アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

ジジは出目金だったのか?

f:id:harienikki:20200127234902j:plain

(2019年10月4日 アルツハイマー認知症の診断から約12年10ヶ月)

 

何度も言うけど‼️

これは12月中旬のことでした。

私はジジとおママと一緒にかかりつけ医のクリニックに行きました。

毎月、ジジは血圧、おママは血圧とメマリー、アリセプトを処方してもらいます。

 

このクリニック、割と午後はそれほど混まないのですが、なにせ一年で一番、陽が短い時期。4時過ぎると夕日の色が深くなっていきました。

 

クリニックの後、すぐに薬局へ回って処方箋を渡しますが、毎回数種類のお薬を一包化してもらうので時間はかかります。

待っているより、こんな時のお楽しみはお買い物。(^O^)

 

それで駅前のスーパーに3人で行こうとしたら、なんだか外はもう薄暗い…。

側から見るとシルバーカーを押しながら前進するジジは、背中が丸くなってきたせいもあるけど、下ばっかり見て進行方向すら見ていないのではないか⁉️

明るい時間帯でもそれは危険です。ですから、暗くなったら尚の事ですよね。

 

案の定です。

シルバーカーを押すジジは相変わらず左右を見ないで交差点を渡ろうとしました。

私は少々語気荒くたしなめました。

 

「ほら、ちゃんと左右を見てよ‼️」

 

何度も言っているじゃないの‼️

その思いが根底にありました。 

f:id:harienikki:20200128001814j:plain

⬆︎ジジ愛用のシルバーカーです。

 

ジジの屁理屈

そうしたら、ジジったらこんな事を言い出しました。

「ちやんと見てるよ。私は出目金だからミギヒダリがよく見えるの‼️」

えーっ。

そんなに出目金でしたか?

 

「子供の頃に友達から出目金と言われていていたんだ。

それで、左右の視界が人より広かったんだよ。

 

出目金は視野が広い…。

金魚の出目金さんもビックリよ。

f:id:harienikki:20200128114316j:plain

要するに…、

眼球の位置が比較的に前に出ている人は、視野が広いと言いたいのでしょうか?

 

私、何を隠そう…、眼鏡の下の愛らしいお目々⁉️はどちらかと言うと出目です。

でも、緑内障で左右とも視野は平均値を下回っているのは何故?

ジジの屁理屈が正しければ、出目金の私はどうなるんでしょう?(^O^)

 

そんな屁理屈言っていないで、信号の無い交差点を渡る時は

「ほら❗️ちゃんと左右を見てよ‼️」

 

この暴論を私は絶対肯定しませんせんわよ‼️

因みに、金魚の出目金さん達は視力は弱いそうです。

やっぱり私はお仲間ね。

 

f:id:harienikki:20200128114626j:plain

アニメ『映像研には手を出すな』OP映像を描いてみたかっただけです。(^O^)

本日アップの貼り絵

 昨年10月の作品です。

坂角の手提げとティーパックの袋を使っています。

おママは最初に画面を横切る2本の線を決めていました。

細くて長いし、このパーツは新聞広告から撮ったので、薄いし柔らかいので貼り付けるのに難儀していました。

⬇︎あれこれぶつぶつ言いながら、おママは構成を思案中。

f:id:harienikki:20200127234347j:plain

⬇︎慎重に糊付中。 

f:id:harienikki:20200127234408j:plain

 

f:id:harienikki:20200127234311j:plain

 

f:id:harienikki:20200120224406j:plain

 

www.bankaku.co.jp

eizouken-anime.com

おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。

 

歌って「回想療法」

f:id:harienikki:20200124231739j:plain

(2019年7月31日  アルツハイマー認知症の診断から約12年5ヶ月)

 

あれま❗️*1

今週の月曜日、1月20日の事。

ジジとおママがのんびりとした午後のひと時。私はそろそろ夕飯の準備です。

実家に来たオネコはバラやその他の鉢植えに水を遣ったり、細かな用事を済ましておりました。

すると突然、おママの歌声が響きました。

 

「かきねの かきねの まがりかどぉ〜〜🎵

たきびだ たきびだ おちばたきぃ〜〜🎵」

 

おママ、どうした? (^◇^;)

 

