アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

月末企画❗️今月のイチ押しリターンズ(2018年9月版)幻の女

(2018年9月17日アルツハイマー認知症の診断から約11年7ヶ月)

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「今月のイチ押し❗️リターンズ❗️」とは

昨年の1月におママが特別養護老人ホームに入所したので、もう、新しい貼り絵作品は出来ません。(面会時にシール遊びはしますが…)

一昨年まで、「月末企画❗️今月のイチ押し❗️」は当ブログの月末恒例行事でした。

オネコと私は「イチ押しミーティング」をして、特に印象に残る作品を選んできました。

それはすぐに意見が一致することもありましたが、紛糾する(大袈裟です)こともしばしば…。

しかし、それも出来なくなりました。寂しいものです。

「今月のイチ押し」は今見ても素敵な作品が多いです。当時を思い出して、今、感じることもあります。

そこで考えたのが「リターンズ❗️」。

6年間72枚の中から、私が特に好きな作品を再びご紹介する企画です。

(↓)先月の「イチ押しリターンズ❗️」です。

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幻想的で謎めいた作品

シンメトリーを好んだおママとしては、珍しい作品でした。

この作品を初めて目にした時、中央の赤いピースに不穏さを感じたし,左上のピースに女性の口元だけが使われていたのにも驚きました。

しかし、当時認知症歴11年のおママには、それが人面の一部という認識はなかったと思います。

恐らく広告写真の裏表の写真を混ぜて利用したと思われる作品です。

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(↓)最初はこのような構成だったのですが、私が帰宅してから大転換が図られたのでしょう。白と黒の市松模様に深い赤はとても映えます。

作品としての面白さや斬新さを考えると、おママの大転換は功を奏していますね。

「詩もどき」について

恥ずかしながら、私自身の「詩もどき」を初めて載せた記事でもありました。

「詩もどき」というのは、私はあまり現代詩というものが理解できないからです。

この作品の赤と唇と、市松模様が船のように見えたので、自然と言葉が浮かんできました。それを並べたて書いてみただけの「詩もどき」です。

「幻の女」

沈みゆく太陽をその唇に差し、

あなたは微笑んだ。そして吐息交じりに囁くのだ。

これはうたかたの恋。すぐに消えてしまうわ。

あなたは赤い唇を噛んだ。そして幻の船を漕ぎだすのだ。

この記事をアップした当時、ジジに大変褒められました。

「やはり,血は争えない。もっとチャーコさんは詩を書いたら良い。」

とは言え、私自身は詩がよく分からないのです。たまたま、おママの作品にインスパイアされたからであって、普段は全く言葉も浮かびません。

ジジが言う「血は争えない」と言うのは、祖父の事です。ジジのお父さんですね。

祖父は祖母と結婚する前は、西条八十門下の詩人だったらしい。

宮城県の大地主の息子で、早稲田の仏文科卒で、農林省勤務の傍ら詩作をし、高齢になった祖母の回想にによれば「背が高くて俳優の村上弘明に似ていたよ」という祖父。

祖父は私が9歳のときに亡くなってしまったけど、子供心に「おじいちゃん」が大好きでした。

ところが成長してから祖父の詩を読んでも、全くピンと来なかったのです。

薄情な孫娘ですね。(^◇^;)

きっと、私には詩を味わって読む感性が皆無だったからでしょう。

だから自分の書いたのは「詩もどき」だと思っています。

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とは言え、その後もごくたまに、おママの作品から着想を得て、何回か「詩もどき」をブログに載せたことがありました。

(↓)失くなった片方の手袋と子に貼り絵を見て言葉が浮かんだ。

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(↓)コロナ禍の閉塞感の中、このオシャレな貼り絵を見て書いてみた。

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(↓)ロシアのウクライナ侵攻から2ヶ月の頃、怒りと悲しみを強く感じていました。おママのこの作品を見て、そんな気持ちを言葉に載せて紡いでみた。

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おママが特別養護老人ホームに入所して、新しい作品が生まれなくなってからは、全く「詩もどき」は思い浮かびません。

やはり、私にとって「おママの貼り絵」は

言葉のスイッチでもあったのかも知れませんね。

 

(↓)ジジの短歌を載せた記事です。

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おママの貼り絵を見てくださり,ありがとうございます。