(2021年12月17日 アルツハイマー型認知症の診断から約14年9ヶ月)
*前回の続きです
私も結構しつこいと言うか、こだわりが強いのでしょう。今年の東京大空襲特集は2回完結にしようと思います。
なぜか…。恩賜上野公園はとても広かった。探して歩くのに時間がかかった。
それに尽きます。(^○^)
前回と重複しますが、わたくし渾身の地図を再掲(↓)いたします。
参考にさせて頂いたサイトです。ありがとうございました。(↓)
(↓)全国の被災樹木一覧
http://www.zkk.ne.jp/~karasawa/yake-2-list.htm
台東区、上野公園
○台東区上野公園『上野公園』スダジイ6,モチノキ1, タラヨウ2, ●イチョウ1 ,シラカシ 1,●ムクノキ4 ,トウネズミモチ 3,ソメイヨシノ 4 ( 計23) [S20/03/10, 戦災]
JR上野駅前。公園内に合計23本分散している。東京都美術館内に炭化跡の著しいイチョウがある。台東区、上野公園
○台東区上野公園『上野東照宮』●樹種不明 [1945/4/13-4/14, 戦災]
JR上野駅より徒歩5 分。荒川区の工事現場から掘り出された戦災樹木を境内の能舞台前に展示している。「戦災の証言者」という解説板がある。台東区、国立東京博物館
○台東区上野公園 13 『国立東京博物館』 モチノキ2 ,スダジイ2,ネズミモチ 1,カエデ 1,ムクノキ 1
[S20/03/10,戦災]
JR上野駅より徒歩5 分。正門を入って右手に炭化し空洞化したたモチノキがある。
*おママと歩きたかった
私が戦災樹木に興味を持つきっかけは、実はおママでした。
正確に言うと、前回も参考文献としてご紹介した本の著者である長崎さんはおママの友達のご親戚にあたります。
戦災の跡をたずねて ー東京を歩くー
1998年7月31日初版第1刷発行
編著者 長崎 誠三 発行者 長崎 誠三
発行所 株式会社 アグネ技術センター
ISBN4-7507-0875-5
出版当時、おママは女学校時代のお友達からこの本を頂きました。長崎さんは戦争体験も集めていらっしゃったようで、おママも体験を書いてお送りしたようです。
私はまだ幼児だった娘を連れて実家へ行った時、おママからこの本を手渡されました。
「とてもいいお仕事をしていらっしゃるのよ。戦災を経て傷を負ってもなお生きている木があるのですって、チャーコも読んでみたらいいわ。」
私は歴史が好きです。借りて読みました。
平成の世になっても、都内には戦災の跡を留めている樹木や石造物があるようです。
(見て周りたいな。)
そう思いました。でも、私はまだ子育てに追われていたし、千葉県に住んでいたので東京へ出るのも一苦労でした。
「アズキがもう少し大きくなったら私も身軽に出歩けるから、一緒に見て周れたら良いね。」
おママに提案すると、賛成してくれました。
「そうね、それは良いわね。」
でも、娘が幼稚園や小学校に入る頃になると、私はパートに出るようになりました。そして、更に忙しくなりました。一方、おママはルリユールに夢中でした。
そして、この約束は果たされることはなく、おママはアルツハイマー型認知症になって現在に至ります。
一昨年、浅草寺の戦災樹木を訪ねようと思った時、実家でこの本を探しました。おママは割と几帳面な性格なので、本を頂いた時の手紙や戦争体験手記なども一緒に見つかりました。その中に挟まっていたハガキから長崎さんとおママの友人が既に亡くなっている事も知りました。おママの戦争体験に関してはいつかブログでご紹介したいです。
結局、私はおママと戦災樹木を巡る事はできませんでした。
でも、長崎さんの本を手に、娘のアズキと上野公園を歩けたのは、とても幸せな事だと思います。
本に掲載されている写真は20年以上前のものです。もしかしたら、もう伐採されたり撤去された遺物もあると思います。
これからも少しずつ東京の「戦災の跡をたずねて」みたいです。
*恩賜上野公園 北側
前回の(その1)はパンダ橋から上野の森美術館、西郷隆盛像周辺の戦災樹木をたずねてみました。
今回(その2)では上野文化会館より北側を取り上げてみます。
地図上の赤と青の丸が今回写真撮影をした樹木です。公園内は8本、東京国立博物館の敷地内は2本です。
東京都美術館の敷地内に焼夷弾の被害を受けた大銀杏が1本あるのですが、入館しても立ち入れない場所にあるそうなので、今回撮影は断念しました。
地図上の赤丸は戦災樹木だと思います。青丸はチャーコの推測を出ませんが、可能性が高いと思われる樹木です。
⑤ 上野東照宮 大鳥居の斜め前
上野東照宮の大鳥居の斜向かいに位置します。近くに鶯団子で有名な新鶯亭があります。
私はこの木を見つけた時、言葉が出ませんでした。本当のところ、焼夷弾による被害なのか?雷なのか?よくわかりません。
ただ、上部から内部にかけて焦げて炭化した跡が見られます。私の目からは焼夷弾による被害のような気がします。