台所に居た私に、ジジがのそりのそりと近づいて来て言うのです。

「おママが楽譜を見て歌ってるよ…。」

「えっ❗️」

私がリビングに戻ると、確かにジジの言う通りでした。

⬇︎こんな感じです。

f:id:harienikki:20200124231801j:plain

「 この楽譜が印刷されたプリントは何かしらね。」

どうやら認知症専門のデイサービスで使ったもののようです。

ジジはおママが楽譜の音符を見て歌っていると驚いたようですが、

おママは童謡「たきび」のメロディを記憶していたのでしょう。平仮名で書かれている歌詞を読んでいるのだと思います。

「ねぇ、歌いましょうよ。」

おママは楽しそうに誘ってくれますが、私は音痴なんです。

オネコお願いしますわ。

 

やはり親子ですね。声のトーンが似ているのかしら。

オネコとおママの声は良いハーモニーになっていました。唱和しているのを聴いていると、私もとても和みました。

 

後でデイサービスの連絡ファイルを開いてみると、やはり前回の時に『たきび』を歌ったそうです。そしてこの童謡を元に「回想療法」をしたそうです…。

 

f:id:harienikki:20200125042035j:plain

実際は普段着で歌っていました。(^O^)

回想療法とは

子どもの頃に慣れ親しんでいた暮らしや遊び、若いころに流行していた物、映画、音楽などを思い出し回想する療法です。

過去を思い出しやすくするための道具(玩具や生活品、写真、音楽のCD、昔の映像など)を用意し、聞き手は必要に応じて問いかけをしながら、思い出話に耳を傾けます。

効果としては、回想することで自分の人生の価値を再発見したり、当時の記憶がよみがえって脳の活性化が期待できます。「話す」「聞く」「コミュニケーションをとる」という行為が記憶を維持し、認知症の進行を遅らせる例もあるようです。

結果的に孤独感や不安を減少させ、意欲を高める事ができるとされています。

 

おママは通所している方々やスタッフさん達と「たきび」を歌い、どんなことを回想したのかしら?

子供の頃のことかしら?

お母さんやお兄ちゃんもおママの回想の中に出てきたかしら?

 

そう言えば、おママが自分が何者で何故此処にいるのか分からなくなって動揺した時、私はお母さん(私の祖母)の写真を見せて話しかけた事がありました。おママはその写真を手掛かりとして、少し当時の記憶を掘り起こす事が出来ました。

それも一種の「回想療法」なのかもしれませんね…。

harienikki.hatenablog.com

 ⬇︎参考にさせて頂きました。

www.ninchisho-forum.com

www.my-kaigo.com

 

少し「回想療法」に興味が湧いたので、この本をamazonでポチッとしてしまいました。⬇︎

読んでみようと思います。

 

題名 なぜ、「回想療法」が認知症に効くのか(祥伝社新書)

著者 小山敬子

出版社 祥伝社

www.s-book.net

 

 ⬇︎過去記事です。

おママは割と歌が好きです。

harienikki.hatenablog.com

harienikki.hatenablog.com

 

本日アップの貼り絵

制作されたのは昨年の夏です。

色や雰囲気から秋向きかなぁと思いながらアップせずに埋れていました。

どことなく、おママの歌う『たきび』のイメージかな? 

それで選んでみました。(^O^)

 

おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。

*1:o(^∇^)o

ルノワール切断事件 m(_ _)m 連作の楽しさ

f:id:harienikki:20200122225415j:plain

(2019年12月2日 アルツハイマー認知症の診断から約12年10ヶ月)

 

月が変わると…

1ヶ月終わって月が変わると、まず何をしますか?

私はカレンダーをピリッとめくります。

実家のダイニングに掛けているのは、毎年電気屋さんから頂くカレンダーです。

大抵、西洋絵画の写真なので、綺麗だし格調高くて数字も大きいし、とても良いカレンダーだと思います。

おママは捨てられない世代の人なので、綺麗なカレンダーは取って置く主義の人でした。

私は情け容赦なく、捨てられるし、割れ物を処分する時に包んだりします。

 

時には下記の過去記事のようにジグゾーパズルを手作りして遊んだりもしますが、

上手くいかない事も多々あります。結局切断した西洋絵画の写真は貼り絵のパーツになってしまいました。⬇︎

harienikki.hatenablog.com

 

