アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

月末企画❗️今月のイチ押し‼️(2018年10月版)

、の制作枚数 

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(2018年10月24日  アルツハイマー認知症の診断から約11年8ヶ月)

 

本日、10月31日はハロウィンです。

あの…、私が子供の頃って、こんなに盛んにやってましたっけ?

ハロウィンって、英会話教室に通っている子はやっていたと思いますけど、あまり一般的ではなかったと思います。

 

今日の夕方5時ごろに、用事があって渋谷に行ったのですが、

スクランブル交差点には、もう様々なオバケさん達が大参集していました。

何かイベントがあるわけでもないし、周辺店舗や商店街は迷惑だと言っているのに、それでも仮装して渋谷に繰り出すオバケさん達…。ゴミの山だけ残して毎年消えてしまうのよね。

わたしのような、オバアさんに足突っ込んだようなオバさんには、よく分からないです。(°_°)

 

あ、今日はハロウィンだけでなく、恒例の月末企画の日でした❗️(^。^)a

 

秋は豊作

 『月末企画❗️今月のイチ押し‼️』

  この企画はその月におママが制作した貼り絵の中で、私やオネコが1番気に入った(面白いと思った)作品をご紹介するものです。

 

判断基準は⬇️こんな感じ…。。

①綺麗もしくは興味深い作品。

②制作エピソードがある。

③制作途中の写真があれば尚良し。

④おママの独自性が強い作品。

 

今回の2018年10月版は① ③ ④ に当てはまります。

 

一昨年、去年と秋になるとおママはとても意欲的に貼り絵に取り組んでいました。

秋生まれですから、この季節が絶好調なのかしら…。(^O^)  関係ないか…。

 

今年の10月の制作枚数は31日現在49枚です。平均すると1日1枚半くらいでしょう。ただ、全くやらない日もあり、やり出したら次々とイメージが浮かぶのか、4枚、5枚と仕上げていました。

とても良いことに、暑かった7月8月と違い、今月は私が「この紙を切ってみましょう」と働きかける事は一度もありませんでした。

私が気がつくと自然とおママは作業机に向かっていたのです。

貼り絵のファイルを眺めたり、貼り絵を制作したり、何となく過ごせた10月という印象です。

 

 ある日突然、現れる。

ブルーの菱形と楕円の弧を中心とした貼り絵です。

おママの好きなシンメトリーもほぼ決まっていますね。(^O^)v

私が帰った後に取り組んでいたようです。オネコが気が付いて制作途中の写真をラインで送ってくれました。

 

私はその写真を見てちょっと驚きました。

(こんな大きなマークの包装紙があったなんて❗️)

使ったのは東急百貨店の包装紙です。⬇︎

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 東急百貨店公式ホームページ

 

(この包装紙っていつから実家にあったのかしら?このデパートにおママが最後に行ったのは何時だったか…?数年前にオネコと一緒に靴を買ったのは、どこのデパートだったっけ…。)

 

もしかしたら、10年、20年、いやもっと前から有ったのかも知れません。

 

私がまだ結婚する前、おママと一緒に行った東急。

渋谷には本店、駅には東急のれん街、東急プラザ(ただ今工事中)もありました。

その頃、おママは今の私と同じ年頃だったのですね。

 

ちょっとそんな感傷にふけってみるのも、私の思い出と今日見た渋谷の光景があまりにかけ離れた世界だったからでしょう。(笑)

 

そしてもう一つ驚いたのは、

(えーー、東急百貨店のマークをこう使うか⁉️)

という点です。この日は目も良く見えていたのですね。青い楕円弧は細いのに、しっかり切り抜かれていました。⬇︎

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(2018年10月24日オネコ撮影)

配置しながら、イメージが湧いてきたのでしょうか…。

青い菱形と楕円弧の織りなすリズムに、補色系の菱形や他のパーツが映えている。

私にはそんな風に見えます。

ブルー地に植物の絵が描かれた紙の元が何だったか?不明です。でも、よく此処に配置したもんですわ。

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(⬆︎2018年10月24日オネコ撮影)

 

「10月のイチ押しはこれにしたい。」

私が言うと、オネコも二つ返事で同意してくれました。

 

だから、この『輝ける青のリズム』を「今月のイチ押し‼️」に決定‼️

👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏

 

⬇︎ちょうど一年くらい前にもおママは東急のマークを使っていました。

この偶然って不思議です。この記事でも私は昔の思い出に感傷的になっていました〜。(^O^)

