(常識人風に暮らしていただけなのか?)ので、ここにこれは貼らなかったと思います。
認知症の症状が重くなったからこその造形感覚なのでしょう。
想像を遥かに超えた斬新さに…、私も合点せざるを得ませんでした。
<おママの貼り絵制作動画①>
2021年12月27日 14:23〜(58秒)
*2作目(おママが合点してくれました)
おママは2作目もチョイスと一緒に手近にあった紙片を並べて貼ろうとしています。
新たに合わせたい紙は、やはりお気に入りです。(↓)
中央にあるチョイスのピース、その「CHOICE」という文字の向きにご注目くださいませ。
<おママの貼り絵制作動画②>
2021年12月27日 14:38〜(1分47秒)
おママは大きな「CHOICE」のピースを糊付けしようとしています。
糊を付けて画面に張り込もうとした時、おママは例によって「どこに貼るんだっけ」現象に襲われていました。
マ「これ、どこだか…?」
その時、おママの手の中のピースは上下が逆になっていました。
チ「あ、上下(うえした)が逆だね。」
マ「だいじょうぶだね。」
いえいえ、当初の予定では「CHOICE」のスペルが左からちゃんと読める向きだったはずです。それで、チャーコはピースの上下を直してあげました。
チ「こっちから読むから…。」
しかし、おママは釈然としないようです。おママの目には(↓)逆さまの方がいいようです。
マ「私はこっちの方が…。」(↓)
おママの意思を尊重した方が良いと、私も思い直しました。
だって、青地に白い花の千代紙は、既に模様の向きが逆さまに配置されているのです。おママに意図があるのかも知れません。成り行きに任せていると、おママは徐にピースの向きを変えてみました。(↓)
すると「CHOICE」という文字が、おママの眼にくっきりと意識されたようです。
それを文字だと認識して、おママは「CHOICE」のスペルを指で辿るようにして言いました。
「どっちっていうと…こっち…。」
おママはようやく合点がいったようです。自信を持って画面に張り込みました。
おママは理解できる語彙が減ってしまったので、私が横で説明しても全く理解してくれません。ところが、自分の目で見て感じ取ることが出来れば、まだまだ、自ら修正することができるのでしょう。
なかなか興味深い連作でした。
(↓)完成しました。(^。^)
(2021年12月27日 アルツハイマー型認知症の診断から約14年10ヶ月)
貼り絵のことだけでなく、暮らしの細々とした事でも、おママに納得してもらうのは難しくなってきました。
何とか、おママ自身が合点がいくようにサポートしたいのですが、
なかなか難しいですね。(^○^)a
*久しぶりの旅行
実は私、3月11日金曜日から13日日曜日まで、娘のアズキと旅行をしました。
オミクロン株の感染拡大による蔓延防止等充填措置が解除される前だったので、少々心苦しかったのですが、諸事情を考えると、「今しかない」と思い出掛けました。
昨年、引越をしたので、伊勢神宮のお札を納めて新しくいただいてきたい。
3月前半は京都南座で若手の歌舞伎公演があり、私が推している中村米吉さんが良いお役を演じるので是非観たい。
それを一度に済ますために、1日目は東京から伊勢に向かい、近鉄特急で京都に入るという強行軍を行いました。
伊勢神宮はこれが3回目の参拝でした。これまでと比べて、全く参拝者がいないわけではなかったのですが、やはり人出は少なかったです。芋の子を洗うように混雑して歩くことも大変だった「おかげ横丁」も見晴らしよく歩けました。
京都駅や四条通りなどは通勤や地元の方も多く、とても賑わっていました。
2日目は鞍馬へ行きました。昔からジジは鞍馬寺の国宝毘沙門天が好きなので、代参してお守りをいただきました。
ここは結構急な山道です。もちろん御山の上にはケーブルで上がりました。とても見晴らしが良かったです。時間と体力に余裕があれば貴船の方に回りたいのですが、今回は断念しました。ゆっくりと国宝の毘沙門天像を拝観して下山しました。午後は南座へ。
3日目は宇治の平等院へ行きました。こちらは日曜日だったこともあり、結構観光客が多かったです。それで、鳳凰堂の内部の参拝は1時間くらい待つことになりました。でも、集合時間までは自由に境内を散策できるし、鳳凰堂に掛けたあった飛天像を間近で観る事ができるミュージアムもあるので、時間はすぐに過ぎてしまいました。
その他、アズキのリクエストで二条城を見学しました。
京都に行ったら、また絶対に食べたい。そう思っていた鍵善良房のくずきりを最後に堪能してから新幹線に乗りました。
感染対策はしているとはいえ、まず、無事に出発できた事。
そして、旅行日程をこなして帰宅し、今もって自分も家族も無事でいる事に感謝をしております。やはりコロナ禍の中での旅行はリスクが大きいと思いました。早く終息し、気軽に旅に出られるようになって欲しいです。
(↓)前回の記録。「次回は彼氏と」と思われていたアズキですが、結局今回も私と参拝しました。
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。