昨年11月のカレンダー

師走に入って最初に実家へ行った12月2日。ダイニングのカレンダーはまだ11月のままでした。

それをピリッとめくった私は、かねてより胸に秘めていた計画を実行に移しました。

1ヶ月間このルノワールの『花瓶の菊』を眺めながら、

(小菊が溢れんばかりに生けられていて綺麗だわ。まるで花の模様みたい。ジグゾーパズルか貼り絵に使えないかしらね)

と思っていたのです。

⬇︎これ。

f:id:harienikki:20191230222527j:plain

ハサミを入れようとした時、私はある事に気がつきました。

(お花の部分はどのピースも似たような柄になってしまって、パズルだったら変化がなくて、おママには難しいかも。)

それで、急遽直線的に切り分けて貼り絵に使い易い大きさにしようと思ったのです。
 

私がハサミと紙を持っていると、おママは「なになに?それをどうするの」とにじり寄ってきました。そして一緒に切ってみました。

⬇︎これは一部です。

f:id:harienikki:20191230222550j:plain

オーギュスト・ルノワール様、

本当にごめんなさい。貴方の絵の写真をバラバラに切断して…。

ただ、コラージュをしてみようとしただけなんです…。m(_ _)m

 

この写真、過去記事にも登場しています。(^O^)

それは⬇︎こちら。

2019年12月版の『今月のイチ押し』の貼り絵は、12月2日に制作された連作の名残を使った作品だったのです。

harienikki.hatenablog.com

 

 興に乗ずる。

最近のおママは症状が進んで、自分が貼り絵を続けている事を普段は忘れています。

作業机に向かった時、貼り絵を収納しているファイルを開いた時、

おママは天啓に打たれるように思い出すのではないか?

私はそう想像しております。

 

そのため、この時も初めは

「これをどうするの? 貼り絵に使うって? なにそれ…。」

なんて言っていました。

 

貼り絵の台紙にしている越前和紙の葉書を机の上に出して、その白い葉書の上に切り分けたパーツを乗せてみると、なんと映える事でしょう❗️

急におママは興に乗ったのか、次々と連作を仕上げていきました。

その数、5枚。(^O^)

1番上の作品は、5連作の最後、5作目に当たります。

 

連作の順に見てみると…。

最近は寒いので、暖房がよく効くダイニングテーブルで制作をしています。

 

⬇︎この写真は最初の1作目の構成を考えているところです。ところが5作目の一部分も隣に見えていますね。

f:id:harienikki:20200122225617j:plain

 

①1作目

f:id:harienikki:20200122225656j:plain

 写真を撮ったり、切り屑を片付けている私に

「こうしても良い?」とか「どうしたら良いの?」と聞くたびに、

「ああ、それで良いんじゃない」と私に軽く言われながら仕上げた貼り絵です。

どうも調子が戻ってこないようなので、糊付けの時はずれないように抑えるなど、少々手伝いました。

 

②2作目

f:id:harienikki:20200122225739j:plain

 中央に大きめの四角を配置したおママ。その角を落として柔らかい形にしたのはおママです。こういう場合、中央を先に糊付けした方が周辺のパーツの配置を考える上でも良いと思い、

「まず、真ん中の四角を貼ってしまったら?それが中央にきちんと収まると周りがやり易くなるわよ」

などと私が口を出しているのを聞きつけたオネコは苦言を呈しました。

「好きにやらして上げなさいよ。」

いえいえ、助言をしただけですけど…。

でも、少しは反省して、私はこの日はそれ以後、おママの作業を放置しました。

周辺の三角形の色合いや四隅の正方形の配置など、おママはかなり考えているのだと思いました。

 

③3作目

f:id:harienikki:20200122225811j:plain

 切れ端や余った部分を並べただけのようですが、遊び心が踊っているような、リズムを感じます。私が気がついた時には糊付けも終わっていました。

 

④4作目

f:id:harienikki:20200122225848j:plain

 ⬆︎4作目を制作中の写真。

f:id:harienikki:20200122225915j:plain

 たくさん切った正方形のパーツだけで構成した貼り絵です。

配置を考えていた時は見事なシンメトリーでしたが、糊付けの時に位置が微妙に崩れてしまいました。でも、それほど強烈な破綻はないようです。

ブツブツ言いながら、色合わせを考えていたようです。

おママ流石でした。

 