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 ⬇︎こちらもお仲間です。 

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 おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

おママの名札

 

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(2018年1017日  アルツハイマー認知症の診断から11年8ヶ月)

 

おママ不安ですね。

10月中旬のデイサービスでの事。

ジジがマシーンや体操の合間にのんびりしていると、おママが話しかけてきたそうです。

「あなたは誰なんですか…。」

「私はあなたの亭主の田中太郎ですよ。」

「へぇ〜。私は?私はなんだか分からなくなったわ。」

「あなたは田中芙貴子ですよ。」

「もう、分からなくなったから、誰だか書いてあるものを下げておきたいわ。」

おママは不安げに言ったそうです。自分が誰だか分からないって、私が想像できないくらい不安なのだと思います。

 

それで翌日ジジは私とオネコにその話をしてから、こう言いました。

「おママが自分で見て分かるように、首からぶら下げられる名札があるといいね。」

「会社とかでスタッフが付けているようなので良いのでしょう。」

「そうだね…。」

御本人は名札が欲しいと言った事などお忘れでしょうが、一瞬でも名札が欲しいと意思表示をしたので、検討してみましょうか…。

 

デコレーションしましょう。

そこで私は100円ショップで名札ケースを買ってきました。ただ白いカードに名前と住所を書いただけでも良いのですが、名前の周囲を綺麗に飾ったらもっと楽しくなりそうです。それなら、おママに貼り絵をしてもらいましょう。

しかし、おママはいつもと違う大きさで少々当惑気味でした。

「なんで名札を作るの?私は要らないわよ、誰のよ」

当然ながら、おママは名札のことなどお忘れです。

「お父さんんから作ってくれって頼まれたのよ。」

「そうなの?よく分かんないわ。」

イマイチ気は向かないようですが、取り組んではくれました。

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 ⬇︎どうも名前を書く所にも何か貼りたくなるようです。(^O^)

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 そして仕上がったのが、トップの写真の名札です。

上下を飾る緑のツートンカラーの三角は中央に白いラインが印刷されています。それをキッチリと上下揃えるのにだいぶ苦心していました。

ジジの要望で表に名前、裏に住所と電話番号を私が記入して出来上がりです。

 

思ったのと違うって⁉️(°_°)

しかし、名札って個人情報ばかりですね。

おママは名札を首にかけていたら、鬱陶しくなって自分で取って何処かへやってしまうでしょう。

「デイサービス内なら良いけれど、もし、おママが何処かに置き忘れることも考えられるから、外出する時は気を付けてね。付けない方がいいと思うわ。」

すると、ジジったら…、

こういうのではなくってもっとさりげなくて小さいのが欲しかったんだよ。もし、おママが外出中に迷子になったら自分では何処の誰とも答えられないから、そういう時のための、首からぶる下げる名札。」

 

えぇ…。(°_°) 

デイサービスでおママが自分の名前が分からなくなった時に見せる、もしくはつける名札じゃなかったの? 私の思い違いですか…? 話の内容がすれ違った?

それとも、ジジの頭の中で、迷子・徘徊した時用の名札に転化してしまったの…⁉️

想定が拡大してしまったのね…。(°_°)

 

どんな名札が、今のおママに良いのか?

ジジが考えるような、おママが迷子で身元不明になった時に役に立つ名札って、どんな物が良いのかしら?オネコとも話してみました。

 

ネットで調べれば、高齢者用の名札は幾種類もあり、手軽に買えそうです。

 

*金属に名前を刻印した小さく軽量で洒落たペンダント型もありました。

しかし、おママは肩が凝りやすく、首や肩から下がっているペンダント型は絶対自分で取ってしまうと思います。たとえペンダント型の名札を下げていられたとしても、それに名前が書いてある事を記憶していられないから、自分で見て読んで答える事はないと思います。(ジジ…、これはどうしようもない現実よ。)   (T_T)

 

つまり迷子になった時のおママは、保護してくださった場所で、その時に身に付けている名札を発見してもらうしかないと思われます。

 

*バッチやブローチ型の場合、おママが見える胸などに付けたら、

「何よこれ、どうして名札をつけるの?」

とやはり自分で外してしまいそうです。

見えない所に付けても、おママは結構神経質な面もあるので、違和感を感じたら自分で外してしまうでしょう。

 

*それならいっそ、お財布や手提げなどに、名前と住所を書いた紙を入れておくか…。ストラップ式の名札をバックにつけるか…。

でも、おママは公衆トイレに手提げごと忘れた事は今まで数知れず。迷子になって何処かに置き忘れたら意味ありません。

 

