アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

高齢親に訪問客問題

(2020年11月29日 アルツハイマー認知症の診断から約年9ヶ月)

(2020年11月29日 アルツハイマー認知症の診断から約13年9ヶ月)

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急な話で悩んだ

先週に木曜日に午前中に自宅で和んでいると、突然、損保代理店時代の後輩から電話がかかってきました。

彼女はジジが担当していた保険を引き継いてくれています。

「お客様のF様からお電話をいただいたのです。F様は田中さん(ジジ)からのお歳暮が届いたので(チャーコの実家に)お電話したら、どなたも出ないので心配になり、私のところに掛けていらっしゃいました。『できれば田中さんに会いたいので、明日にでも訪問したい』との事なので,チャーコさんから今すぐにF様にお電話をして頂きたいです…。」

あらあら。

Fさんはジジと長いお付き合いのある方です。

最初の出会いは昭和20年代後半にまで遡ります。

ジジがが商社に勤め始めた若い頃、一時は部下だったらしい。その後、Fさんが独立してからも、ずっと仕事上の付き合いがありました。しかもプライベートでは長年ゴルフ友達でした。ジジが定年退職した後の損保代理店時代はご契約をくださったお客様でもありました。

Fさんは長いお付き合いの中で、過去に何度か奥様を連れていらっしゃった事もあります。

浅からぬご縁のある方、無碍にも出来ません。はてさて、どうしたものか…。

ただ、ジジはすっかり腰も曲がり、室内も歩行器がないと歩けない状態です。

しかも、最近は物忘れも多い。Fさんの事は分かると思うけど、耳の聞こえも悪いから、会話になるかどうかもわかりません。

チャーコは考えた

親しい親族(ジジにとっては妹や孫たち)の訪問なら,私は突然でも会ってもらった方が良いと思っています。たとえジジが寝たきりになっても、認知症が重くなってもです。

でも、他所の方の場合はどうでしょう。

取り敢えず、受け入れ側の事情を整理してみましょう。

 

①まず、本人が会いたいかどうかが問題です。

人によっては、老いさらばえた姿を友人に見せたくないと思うかもしれません。

また、懐かしい人に会っておきたいと考える人もいるでしょう。

後輩から電話をもらったその時点で、ジジはデイサービスに行っているからすぐには確認が取れません。それに、ジジに話したところで、すぐに忘却の彼方です。

恐らく、ジジの性格なら後者ではないかと思いました。

 

②お互い気持ちよく面会できる状態か?

まず、ジジが一人の時は無理なので、私かオネコが実家にいる時でないと無理でしょう。

部屋が散らかっているから少しは整えたいが、その時間は確保できるか?

まぁ,なんとか10分くらいで片付けられるでしょう。

お茶とお茶菓子くらいは用意できるかな…。

ジジはまだ寝たきりにはなっていないので、ソファで座った状態で短時間の会話ならできる状態です。

そう考えたら、もしかしたら、本人もFさんも気持ちよく面会できるのは今のうちかも知れません。この先,ジジが本格的に認知症になって症状が進んだら、難しくなりそうです。

 

そこまで,考えた上で、私はFさんにお電話をしました。

Fさんはやはりジジに会いたいと仰いました。

「私も80を過ぎていますし、お互い会える時に会っておかないと、この先どうなるかわかりません。」

浅からぬご縁です。そりゃあ、そうでしょう。ジジはもうすぐ96歳ですから。

 

私は基本的には、会うなら生きている間にと思っています。

会えないまま、死んでからお葬式でと言うのでは、しょうがない。

 

私は腹を括って、きちんとFさんにお伝えしました。

「恐らく、Fさんがご存知の父と比べて、現在は腰も曲がってかなり老いてしまっております。もしかしたら驚かれるかも知れません。耳の聞こえが悪くなっているので、会話がスムーズにいかない場合もあります。ただ、まだ座った状態でお目にかかれるので、よろしければ,どうぞいらして下さい。

でも、一人の時は無理なので,私が実家にいる時にいらして下さい。お車でいらっしゃると思うのですが、路上駐車になりますので、長い時間は停められませが…。」

Fさんは二つ返事でした。

翌日は私も実家へ行っているので、昼過ぎにお約束をしました。

ジジには夕食時にオネコから「明日Fさんが見えるよ」と伝えてもらいました。

 

結果として

今回は来て頂いて良かったと思います。

Fさんが実家にいらしたのは30分足らずでしたが、ジジもとても喜んでいました。

84歳と95歳。お互い元気な笑顔で対面出来たのは何よりだったと思います。

ご家族の近況や、二人で昔話に花を咲かせていました。

「実はここ数年,友人に会いたいと思って電話したら、『もうボケてどうしようもないから』って、ご家族から来ないでと言われることが多いんですよ。」

Fさんがそう仰っていました。

そうですよね。そこは御家族の判断に任せるしかないでしょう。

実際、ジジだって、現状より状態が悪くなれば、お断りする可能性は高いです。

Fさんのスマホと私のスマホで、私が笑顔のツーショット記念写真を撮りました。

「この写真を見せたら、きっと家内も安心して喜ぶよ。」

笑顔でお帰りになりました。

ジジが少しでも長く現状を維持できますように。

そして、Fさんご夫妻がずっとお元気で、いらっしゃいますように❗️(๑˃̵ᴗ˂̵)/

本日アップの貼り絵

2020年11月29日に制作された貼り絵です。今から3年前の連作です。

最近、おママの過去の貼り絵や写真データを見直していて、

(なぜ私はこれらの貼り絵をブログ載せていなかったのだろうか?)

と思う事があります。この連作もそうです。綺麗な作品なのにね…。

恐らく、制作途中の写真も動画もなかったからでしょう。おママがこの連作をした日は日曜日で、私が実家にいなかった日でした。

当時、おママが何もする事がなくて退屈している時、ジジは私が用意しておいた「お題パック」を差し出して、おママに貼り絵を勧めました。

まだ、おママは独りで制作できた自分の作品です。

(↓)お題パックはこちらでした。

おママのお気に入りを詰め込んだ「お題パック」でした。

伊勢の「絲印煎餅」の包装紙以外は全て小津和紙で購入した和紙です。

*「お題方式の貼り絵」と「お題パック 」について

2019の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それで、あらかじめ私が「お題」と称して何種類かの紙を用意することが多くなりました。その他に組み合わせする紙片をおママに選んでもらってから、切り貼りを楽しんでもらうようになりました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。

 私が実家に行かない時でもおママが貼り絵に取り組みやすいように、「お題」と台紙にするハガキをチャック付きのビニール袋に入れておく。これが「お題パック」です。

招き猫は小津和紙で購入した友禅紙です。おママはこのネコちゃんが可愛く思ったのでしょう。よく貼り絵に登場していました。

 

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(↓)お伊勢様参拝のお土産に買っています。軽い食感で控えめな甘さに上品なお菓子です。播田屋さんの「絲印煎餅」

https://haritaya.sakura.ne.jp/

おママの貼り絵を見て下さり,有難うございます。