本当の事は定かではありませんが、天を仰いで祈るような姿に見えるではありませんか。とても胸を打たれました。
暖かくいなったら葉を繁らせた姿を見たいと思います。
方角を変えて撮影しました。(↓)
⑥ 正岡子規記念球場の側
球場フェンスの外側にあります。3本並んだ大木のうち1本です。
⑦ 東京国立博物館の向かい側
その他 東京国立博物館敷地内
参考にさせて頂いたサイト「全国被災樹木一覧」の引用部分(下線)に東京国立博物館の「正門を入って右手に炭化し空洞化したたモチノキがある」と記載がありました。
それを見るべく、入場券を買って敷地内に入りました。
ところが、ロープが張られて近づけません。そこで入場確認ブースにいらっしゃるスタッフに事情を説明したら、その方が付き添うという事で撮影できました。何かの工事の影響で立ち入り規制をしているだけで、普段は自由に歩ける場所だそうです。
おそらく、該当樹木はこちらではないかと思います。(↓)
そのスタッフの方が教えてくださいました。(↓)
「平成館と表慶館の間の道の、こんもり葉の繁った背の低い木は空襲の被害にあった木だと聞いたことがあります。ただ、『そうらしいよ』と言われているだけで、やはり本当のところどうなのかわからないようです。」
おそらく、上野公園の戦災樹木の置かれた状況は「本当のところはどうかわからない」なのだと思います。
芝生の中に侵入できないので、近くからは写真が撮れませんでした。しかし、幹に黒い炭化した裂け目があり、戦災樹木の可能性があると思いました。
推測の域を出ないレポートばかりで申し訳ありません。
しかし、焼けた傷をそのままに立つ樹木の姿には、今も戦禍を後世に伝え平和を願っているように思えてなりません。
平和はかけがいのないものです。
土曜日の上野公園は結構たくさんの人出でした。
行き交う若い人々は笑顔で実に楽しそうです。
1945年3月10日に、空襲で焔火に追われて10万の人が犠牲になった事など全く知らないかも知れません。
でも、このところの世界情勢からしたら、その笑顔や明るい笑い声は平和そのものです。それ自体が宝物なのです。
どうか、なるべく早く、戦禍に苦しむ国の人々に笑顔が戻りますように。
そんな事を思いながら歩きました。
平和への祈り
*本日アップの貼り絵
私は常におママに貼り絵の「お題」になりそうな紙を物色しておりますが、世の中には誰がどう使おうとカッコイイ作品ができるのではないかと思う紙があります。
それが京王百貨店の袋です。平和の象徴である鳩をモチーフにしています。
昨年12月17日に「お題」に使ったのがまさにそれでした。
多分(↓)この時の残りだと思います。
*「お題方式の貼り絵」と「お題パック 」について
2019の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それで、あらかじめ私が「お題」と称して何種類かの紙を用意することが多くなりました。その他に組み合わせする紙片をおママに選んでもらってから、切り貼りを楽しんでもらうようになりました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。
私が実家に行かない時でもおママが貼り絵に取り組みやすいように、「お題」と台紙にするハガキをチャック付きのビニール袋に入れておく。これが「お題パック」です。
(↓)この日の「お題」はこちらです。
桃色地に赤の麻葉模様もおママのお気に入りですから、俄然やる気が湧いてきたようです。(^O^)v
まずは京王百貨店の鳩の模様を切り抜いて下さいな。
それが大体済んだところで、おママは麻の葉模様に強く引き付けられました。
(↓)どう切るか?麻の葉模様の芽の数を数えております。
<おママの貼り絵制作動画①>
2021年12月17日 14:50〜(1分45秒)
ハサミで切った切り口がガサガサと荒れているのが気になるおママ。
でも比較的大きなピースを使うので、構成もすぐ決まりそうです。
マ「こやって♪ こうやって♪
なんか食べましょうか?」
チ「食べるの?」
貼り絵をやっているのにぉママったらもうオヤツが欲しいのですか?
そうではなく、たまたまおママは他の動詞と間違えて「食べましょうか?」と言ったのでしょう。
<おママの貼り絵制作動画②
2021年12月25日 14:54〜(1分25秒)
おママは金色地に白と黒の丸繋ぎ模様の千代紙を手に
マ「これを3つにして…」
と円の数を数えています。同じ物が2つできたらご機嫌で構成の続きをやっています。
ささっと素敵なデザインになりました。動画では最後少し切れていますが、おママは喜びの声をあげています。
マ「あーーー、よかった‼️」(^O^)
その後、糊付けも順調で、おママも喜んでいました。
(↓)関連作品です。
おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。