*そうなると、衣類や下着の目立たない所にアイロンでお名前シールを貼り付けましょうか…。迷子になって警察やどこかの施設に保護されたら、きっと身元がわかるでしょう。

「まるで保育園みたいね。(園児は)衣類の全てに名前を入れてるのよ。」

オネコの孫は保育園児です。(^O^)

「おママはデイサービスでお風呂に入るから、下着にマジックペンで名前を書いてしまったらどう?取り敢えずフルネームが分かるだけでもいいのではないかしら?」

それも一理ありますね。現時点で、一番現実的なのはこの方法かもしれません。

 

まぁ…。兎も角、おママを迷子にしないように気をつけます…。(^O^)

 

 デイサービスで作りました!

ブレスレットです。

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私は以前、趣味で天然石ブレスレットを作っていました。その時の経験から言うと、穴に通すだけなのですが、目が悪いと骨の折れる作業だと思います。しかも、ビーズの順番を間違えるとデザインがグダグダになります。このデザインは大して細かくありませんから、あまり高齢でなければ簡単ですね。でも、おママは慣れない作業だから、かなり骨が折れたのではないかしら?

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

お宝探し

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(2018年9月28日  アルツハイマー認知症の診断から11年7ヶ月)

 

時々、こんな事があるのです。

   この日、昼前に実家に行くと、おママが作業机に向かっておりました。

「こんにちは。御精が出ますね。」

ふと、おママの手元を覗きますと、作業机に直接パーツを並べて構成を練っているではありませんか❗️最近はハガキの存在を忘れてしまう事も多くなりました。

 

「お母さん、この上に載せてね。その方が考えがまとまり易いわよ。」

私はハガキを2枚引き出しから出しました。

「あら、あなた。どうも、すみません。」

頭を下げるおママの手元を見ると、

そのパーツは全て今まで切った切れ端です。

 

  これも、時々ある事ですが…。

おママは心惹かれた紙を手にすると、自然とハサミを手にして切り始めます。切り出したパーツを並べて構成を考え貼っていくのですが、

切って考えて貼るのは、それなりに大変です。

おママはアルツハイマー認知症になるずっと前からこの貼り絵をやってきたので、何とか今も続けていますが、それでもキツイ時もあるでしょう。

それで、元から切ってある物を貼ったら一工程省けますね。今日アップの貼り絵はそおママがそんな風に楽して楽しんだ貼り絵です。

 

こまごま

⬇︎下の写真は雑然とした (^O^) 御ママの作業机です。その上には、おママがいつも切れ端をストックしている小箱がいくつもあります。それを並べてみたのが、この状態です。

切れ端がいっぱい❗️

この中を漁って選ぶだけで、何枚も貼り絵ができそうです。

本日アップの2枚目の作品にはマセンダ(鮮やかな若干紫みの赤)のパーツが5枚貼ってあります。その中で上部の4つを見てみると、明らかに何かを切り出した残りという感じがします。

でも、そこが自由奔放な魅力と言えるかも…。(^O^)v

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 (2018年9月に28日撮影)

⬆︎切れ端が詰まっている小箱の中を引っ掻き回して、

お宝を選りすぐったおママが、構成を練り上げています。

 

⬇︎昨年、こんな記事を書きました。

あれから1年以上経ちました。

「おママはなんとかまだ貼り絵制作を続けられているよ、まだ元気にしているよ。」

あの時の自分に伝えて上げられたら、きっと私はホッと胸を撫で下ろしたでしょう…。

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おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

ガッテン! 認知症の人が劇的変化!“アイコンタクト”パワー全開SP を見ました‼️

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(2018年  アルツハイマー認知症の診断から約11年ヶ月)

 

今日の記事タイトルは長っ‼️ (^O^)

NHK水曜夜7時半の番組『ガッテン!』

普段はダンナが裏のクイズ番組を付けているので我が家ではスルーしていますが、今週は録画して見ました。それほど期待していたわけではないのですが、分かり易くまとまっていたと思います。

私としては、おママの日常で感じる疑問に対してヒントを得られ、良かったです。

 下記の番組サイトも読みやすいので、宜しければご覧になってくださいませ。

www9.nhk.or.jp

 

ユマニチュード

タイトルに「アイコンタクト」が入っているので、内容は「ユマニチュード」かな?と思いました。まさに予想通りでした。(^O^)

