(2020年3月20日 アルツハイマー型認知症の診断から約13年1か月)
*おママさん、シッカリしておくれ。(^O^)
9月18日 デイサービスにて
例によってジジは昼食後、お仲間と麻雀をしておりました。
おママはジジの側に座っていたとさ…。<認識①>
しかし、3時過ぎ頃から利用者は順番に「お帰り」の時間になります。
麻雀組は参加者の1人でも帰ってしまえば、そこまでです。途中で終い。
帰宅の為の送車の順番が来たので、スタッフから「田中さん」と呼ばれました。
そして、ジジは立ち上がって玄関に向かったそうです。<認識②>
おママはジジが麻雀をしている間は近くにいたのです。
だから、ジジは当然おママも後からついてくると思いました。
ところが、おママはまだマージャンをしていたテーブルのあたりにいるではないか❗️
そこには麻雀メンバー達がせっせと牌を片付けていました。<認識③>
スタッフが「芙貴子さん、お帰りの時間ですよ。こちらに来て下さーい」と玄関から声をかけたところ…、おママさんったら‼️(°▽°)
ジジと一緒にマージャンをしていた80代後半の男性を指し示て、大声で叫んだのです。
「私はこの人と同じところに帰るので、この人と一緒に帰ります‼️」<認識④>
ジジはもちろん。当の男性はびっくり‼️スタッフも絶句したそうな。
その場は凍りつき、他の通所者の皆さんも固まってしまいました。
ショックもありますが、ジジはどうしたもんか思い付かなかったそうです。
1番年嵩のスタッフさんがおママの側に行きました。
「ふきこさん❗️
玄関まで、ご一緒しましょう。」
おママは1分ほど前の自分の発言を忘れたのか?素直に従いました。<認識⑤>
そして、玄関でジジの顔を見て、おママは笑顔になりました。
「あぁ、良かったわ‼️」
おママさん…、伴侶を見つけられて良かったわ。<認識⑥>
めでたし、めでたし…。(^◇^;)
*いつから分からなくなったのか?
おママの記憶の中で、ジジや私達姉妹は家族(配偶者、血縁者)でなくなっている。
そもそも、おママにとって家族(配偶者、血縁者)という概念自体が失われている可能性があります。
私は2015年の段階でそれに気がついていたし、その傾向は年々強くなっていると思います。つまり、おママは家族(配偶者、血縁者)だと分からない人と自宅で暮らし接しているのです。その不安感たるや、私には想像もつきません。
しかし、おママはジジと暮らしているのです。
以下は全て私の推察です。
おママは家族(配偶者、血縁者)ではない誰と暮らしているのでしょうか。
それは「一番見慣れた安心できる人物」です。ジジですね。(^O^)
(オネコさんと私は娘ではなく、定期的に現れて親身に世話をしてくれるヘルパーさん)
おママにとって、家族に似た存在は「一番見慣れた安心できる人物」という認識なのだと思います。
*おママは擬家族をどうやって認識しているのか?
ここでキーワードになるのが「一番見慣れた安心できる人物」。
記憶を持続できないおママは「一番見慣れた安心できる人物」か「そうでない人物」かを、どう認識しているのか?
確実に言えるのは、おママが家から一緒に来たジジを「一番見慣れた安心できる人物」として見続けて(眺めて)いられるかどうかなのだと思います。
これまでもおママはデイサービスで、ジジが「一番見慣れた安心できる人物」かどうか怪しくなってしまった事がありました。
それでも、
(もしかして、この人かしら?)
と僅かな時間でも、それを想起できる余裕があったのです。
今回はどうでしょう…。
<認識①>
おママはジジの側にいて、ジジを「一番見慣れた安心できる人物」として眺めている。
<認識②>
ジジが不意に立ち去ったので、「一番見慣れた安心できる人物」がおママの視界から消えた。この段階で「一番見慣れた安心できる人物」が曖昧になった。
<認識③>
おママはまだ麻雀のテーブルの側に居たから、「一番見慣れた安心できる人物」はこの近くに居ると認識していた。
<認識④>
おママには、距離的に近くにいる人が「一番見慣れた安心できる人物」でしょうか?
そうなのかも知れません。それで、ジジとは全く違う男性利用者を「一番見慣れた安心できる人物」と誤認識した。
<認識⑤>
スタッフさんが声を掛けて、おママの気分や状況を変えた。<認識①>から<認識④>までの現実は完全におママの脳の中ではリセットされてしまった。
<認識⑥>
おママは再びジジの顔を見て、ようやく「一番見慣れた安心できる人物」と再認識できた。
恐らく<認識②>から<認識⑥>までのの時間は1分から2分のことだったでしょう。
それでもこれほど短時間に目まぐるしくおママの認識が流動するのですから、やはり認知症の症状はかなり進んでいるのだと思います。
<認識⑥>の最後で、おママの曖昧な記憶の中の「一番見慣れた安心できる人物」と目の前に居る「一番見慣れた安心できる人物」が一致して、本当に良かったと思います。
おママの認識が混乱した時に、今回はスタッフさんがさりげなく声を掛けてくださいました。
これが「この人は違いますよ」とか「旦那さまは田中さんですよ」と言えば、おママは意固地になったかも知れません。
さりげなく核心には触れずに気分を変えさせる。やはり凄いなぁと思いました。
近い将来、
ジジの顔を見ても「一番見慣れた安心できる人物」と認識できなくなる日が…?
来るのかも?
いや、来ないで欲しいです。(^◇^;)
(↓)昨年(2019年)8月のエピソードです。
おママはジジに「あなたは誰ですか?」と聞いて…。(TT)
(↓)これも昨年(2019年)8月のエピソードです。(^◇^;)
おママは1人で通所しているデイサービスで、他の男性利用者を夫と思い込んでいた件。
*本日アップの貼り絵
半年以上も前の作品です。3月ですから、まだ寒い時期でしたね。
何度も登場している(↓)このマーブルペーパーを使っています。
おママは認知症になるはるか前に舶来のマーブルペーパーを何枚も買っていました。
ルリユール(西洋の伝統的な製本技術)を習っていたので、自分で製本する時に裏表紙に貼りたかったのだと思います。
それだけでなく、マーブルペーパーの美しさや面白さに魅せられていたのでしょう。
太陽のような形が型抜きされていますが、これは認知症になる前のおママがやったのだと思います。抜かれた形自体は貼り絵に使ったのでしょうか。(^O^)
(↑)最初にマーブルペーパーだけの構成を考えていたようです。
全部糊をつけた後に、画面が寂しく感じられたのでしょう。
小津和紙の千代紙で飾り始めました。」
(↓)小津和紙の千代紙です。2月に買ったこの3種は、よく使われています。
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。