⑤5作目

本日トップにご紹介した貼り絵です。

私が台所で夕ご飯の支度をしている間に、おママは中央の風車?と両脇の三角と正方形を配置して糊付けしていました。

「これで良い事にするわ。」

とおママは笑顔で私に宣言しました。

「素敵ですよ。裏に日付を書いてファイルにしまいましょう。」

私はそう答え、ボールペンや貼り絵を収納しているファイルを取りに行って戻ると、

おママは再びこの貼り絵に向き合っていました。

そして、小さな5つのパーツ(8角形と円形もどき)を、おママはほとんど迷う事なく決めて貼り付けたのです。

 

5枚目ともなると、昔からの勘が蘇ってくるのでしょう。自信を持ってデザインを決めているおママの姿に、私はたくましさを感じました。

 

ここ数ヶ月、「お題方式の貼り絵」が増えましたが、おママは1つのお題で何作か制作する事がよくあります。

そして、決まって最初の作品より後の作品の方が楽しげで、おママの遊び心が溢れているような気がします。

認知症歴12年。本当に一時的ではありますが、それでも、おママはやっているうちにデザイン感覚や勘を取り戻す事ができるような気がしました。

 

(注)「お題方式の貼り絵」とは

昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それが出来ない時の方が多いのです。

それで、あらかじめ私が作業机に何種類かの紙や切れ端を出して置き、まるでおママが貼り絵をやり掛けていたと思えるようにお膳立てをする事が増えました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございました。

林檎レッスン・2020

f:id:harienikki:20200120224244j:plain

(2019年10月11日 アルツハイマー認知症の診断から約12年8ヶ月)

 

 「果物レッスン」とは

毎年、毎度お馴染みの話題でございます。

当ブログは丸3年分の記事があるので、同じテーマを毎年設けても、それなりのおママの変化がみられます。私には一種の記録でもあるので、性懲りもなく「◯◯レッスン」の記事を書いてしまうんですわ。

 

わたくし、季節毎におママに果物の皮剥きというお仕事を課しております。

こう言いますと、ちょっとした教育ママのようですね。(^◇^;)

でも、私が台所仕事をしていると、おママは興味津々に張り付いてくるのです。

何かやってもらったほうが、おママも嬉しいようですしね。(^O^)

昨年はリンゴの季節が終わったら、清美オレンジ。

その後はキウイ、梨、柿と旬の果物におママは取り組んで参りました。

 

えっ?

「旬な果物にメロンが入ってない? 巨峰などのブドウは? スイカは?」

なんてお声があるかもしれません。そこはお察しの通りでございます。

お値段、切って剥く作業があるかが判断基準です。

簡単なバナナは対象では御座いませぬ。

高価な果物は有り得ませぬ。キッパリ‼️断言。

 

今シーズン、特筆すべき事 (°_°)

基本的に、この1年も定期的に果物の皮を剥くという作業を続けてきたので、

多少皮を厚く剥くようにはなりましたが、おママは上手にこの作業ができました。

 

長年、剥いた林檎を塩水に浸けるのを好まなかったおママ。

昨年はこの工程を躊躇っていましたが、今シーズンは、私が言えば何の疑問も持たずに従ってくれました。

身体に染み付いた習慣や好みが少し薄れてきたように思います。

これは症状が進んでいる証なのでしょう。この作業に関してだけ、それを私は逆手にとって「しめしめ…」と思っているのですから、御都合主義な酷い娘ですね…。(๑˃̵ᴗ˂̵)

 

 

そして、これは頭の痛い事ですが…。

今シーズンのおママは鎮護の中心部に入っている「蜜」の部分を傷んでいると思ってザックリ芯と共に取り除いてしまうのです。

「あーーーーっ❗️お母さん。そこ、1番美味しいところよ。蜜が寄って甘いのよ。」

「えーーっ⁉️どうして、色が変わっているわよ。」

「だから…、美味しい証拠で…。お願いだから芯は小さめに取ってよ。」

「芯? なにそれ?」

「お母さん❗️だめーー。」

 

毎度繰り返される不毛な会話。しまいにおママは少し御機嫌斜めになります。

「わたしはね、ずっとこうしてきたのよ‼️」

 

 

いえ…、いえいえ…。

おママよ。昔、私が少女だった頃、言っていましたよね。

「皮はなるべく薄く剥いたほうがいいわよ。せっかくの蜜を捨てたらもったいないから、芯はなるべく小さく取るのよ。」

今は立場が逆転ですね。

 