 

「ユマニチュード」とは…。

フランス発祥の認知症の介護法。150ものテクニックがありますが、
その基本は「見る」「話す」「触れる」「立つ」だそうです。


目線を合わせて相手をしっかり見つめる。

驚かさないように、優しいトーンで語りかける。

思いやりを込めて優しく触れて。

そして、立ち上がる介助。

 

治療やお世話といったことより、ケアされる人とケアする人が気持ちを通わせる事が大事。より安心を感じられるような介護を実践し、認知症になっても、最後まで人との関わりを全うする事を目指しています。

 

今回の番組では、目線を合わせてしっかり見つめる(アイコンタクト)をクローズアップしていました。

 

上記の番組HPからの引用です。⬇︎

実は認知症の人は、認識できる視野の範囲が狭くなったり、認知機能の衰えによって介護する人が近くにいても気づかなかったりすることが。そこで重要なのが、相手の正面に入り、視線をしっかり交わすこと。これを意識的に行うと、スムーズに意思疎通が取れるようになり、暴言や歩き回るといった症状が改善するという事例が相次いでいるんです。』

 

*視野が欠ける⁉️

認知症になると記憶障害や判断力の低下が一般的です。

そして、視覚情報の認知についても変化や低下があります。認知機能の衰えによって、近くの物でさえ気付けない場合もあります。

しかし今回番組を見て、視野の範囲が狭くなるというのも症状の1つだと知りました。

 

 最近のおママの日常でこんな事がありました。

食後に楊枝を使いたいおママ。

まず「ようじ」という単語が出ない。それでおママは楊枝を使うジェスチャーをして、ジジや私に探し物を伝えます。でも、実際には楊枝入れは食卓の上にあり、普通に視界に入っていそうなのに、おママは見つけられません。

 

おママにランチョンマットを取ってもらおうとした時。

身体に対して真正面に置いてある物は取れても、そのすぐ隣にあるランチョンマットは気が付かない…。

 

これらの症状について、私は次のように解釈していました。

(目には入っているのに、おママは認識出来なくなっているから。)

でも、番組を見てちょっと考えてしまいました。

 

 (もしかしたら、視野の真ん中しか見えていないから⁉️)

 

上記の『ガッテン !』のサイトには、視野の真ん中部分しか見えない場合の再現写真が掲載されています。それはまるで緑内障のようです。

10年くらい前、おママは眼科で緑内障があるかも知れないと言われました。取り立てて治療はしてはいないので、それが悪化しているのかも知れません。

いずれにしても、おママの視野が欠けている事を念頭に入れて、見守った方が良いようですね。(°_°)

 

私の実践

以前も⬇︎の記事にも書いた事があるのですが、私はなるべくおママには優しく丁寧な言葉で話しかけるようにしています。

理由はおママが私を娘と思っていない時があるからです。

急によく知らない人から、まるで家族間での強い口調やフランクすぎる言葉使いをされたら、誰だって良い気はしないでしょう。

 

なるべく優しく丁寧に話す…。

でもね…、出来ない時もあるのです。私だって人間だもの…。

これからは「正面からしっかり目を見て話す」も付け加えなきゃ。(^O^)

 

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本日アップの貼り絵

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 ⬆︎千代紙を使いました。中央部分は手持ちの切れ端を使ったようです。

⬇︎こちらは仲間です。

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 おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

天地を揺るがす龍

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(2018年9月7日  アルツハイマー認知症の診断から約11年7ヶ月)

 

へぇ〜❗️

9月7日の夕方。

夕飯の支度の合間に私はおママの作業部屋を覗いてみました。そこには無心に机に向かうおママの背中がありました。いつものように私が、

「お手元暗くありませんか?」

と声をかけますと、おママは「大丈夫よ」と答えました。そして、机の上、おママの手元を目にして私は思わず「へぇ〜❗️」と声を上げてしまいました。

それが⬇︎の写真です。

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既に「越前和紙はがき」にはグリーン系の色紙がベタッと貼り付けられていました。上下をピンキーングはさみでギザギザにしている点は、おママの遊び心でしょう。

その上に、折り目がたくさん付いて少々くたびれた水色の折り紙を細かく切ったパーツがありました。

そしておママはまさに通販カタログから切り抜いた写真を、更に分割しようとしていました。よく見ると龍の水墨画のようです。

「面白いですね。」(^。^)

「そうかしら?」(^_^*)

 

