(2021年6月6日 アルツハイマー型認知症の診断から約14年4ヶ月)
*どの口が❗️
夕飯を一人前完食したジジが深刻な顔をしていうのです。
「もう、やることがなくなったので、どんどん弱ってしまいそうだよ。
この分だと、今年中に死んでしまうかも知れない。」
ジジの食事は普通の中高年が食べる食事と同量だと思います。
主食のご飯一膳分(120g)、主菜は肉か魚料理、サラダか煮物の副菜、汁物。
歯も全部揃っているので、ごく普通の食事を毎回完食しているのです。
「これだけ御飯を平らげて、今年中に死ぬって、どの口が言うんだ?」
思わず私は口にしてしまいました。ほんと、❗️
どの口が、どの口が、どの口が、どの口がーーー。(←某アニメのキャラクターの真似)
私は頭の中で叫びました。
するとジジはしれっと言うのです。。
「食べられるけど、もう頭はダメになると思う。」
ああ、そうですか…。ま、最近は短期記憶が怪しいですものね。
「基本、食べられているうちは、相当ボケても死なないよ。おママだって元気だもん。」
「そうかな…。それなら良いけど。」
*気力が落ちているのは確か
ジジは長年毎月、短歌の先生に読んだ歌を送って添削してもらっていましたが、そういえば、最近封書の投函を頼まれません。どうしたことか?
「最近、短歌はやっていないの?」
「うん、頭が働かなくなって、できないんだよ。」
なるほど、ジジも自分の衰えを自覚して、不安なのですね。
「何か書き写したり、塗り絵をしたり、やったらどうかしらね。」
「そうだね。でも、この歳になって、何ができると言うんだ。」
ジジよ、少々捨て鉢になってませんか?
「できることはあるんじゃない?」
「あるかなぁ。なんか希望を持てるようなことがしたい。」
希望ですか…。
私は95歳にどんな希望を描いて上げられるのだろうか?
「例えば写経とかどうよ。昔お父さんはお経を読んだりしていたじゃない。」
「そうだね。でも手が震えるから墨と筆は無理だよ。」
私だって、やるとしたら筆ペンくらいですわ。
「なぞり書きの本ならいっぱい売っているわよ。」
「そうか、やってみるかな。」
と、ここで私はふと思い立ちました。
*なぞり書き百人一首
5年くらい前に、字を忘れかけているおママのために、『なぞり書き百人一首』を買ったんだっけ。おママは全くやる気を見せないので、私も無理にはさせられず、ほぼ使われないままおママの紙類に埋もれているのです。
早速、私は2階のおママが以前使っていた作業机の周辺を探してみました。
『なぞり書き百人一首』とペン習字のような本を見つけました。
「とりあえず、これでなぞり書きをしてみたらどうかしら。なぞって書くのも馬鹿にできないわよ。脳味噌にも良いと思うわ。
「あ、これ、まだ有ったんだね。」
ジジは懐かしそうに開いて、早速鉛筆でなぞり書きを始めました。
いつまで続くかわからないけど、書けば時間はつぶれるでしょう。
テレビをぼーっとみているよりは建設的です。
95歳が生きる希望を見出せる事って、
なんだろう。
ハードル高いです。
これでジジがが希望を持てることかどうかはわからないけど、今の私にはこんな事くらいしか思いつかなかったです。
それから1ヶ月半ほど経ちました。
ジジは時々取り組んでいます。なぞり書きだけでなく写し書きもしているようです。
*本日アップの貼り絵
2021年6月6日に制作された作品です。
「お題パック」を使っています。
*「お題方式の貼り絵」と「お題パック 」について
2019年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それで、あらかじめ私が「お題」と称して何種類かの紙を用意するようになりました。その他に組み合わせする紙片をおママに選んでもらってから、切り貼りを楽しんでもらう。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。
私が実家に行かない時でもおママが貼り絵に取り組みやすいように、「お題」と台紙にするハガキをチャック付きのビニール袋に入れておく。これが「お題パック」です。
しかし、2022年にはおママは一人では貼り絵ができなくなったので、この「お題パック」は終了しました。
(↓)「お題パック」です。
おママの貼り絵を見て下さり,ありがとうございます。