しかし、年が明けてから、私もちょっとくたびれてきました。

もういいですよ。おママ、好きなように切って剥いてください。

思ったように芯を大きく取っても良いから…。

作業に取り組んでいる時の楽しそうな表情、

終わった後の充実の笑顔の方が大事だものね。

 

今年も「果物レッスン」は続けます❗️

 

f:id:harienikki:20200120230511j:plain

⬆︎「あーーっ❗️芯と共に「蜜」が全部取られてるよーー。」(°_°)

f:id:harienikki:20200120230538j:plain

おママは真剣に取り組んでおりました。

f:id:harienikki:20200121044118j:plain

「芯を小さめに取るように」と教えてくれたのはおママよ。

 

⬇︎2019年、柿の皮剥き。

harienikki.hatenablog.com

 

2018〜2019年シーズンの林檎レッスン⬇︎

次のシーズンは、もうおママは林檎の皮剥きはできないかな?と不安がっていましたが、2019〜2020年シーズンも出来て良かった❗️

harienikki.hatenablog.com

 2017〜2018年シーズンの林檎レッスン⬇︎

harienikki.hatenablog.com

harienikki.hatenablog.com

 

本日アップの貼り絵

果物を切ったり剥いたりするイメージに合うかしら?

そう思って選びました。

おママが使った主な紙は下記です。

⬇︎コム・デ・ギャルソンの広告

f:id:harienikki:20200120224325j:plain

 

f:id:harienikki:20200120224347j:plain

 ⬇︎毎度お馴染みの紅茶ティーパックの袋

f:id:harienikki:20200120224406j:plain

⬇︎日本橋にある小津和紙で購入した千代紙。 

f:id:harienikki:20191217012556j:plain

 

⬇︎お仲間です。

harienikki.hatenablog.com

 

www.comme-des-garcons.com

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

2人の姿

f:id:harienikki:20200117135817j:plain

(2019年11月24日 アルツハイマー認知症の診断から約12年9ヶ月)

 

共に歩いた

一昨年の冬くらいまで、ジジとおママは買い物に出掛けるのを日課にしていました。

それはおママが認知症と診断されてからだと思います。

 

それから10年。ジジは89歳まで保険関係の仕事を在宅でしていました。

日々、仕事が一段落したり、時間に余裕がある時を見計らって、おママと駅前のスーパーまで行くのです。それはジジにとって運動だし、おママには楽しいお散歩だったでしょう。

 

ひとつの土地に何十年も暮らし、子育てもしますと、自然と知り合いもできました。商店街には私やオネコのお友達の実家もあります。

「時々、チャーコのご両親が2人で歩いているのを見て、今日もお元気でよかったと思っているの」

数年前に小学校の同窓会があり、友人にそう言われたことがあります。

 

やがて、ジジとおママの2人はデイサービスに通うようになり、毎日は買い物に行かれなくなりました。

そして、ジジは足腰が弱くなり、シルバーカーが無いと外を歩けなくなりました。

 

それでも、週に1度か2度は2人で共に歩いていました。

「最近、チャーコのご両親をあまりお見かけしないんだけど…、お元気?」

昨年はコンビニでアルバイトをしている友人から心配そうに聞かれました。

「デイサービスに行くようになったしね…。」

「おうちでお元気なら良かったわ。」

この時は、親の衰えを客観的に突きつけられて、胸にちくんと小さな痛みを覚えました。でも、2人が共に歩く姿を温かい眼差しで見つめて下さっている人が何人かいる…。

それはとてもありがたいことです。

 

ジジ、肝を冷やした大晦日

昨年の大晦日

私の実家通いはお休みとなり、デイサービスもない。

それで、ジジはおママと2人で駅前のスーパーまで買い物の行きました。

 

ジジはシルバーカーを押していました。これを使うと、ジジはどうしても後ろや横への注意が散漫になる傾向があります。しかも耳は遠い。

 

スーパーの前まではおママが一緒だと確認していたそうです。しかし、入口周辺に積まれていた特売の菓子を見ていたほんの僅かな間に、おママの姿を見失ってしまいました。

 

認知症の家族がいない❗️

これは家族にとってはまさに恐怖‼️

 

ジジは肝を冷やして頭が真っ白になったそうです。

(このほんのちょっとの間で、おママはどこに行ったのか?)

(スーパーの中に1人で入ったか? 