水色の三角

面白いといえば、三角形の水色の折り紙を2つに折って、細長い三角をこしらえた点です。

「ねぇ、その水色の三角はどうしたの?前から折り目が付いていたの?」

まだ、作業中だから、もしかしたら覚えているかも知れないと淡い期待を持った私が甘かった…。

「そうよね〜。」

私の質問の答えにもならない事を言うのね。おそらくおママの記憶はもう消し去られていたようです。(°_°)

もしかしたら?以前、何かを折ろうとして折り目を付けた折り紙を、この日この時に再発見したのかも知れません。そして水色と白のさわやかなパーツが出来るとおママは思ったのですね。

 

⬇︎下の写真は三角パーツの内側を糊付けしているところです。

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 ⬇︎あっという間に構成がまとまりました。完成までの所要時間は30分くらいでした。

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「もう、これでいいかしら?」

「いいんじゃない?」

おママが良ければそれが良し。

「面白いから、すぐに糊付けちゃったら?」

そして、おママは黙々と完成させていました。

 

逆さ龍?昇り龍?

この貼り絵は気になる点があります。

それは天地の問題です。(上下の向きの問題ですね。)

「これはどっちが上ですか?」

写真撮影の時に本人に確認すると、

「どっちでも良いのよ、あなたの良い方で…」

と言われてしまいました。私の一存で決めろと言われてもねぇ。(°_°)

 

制作過程の写真をみると、おママが想定していた天地の向きは、トップの写真が正しいと思います。しかし、単純に龍の絵に重点を置いて考えると⬇︎下の写真が良いのかも知れません。

認知症ではなく、見当識障害もない普通の人ならば、きっと龍が描かれている事を意識するでしょう。そうしたら、トップの写真のように龍を逆さに配置したりしないと思います。

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(トップの写真の向きを上下逆にしたもの。⬆︎)

 

 果たしておママはカタログから切り抜いたこの写真を「水墨画の龍」と認識していたのでしょうか?それは甚だ疑わしいと思います。単にシックな模様と捉えていたかも知れません。それに、おママだったら、赤い鮮やかな色彩は上方に置きそうです。

 

先入観なく見てくれそうなので、私の娘のアズキにどちらが良いと思うか聞いてみました。すると、即座に答えました。

「制作中と同じ向きの方が良いと思う。」

なるほどね…。実は私もそうかなと思います。

 

龍の姿は逆さまだけど、考えようによっては、身体をくねらせながら龍は天に向かって飛んでいるような感じもします。昇り龍なのかも知れません。

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

首尾は上々

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(2018年9月9日  アルツハイマー認知症の診断から約11年7ヶ月)

 

チャーコ美容院へ行く

  10月22日月曜日の東京は気持ちの良い秋晴れでした。

まさに洗濯日和です。

しかしながら、私は諸事情から午前中に美容院に行きたい…。

 

  髪のカラーは時間がかかります。いくら美容院が実家の近くにあるとはいえ、一度実家に行って洗濯をしてからだと、昼ごはんの支度に間に合わなくなりそうです。

 

  そこで私は考えました。そして、途中の乗換駅からジジに電話をしたのです。

「あのさー、美容院に寄ってからそちらへ行くから、洗濯をしておいて欲しいのよ。トイレや洗面所のタオルも入れて取り替えてね。できたらおママに干してもらってよ。終わったらまた電話するから、買い物はしてくわ。」

私が有無を言わさぬ勢いで一気に喋ったので、ジジは「はい、洗濯ね」と答えるのががやっとだったでしょう。

こうして、私は老親をこき使い(⁉️)ながら、白髪染めをして若返りを図ったのです。

(^O^)v

 

それで首尾は…。

  美容師さんが染色剤を髪に付けてくれている時、私は洗濯はどうなったかなと思いました。ジジの事だから洗濯機は回してくれるでしょう。でも終わって干すのを忘れているかも知れません。他の事に気を取られていると、私も時々やりますものね。

 

  もし、ジジがおママに干すように頼んだとして…。

真夏の記事⬇︎のように、おママは干すのに随分と時間をかけてしまいそうです。

どうやって干そうか試行錯誤の末に、ベランダで放心状態になっているかも…。

(でも、まぁいいか…。真夏と違って今は秋。ベランダで悩んで呆然としても、外気に触れておママは気持ちがいいわね。)  (^O^)

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  それで、正午ごろに実家へたどり着いてみると、洗濯はすでに終わり、

「お母さんに干してもらったよ」

とジジは満面の笑みを浮かべました。

 

