(2022年11月28日 アルツハイマー型認知症の診断から約15年9ヶ月)
*思いがけず
入所時に必要な衣類が全部揃うとは限りません。その後、新たに不足しているものがあれば、家族はその都度届けなければなりません。
施設に親をお願いしても、それっきりということはなく、やはり家族は細々と関わっていくのだと思います。
おママが入所して10日ほど過ぎた日に、足りなかった衣類と作品ファイルを届けようと思い、オネコが施設に電話をかけました。その時に面会ができるかを序でに聞いてくれました。
すると思いがけず良い返事をいただけました。
「今日はどなたも面会が入っていないので、午後2時ごろにお越しくだされば面会可能です。」
それで、急なことだし、ジジはデイサービスに行っていますから、私がオネコと一緒に面会することになりました。
コロナが「5類」になればもう少し頻繁に面会できるのでしょう。しかし、おママが入所した特養では、「面会はガラス越しで1日一家族二人まで」のようです。
当面1ヶ月に一度くらいに…と言われています。
おママがどうしているか気になっていたので、私はとても嬉しかったです。
*ガラス越しだったけど
施設の正面玄関ロビーに小さな小部屋があります。
それは前面がガラス張りになっていて、家族はその小部屋で入所家族と面会するのです。
オネコと私はその小部屋に入り、ドアを閉めて椅子に座り待機しました。
すると、おママが居住フロアからスタッフさんと下りてきました。
おママはスタッフさんと手を繋いで笑顔で現れたのです。
その和やかな雰囲気に、私たちは驚きと同時にホッとしました。
顔も髪の毛もサッパリときれいにしてもらっているようです。
おママは嬉しそうに私達とガラス越しにハイタッチしました。そして私の花柄のセーターを見て「いいわね」と言いながら、ガラス越しですが撫で撫でするではありませんか。
何も変わらない、おママがそこに居ました。
おママはガラスで隔てられた小部屋の外に座り、身振り手振りで歓待してくれるのですが、あまり家族とか娘という感じはないようでした。(^◇^;)
そしてものの数分で
「じゃぁ,ありがとうございました」
と席を立って戻ろうとするではありませんか。視界からスタッフさんが見えなくなると
「あら,あなた、ほら、どこ?」
と探していて、すっかりスタッフさんたちに馴染んでいるようです。
それを見て、私もオネコも本当に安心しました。
その後、届け物の受け取りのために、もう一度スタッフさんが降りてきました。
「フキコさんはやはり嬉しかったようで歌いながらご機嫌で戻っていかれましたよ。」
たとえ、面会人が家族とはわからなくても、自分に誰かが会いに来てくれた、その事だけでも当人には嬉しいことなのだと思います。今年の5月にコロナが「5類」になったら、頻繁に面会をしようと思います。
スタッフさんにあれこれおママの様子を聞きました。
「お食事はほぼ完食していらっしゃいます。」
「目はまだ大丈夫のようです。」
この施設のすぐ近くに保育園があり、バルコニーからその園庭が見えるそうです。
「小さなお子さんがボール遊びをしていると、『あら、あっちにいっちゃったわ』と、ボールを目で追っていたりしています。」
「2日間お通じがないとスタッフの共有パソコンに表示が出るのですが、フキコさんはまだそれが点灯していないので、少なくとも1日おきくらいに排便があるようです。」
「入浴は拒否もなく順調です。」
良かった、ほっとしました。
持参した作品ファイルを時々見てくれたら良いなぁと思います。
*その後
まだ2度目の面会は出来ていませんし、ジジもおママに会いたがっているので、そろそろ予約を取らなければと思っています。
私はホッとしたとはいえ、自宅にいても実家にいても、予想以上に喪失感が大きいです。
「おママロスね。」
娘のアズキにも言われましたが、最近はおママの貼り絵や写真や動画を見るだけでも,胸が苦しくなります。常に身体にも気持ちにも力が入らず、ただ,ぼんやりと過ごすことが増えました。
こんな調子なので、ブログをお休みしようと考えたのですが、細々とでも継続していた方が乗り越えられるのではないか。お休みするとぷつりと気持ちが途切れてしまいそうですもの。
私は仏画を習っています。しかし、昨年は実家のことや娘の結婚もありお休みすることが多かったです。それで、今年は気合を入れて頑張りますと、先生に言いたかった。でも、そんな言葉は口から出ませんでした。
「母を特養に入れてから、すっかり気力が萎えてしまって、どうにも、あらゆる事全て、頑張れません。」
すると先生はおっしゃいました。
「だって,あなた。今までおママさんの介護と貼り絵の事に、エネルギーの9割を費やしてきたじゃないの。それがなくなったら、そりゃぁ、喪失感も大きいわよ。長い時間をかけて少しずつ前に進んだらいいのよ。」
私,ちょっぴり泣きました。先生ありがとう。
でも、9割ということはないですよ。7割くらいかな?仏画にも0.5%くらいは…。(^◇^;)
そう、私もゆっくり少しずつ、自分の人生を前に進めていこうと思います。
まだまだ、書いていないおママのエピソードがありますし、
ジジの介護のあれこれは、枚挙にいとまがありませんし、
ブログも更新がゆっくり目になるかもしれませんが、続けていきたいです。
これからも,よろしくお願いいたします。
*本日アップの貼り絵
2022年11月28日に制作された作品です。
この日はお茶のブランドのルピシアから送られてきた冊子を「お題」にしてみました。
12月号は冊子の真ん中のページに包装紙が綴じ込まれていました。
なんと❗️おママにお誂え向きですね。
(↓)大体ピースの配置が決まったので,貼り始めました。
<おママの貼り絵制作動画①>
2022年11月28日 10:05〜(1分43秒)
おママは迷いながらも一生懸命貼っています。
あと一つです。
マ「これ,いるの?」
そんなこと言われてもねぇ。そこにおいたのはおママですよ。
チ「要らなくてもいいわよ。」
チャーコが画面から退けても、おママはやはり戻しました。でも、別の紙が欲しいらしい。何かを貼りたい空間を指で指し示しながら、
マ「これだけ,たべると…。」
チ「食べるといいのね…。」
おママの言う「食べる」はこの時は「貼る」の意味なのでしょう。
(↓)チャーコは幾つか会いそうな紙片を選んで出してみました。
<おママの貼り絵制作動画②>
2022年11月28日 10:13〜(38秒)
おママが選んだのはグリーン系の紙片でした。配置を考えています。
<おママの貼り絵制作動画③>
2022年11月28日 10:15〜(1分15秒)
最後の糊付けですが、おママさんったら、糊の付いた手を服で拭くという暴挙をしでかしております。
チ「あー、そんなとこで拭いて‼️」
そして出来上がりました。
おママの貼り絵を見てくださり,有難うございます。