それは、あり得るが…。なら、そうと仮定して…。

スムーズに動けない自分がスーパーに入って中を探しているうちに、入れ違いでおママが外に出てしまったら、もっと状況は悪くなりそうだ。1人で中にいるなら、いづれは出てくるか店員に保護されるかも。

それなら、しばらくスーパーの入口に立って、待ってみようか…。)

 

待つこと15分から20分。

だんだん焦りを感じ始めていたジジの視界におママの姿が見えました。

 

なんと、私の同級生で近所に住むT君のお母様と、スーパーの外を一緒に歩いているではありませんか⁉️

T君のお母様もジジに気が付いて、おママを連れてきてくれました。

どうやらおママはジジが目を離した隙に1人で外に出て行ったらしい…。

T君のお母様は偶然通りかかり、

「いつも、お二人で歩いていらしたから、あれ?お一人だわ、どうしたのかなと思って…」

それでおママを捕まえていて下さったのです。

ジジはT君のお母様にお礼を言って別れたそうです。

 

年が明けて、私はこの話を聞きました。

本当に有り難くて、目頭が熱くなりました。

T君とは前述の同窓会で会ってから、殆ど交流はありません。その時、おママが認知症であることを話したかどうかの記憶すらありません。

「私達が思っているより、ジジとおママが2人で歩く姿を目にして気に留めてくれていた人は多かったのかも…。」

 

今後は…

それからジジとオネコと3人で話し合いました。

残念ですが、今後はあまり2人だけで買い物に出るのは控える事にしましょう。

 

今回は幸運だったと思います。

でも、同じようなことがあったら、今のジジには走り回っておママを探す事はできません。

やはり、誰かがついて行くか、完全に私やオネコが買い物を代行するかだと思います。

長年、連れ立って買い物をしていた2人の姿が見えなくなるんですね。

 

「『最近お父さんとお母さんをお見かけしないけど…』って聞かれる事が何度かあるかもね…。」

 

やめる事が増えていくのは悲しい事です。

でも、現実は受け止めなければなりません。

 

私が実家へ行った時は、天気と体調が許せば、なるべく3人で一緒に買い物に行くかな…。

 

 本日アップの貼り絵

不思議な造形。

時計のような、花の植えられた鉢のような?

決して美しい訳ではないと思います。でも私には思いもよらぬ構成で面白い。

そう感じるには私だけかも知れませんが…。

 

 中央の黄色の円形に文字が書かれています。これはマクドナルドのチキンクリスプの包み紙から切り抜かれています。左右に配置された黄色と緑の弧もそうです。

 

直にチキンクリスプが包まれていたので油汚れやソースで汚れていたんですよ。

しかし、ママは包み紙を丁寧に広げてティッシュペーパーで汚れを拭き取っていました。

「汚れているしさ、貼り絵に使うのは止めようよ。 」

「貼り絵?なにそれ?私、そんなのやってないわよ。」

マクドナルドのハンバーガーを食べた後、おママと私はいつもそんな不毛な会話を繰り返しております。

この貼り絵は私の見ていない時に制作された作品です。

認知症のおママは記憶がないので、そんな意図はさらさらないでしょう。

でもね、私は「鬼の居ぬ間の洗濯」をやられた気がして複雑な心境です。(^O^)

 

 実はこの作品はリバーシブル。

裏面に⬇︎この貼り絵がされていました。

f:id:harienikki:20200104224939j:plain

 

harienikki.hatenablog.com

  おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。

行方知れずの

f:id:harienikki:20200115230656j:plain

(2019年11月27日 アルツハイマー認知症の診断から約12年9ヶ月)

 

ひょっこりひょうたん島か⁉️(年代が分かるほど古い!)

わたくし…。所用あって今週の月曜日は実家通いをお休みしました。

つまり、11日土曜日から14日火曜日の丸4日実家に行かなかったのです。

最近のおママの様子を考えれば、自発的に貼り絵に取り組んでいるとは思えません。

まぁ、ハサミはきっと使えるだろう。まずは、何か紙を一緒に切り抜いて遊ぶことから始めて、感覚を取り戻してもらうかな?)

