アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

林檎レッスン・2020〜2021年冬編

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(2020年12月21日アルツハイマー認知症の診断から約13年10ヶ月)

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(2020年12月21日アルツハイマー認知症の診断から約13年10ヶ月)

 

先週の土曜日2月13日の夜に福島県沖を震源とする強い地震が起きました。

お被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。

東日本大震災からまもなく10年。

今回に余震や15日月曜日の豪雨で更なる被害が出ませんように。

ただひたすら祈るばかりです。

 

今シーズンを振り返って

 2020年の夏は梨が出回るのが例年より遅く、しかも高価でした。そのため暑いうちからおママはリンゴを剥く機会が多かったです。

これは果物の生産出荷状況だけが要因だったのではなく、

私の危機感の表れでもあります。

(おママに頻繁にやってもらわないと、出来なくなっちゃうのではないか⁉️)

 

そんな不安感は下記(↓)の記事に貼付けた2020年8月24日の動画を撮影した時、既に感じていました。

harienikki.hatenablog.com

 

 おママは昔から、最初にリンゴを4等分に切り分けて、芯を切り取ってから皮を剥きます。

ちょうど一年前は、割と良い感じにリンゴを縦に2等分、4等分に分けられていましたが、段々にこれが難しくなってきたようです。

 

おママは今シーズンも皮を剥く作業は手際がいいです。

包丁の持ち方も使い方も上手です。

蜜を芯と一緒に取ってしまうのは既に一年以上前からで、

「芯は小さく取ってください❗️」

「そうね、色が変わっているから…」

という掛け合いは、毎回お約束にように繰り返しております。(^O^)

 

私からすると、リンゴの皮剥きより、縦に切り分ける方が簡単なのですが、おママはその逆のようです。

 

 しかし考えてみれば、リンゴは左右対称でもありません。

私達は無意識でリンゴのフォルムを観察し、上から刃を入れる寸前にその角度や力加減を推測するのでしょう。そして、包丁を俎板に下ろすのです。

 

この観察→形状認識→推測→実行という作業は、人間の日常生活の中で頻繁に行われていると思います。しかし案外、高等技術なのかもしれません。

 

今のおママはこの一連の流れがスムーズに出来ないのでしょう。

それでも、上手くいく時もあるのです。

これが認知症の不思議なところですね。(^◇^;)

 

包丁を持つ作業は、近い将来には不可能になると思います。

ヒヤッとすることもあるのですが、これからも見守りながら「果物レッスン」は続けて行きたいです。

 

 例① 2020年12月21日の林檎レッスン

この時は最初のリンゴの分割に失敗して、芯を取るのに苦労していました。

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2020年12月21日 12:48〜 <おママの林檎レッスン>

 <おママの林檎レッスン動画>

2020年12月21日 12:48〜

そもそもリンゴを上手く1/2、1/4に切り分けられず、芯を取る事が困難なレベルになりました。それでも、強引に芯を取ろう頑張るおママ。

昔は大好きな蜜だったのに、今は色が変わって傷んだ部分だと思い込んで、無惨に切り捨ててしまいます。

「あーーー、そんなに大きく取らないで!」

チャーコは絶叫しますが、おママの包丁は情け容赦もありません。

お恥ずかしいことながら、あまりの勿体無さから、私はその芯を拾って食べるという、食い意地の張った事をやらかしております。

形は歪になりましたが、おママは皮を剥きやすいように、さらに分割しておりました。

おママなりの工夫も垣間見える動画です。

 

例②   2021年2月5日の林檎レッスン

この日は比較的、最初の1/2が成功していたので、その後もうまくいくと思いきや…。

芯を取る手元が危なっかしくて、ヒヤヒヤさせられました。

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2021年2月5日 12:41〜 <おママの林檎レッスン>

 <おママの林檎レッスン動画②>

2020年2月5日 12:41〜

テレビの雑音が大きいです。

比較的順調でしたが、芯は必要以上に大きく取ってしまいます。

「芯はなるべく小さく取ってください。」

チャーコが言う側から、おママは蜜をザックリ削ぎ落としています。

あまりに惨状に、チャーコは「ぐえっ❗️」と思わず唸り、凍りついていました。

途中、危なっかしい包丁さばきにヒヤヒヤしましたが、全体的には上手に出来たと思います。

もちろん、麗しきリンゴの蜜は、チャーコがきちんと食しました。その様子は想像しないでくださいませ。(^O^)

 

harienikki.hatenablog.com

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 本日アップの貼り絵

林檎レッスンの動画①を撮影した12月21日に、おママが制作した貼り絵です。

この千代紙はとても思い出深いです。

2017年5月におママとオネコと3人で小津和紙に行った時に買いました。

買ったばかりの頃、おママはこの千代紙で個性的な作品を何枚も作ったんですよ。(^O^)

 

これを久しぶりに「お題」にしてみました。(↓)

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  ※「お題方式の貼り絵」とは…。

一昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それで、あらかじめ私が「お題」と称して何種類かの紙を用意することが多くなりました。そして、他に組み合わせする紙片をおママに選んでもらってから、切り貼りを楽しんでもらうようになりました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。

 

(↓)どういう風に切ろうかな?

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(↓)アーチ型を組み合わせるようです。

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(↓)アーチの向きを変えてみたりして…。

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(↓)義母クレバァの遺品の中から見つけた千代紙です。

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(↓)これで糊つけするそうです。

左上に2枚目がありますが、糊付けの直前にデザインがガラッと変わりました。

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 おママは同じ千代紙で過去にこんな作品も制作しています。

harienikki.hatenablog.com

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おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。