  ベランダを見てみると、バスタオル1枚、フェイスタオル5枚、ジジとおママの下着、そしてジジの長袖のポロシャツが、整然と物干しに旗めいていました。

(良かった❗️)

私の白髪染めも綺麗に仕上がったし、首尾は上々❣️

 

  後でジジに聞くと、洗濯物が少ない割に、おママが干すのは10分くらいかかったようです。

でも 秋の日差しと涼しい風にあたって、おママはきっと心地よかったでしょう。

 

  午後2時半ごろ、おママはベランダで乾いた洗濯物を発見して(干した事を覚えているわけではない)取り込み、ちゃっちゃっと畳んでおりました。

流石にそれらがどこに収納されているかの記憶はないようなので、タンスや戸棚に仕舞うことは出来ません。でも、そんなおママの様子を見ると、

「THE主婦❗️」

てな感じがしました。(^。^)

記憶障害・見当識障害は重くなっても、

長年繰り返してきた行動って、もう本能に近くなるのでしょうか。

人間は凄いです。

 

本日アップの貼り絵

どことなく…、秋のススキのイメージかしら? 

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

 

 

玉手箱

 

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(2018年9月1日 アルツハイマー認知症の診断から約11年7ヶ月)

 

またかのネタですみません。

   当ブログはアルツハイマー歴11年のおママが作った貼り絵と、私達家族のエピソードを中心に更新しております。

そんなこんなですから…、おママが見当識障害のために自分の年齢が曖昧になっている件は、このブログでは頻出のあるあるネタです。

でも、毎回ちょっとずつおママの表現が違っているので、何度も書きたくなってしまいます。

m(_ _)m

  しおれるおママ

 昨日(10月19日)、

お出掛け前にトイレに行ったジジを、おママと私は玄関の内で待っておりました。

いつもなら、お出掛け前のおママは、

「どこへいくの?」「お父さんはどうしたの?」

をひっきりなしに繰り返しているのに、この時は不思議と静かにジジを待っていました。その沈黙が気になります。それで私はおママに話しかけてみました。

「寒くない?」

するとおママは少し俯き加減で呟きました。

 

「私は歳をとったみたいなの。」

 

ふむふむ。そりゃ、そうですよ…。

 

「なんか。すごく歳をとったみたいなのよ。」

 

その呟きには、おママなりの深刻な思いが秘められているようでした。

 

「どうして、そう思ったの?」

 

「ウチに、ほら、すごいお爺さんがいるでしょう。それを見て、やっぱり私はおばあさんになったんだと思ったのよ。」

 

おママはそう言って肩を落としました。すっかり萎れて頭を垂れているではありませんか…。

「そうですか…。」

(この時点で、一緒に暮らしているジジを配偶者だと認識しているのかしら…。)

それも微妙です。大体、そんな風に言ったらジジが気の毒ですわ。

 

「お母さんは歳をとったのよ。」

「そうなのね…。」

すっかり肩を落として落胆しているから、なんとか慰めなきゃ。

「よく頑張って生きてきましたよ。偉いと思います。」

「そうよね…。でも、私は一体、幾つになったの?」

「84歳です。」

「えーーっ。じゃあ、あのお爺さんは幾つなの?」

「90です。」

おママは眉間に皺を寄せてうなりました。

「そんな歳なの?  えーっ。なんだか、もう、よく分からないわよ…。」

「だって、お母さんは84歳で、お父さんは90歳なのよ。」

おママは諦観を滲ませて微笑みました。そして一言。

「もう、どうでもいいわ。」

 

浦島太郎のように感じたか⁉️

  認知症で記憶障害も見当識障害も進んできたおママには、時間や月日の流れを認識するのは難しい事です。

だから、高齢なジジの姿を見た時、おママは玉手箱を開けた浦島太郎みたいに、

(突然、歳を取ってしまったじゃないの〜)

そんな印象を持ったのかもしれません。

 

  例えば、

52歳の私が、一瞬で時間が飛んで84歳になってしまったら⁉️

それはかなりキツイ事だと思います。

でも、考えてみれば、ジジの姿を見ることによって、おママが:浦島太郎の玉手箱を開けてしまったとすると…。

ジジが少々気の毒であります。(^O^)

 

本日アップの貼り絵

確かオネコがおママに上げた展覧会のチラシ⬇︎を使っています。

平紐を大胆に貼り付けていますね。(^。^)v 

www.suntory.co.jp

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おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。