私はそんなこんなを思い巡らしながら、15日水曜日に実家へ行きました。

 

ところが…、4日間の内、おママは意外にも2日は自発的に貼り絵に取り組んでいたのです。

私は感心しながら貼り絵のファイルを眺めていていました。

そして一枚の貼り絵に目が釘付けになりました。

「あれっ⁉️」

これはと思いその貼り絵をファイルから取り出して裏面に書かれた日付けを見ますと

「2019,11,27」

と記載されていました。

(今は1月…。これは11月…。)

「あーーーっ❗️ひょっこり出てきたーーー❗️」

 

2019年11月27日夕刻、

出来上がったばかりの1枚の貼り絵が忽然と消え、行方不明になったのです。

ジジと私が探して探したのに、出てこなかった貼り絵。

その作品がどこからともなく現れて、ファイルに入っていたのです。

入れたのは、おママ。

どこから見つけたのよ、おママ。

それが本日ご紹介する貼り絵です。(^O^)

 

f:id:harienikki:20200116104115j:plain

 

本日アップの貼り絵

 「お題方式の貼り絵」でした。それはこちら⬇︎

f:id:harienikki:20200115230842j:plain

 かつておママが切り抜いて使わなかった物の中から選んで、私は作業机の上に並べました。鶴と招き猫のパーツは以前いただいた年賀状に印刷されていたイラストです。

絵皿は広告写真から切り抜いた物でしょう。

(時期的に年賀状向きな貼り絵をこしらえてくれると嬉しいなぁ。)

私にはそんな下心がありました。(^◇^;)

 

おママは直ぐに興味を持って貼り絵に取り組んでくれました。

(しめしめ…。)

f:id:harienikki:20200115230910j:plain

30分くらいでおママは完成させて、ダイニングでテレビを見ていたジジに見せていました。

実は私はこの時、夕飯の支度をしていて完成作品を見てはいなかったのです。

それが一段落して、貼り絵を見ようとファイルを開きましたが、私は該当する作品を見つけられませんでした。

「ねぇ、さっきお母さんが作った貼り絵はどこに行ったの?」

「えっ?」

 

以下はジジの証言によります。

おママは貼り絵を見せに来たので、 ジジはとても褒めたそうです。

貼り絵のファイルに入れるように勧めたら、どうもおママはファイルがよく分からなかったらしい。毎日のように開いているのに…。

「後で入れればいいわね。」

おママはそう言いながら、この貼り絵を何処かへやってしまったそうな…。

 

まぁ、「年賀状向きな」なんて私が姑息な事を考えてお題を出したのですが、

発見されたのは1月15日。

おママは私の思い通りになってならないのですね。(^◇^;)

それでも、見つかってよかったです。

私にもジジにも知られず出来上がって、人知れず行方知れずになっている…。

そんな貼り絵が実家のどこかに眠っているのかも知れません。

(^O^)

 

因みに、この行方不明事件にせいもあり、私はすっかり年賀状をサボってしまいました。m(_ _)m

 

「お題方式の貼り絵」とは

昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それが出来ない時の方が多いのです。

それで、あらかじめ私が作業机に何種類かの紙や切れ端を出して置き、まるでおママが貼り絵をやり掛けていたと思えるようにお膳立てをする事が増えました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。

 

おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。

『認知症の第一人者が認知症になった』を見て…。(NHKドキュメンタリー)

f:id:harienikki:20200113223806j:plain

(2019年10月30日 アルツハイマー認知症の診断から約12年8ヶ月)

 

誰でもなる可能性がある

自分は認知症にはならない。

そう思っていらっしゃる方も、きっといるでしょう。

私はおママに接していて、自分も認知症になるだろうと予感しています。

発症前の頭の良し悪しは関係ないし、

手を使う趣味を持って活きいき活動して、読書を愛し古典講読に参加し、家族や友人に囲まれていてもなるのです。

おママは認知症歴12年。

発症前のおママと同じように、クレバア(チャーコの義母)は読書好きです。しかしこれといって趣味もなく、友人は少なくて家に篭りがち。それでも頭はキレッキレなのです。

誰がなるかどうかなんて、

「分かんないなぁ〜。」

というのが私の心境です。

高名な小説家だって認知症になるようだし、ましてや、認知症を長年研究してきた方でも認知症になる…。

 

1月11日土曜日にNHKスペシャルで、このドキュメンタリーが放送されました。

私は番組自体を把握していなかったので、録画もできませんでした。

でも、見て良かったかなとは思います。1月16日(木)午前0時55分~1時44分(15日深夜)に再放送があります。ご興味のある方は是非!

www6.nhk.or.jp

 

 認知症の自覚がある…。

おママは恐らく自分が認知症である事を理解していないと思います。

診断が下った12年前でも、一定の時間が経過すると、おママの記憶はコロッと消滅していました。だから、私は自分が認知症であることを深く理解している認知症患者というのがピンとこないのです。

 

しかし、長谷川先生はご自分が研究してきた認知症に自分がなった事を早期の段階で深く自覚なさったのですね…。

自分が認知症であると自覚を持って生きるのも、かなり辛いことだと思います。

 

認知症の自覚があって、日々進行していく我が身の状態と向き合う。

全く認知症の自覚はないが、出来ることが少なくなり、なぜ分からない事ばかりになるのか理解できないまま暮らしていく。

自分だったら、これって、どちらがまだマシだろう。

どっちもどっちか…。

 

 ⬇︎この記事を読み返すと、診断から間もない頃のおママは、短期間なら自覚が続いていたようです。

忘れる→また現実を突きつけらる→忘れる→また現実を突きつけられる

このループの中でこの頃は辛かっただろうなぁ。

harienikki.hatenablog.com

 

心に残った言葉

認知症研究の第一人者が認知症になって語る心境。これは興味あります。

でも、人は千差万別。必ずしも長谷川先生の言葉がおママに当てはまるとも限りません。でも、とても心に残った言葉があるので、書き留めておこうと思います。

 

「確かさがあやふやになる」

なんと的を射た言葉でしょう。

恐らくおママが感じてきた不安感の元はこれに違いないと思いました。

だんだん時間や、季節もよく分からなくなる。

しまいには身近な家族もよく分からなくて、しょっちゅう現れるオバサン達が娘とも知らず、老いた夫を時として自分の父か?「家にいるお爺さん」としか認識していない。

ここが自分の家かと自問自答しようとすれば、本当のところ自信がない。

確かなものは、段々おママの中では失われてしまったのでしょう。

「確かさがあやふやになる」おママはずっとこの不安と共に暮らしてきたのかも知れない。

 

 ⬇︎診断から11年も経った「確かさがあやふやになる」事例。本人も諦観を滲ませておりました。

harienikki.hatenablog.com

 

 

「医者の時はデイサービスに行ったらどうですかとしかいえなかった。」

介護する家族の負担軽減のためにデイサービスを推進してきた御本人が、実際デイサービスがつまらないと感じた時の言葉。

「何がしたいですか?と聞くことから始めて欲しい。」

なるほど…。つまらないのですか…。人によったらそうかも知れません。

もしかしたら多くの高齢者は家族のためにガマンして行っているのかも。

でも、そうでない方々もいると思いますわ。

現におママはわりと喜んで行ってます。と思います…。確信は無いが…。

何より私は長谷川先生に言いたいです。

デイサービスで救われている家庭は多いです❗️

 

 

「死にたくなった」

おママも言ったことがあります。

⬇︎この時の事…。

harienikki.hatenablog.com

 

 

ショートステイにて、

「我慢。早く帰りたい。自分の戦場に戻りたい。戻って戦場で戦いたい。」

戦場とは御自宅の書斎だそうです。長年、その書斎で論文を書いてきた仕事場なのですね。

自分の場所で、自分のやる事をやっていきたい。

これは誰しもそう思っている事だと思います。

今考えれば…この12年、もうすぐ診断が降ってからおママは13年になりますが、

おママに貼り絵があって良かったと思います

 

 

「ひとつひとつの事に笑っていくことが大切だと思います。」

本当それ❗️笑顔が大事❗️

誰しもそうですよね。おママは笑えているかな…。

ちょっと考えてしまいましたが、なんかこの言葉が嬉しかったです。

 

 

 本日アップの貼り絵

「お題方式の貼り絵」です。

お題はこちら⬇︎

f:id:harienikki:20200113224007j:plain

 

久しぶりにキラキラ光る紙を見つけて、おママは直ぐに作業机に向かいました。 

f:id:harienikki:20200113224101j:plain

 

見る角度を変えると、キラキラ‼️

f:id:harienikki:20200113224157j:plain

 

「お題方式の貼り絵」とは

昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それが出来ない時の方が多いのです。

それで、あらかじめ私が作業机に何種類かの紙や切れ端を出して置き、まるでおママが貼り絵をやり掛けていたと思えるようにお膳立てをする事が増えました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。

 


ママの貼り絵を見てくださり、ありがとう御座います。