(2019年10月23日 アルツハイマー型認知症の診断から約12年8ヶ月)
*食欲増進
暑かった今年の夏、ジジは食欲が落ちて心配したものです。
気温が下がって、秋が本番に本番になってくると、間食も欲しくなったようです。
「ご飯とご飯の間に少し何か食べたいから、久しぶりにお菓子を買ってきて欲しいんだけど。」
おママがいる時はお菓子が欠かせませんでしたが、ジジ独りになってからはあまり買いませんでした。
私が適当に見繕って買ってもいいけど、好みに合わなかったら嫌だなぁ。
「和風が良いの?洋風がいいの?」
「洋風だね。」
昼食が終わったら私が一走り駅前のスーパーに行ってもいいのですが、昨日(10月23日)はとても穏やかな晴天でした。しかも暖かい。
「いっそ、お父さんが自分で見て、好きなのを買ったら?車椅子で一緒に行こうよ。」
するとジジも二つ返事で賛成しました。
実家はから駅前のスーパーまでは坂道もあって車椅子を押す身にしたら、結構な運動です。私はちょうどいい食後の運動になりそうです。(๑˃̵ᴗ˂̵)
*お菓子を買いに
有り難いことに、スーパーは通路も広く車椅子でも問題なく通れます。
私はお菓子の棚の前で、ゆっくりと車椅子を押しました。
「これにしようか、これはしょっぱいかな…。」
一応ジジも血圧のことは気にしているようです。
「スナック系はオネコさんから禁止されているからダメよ。」
あれこれ悩んで、結局甘いクッキーやチョコレート系の袋菓子を選びました。
ついでにカルディに寄って、ちゃっかり2人でミニ紙コップのコーヒーサービスも堪能し、そこでもジジはお菓子を買いました。(^O^)
久しぶりの買い物で,ジジもとても楽しかったようです。
(↓)早速開けて食べてます。沢山買ったので当分オヤツには困りませんね。(๑˃̵ᴗ˂̵)
*忘却の彼方
帰り道、午後の少し陽が傾いた坂道を、私は車椅子を押しながら登って行きました。
ふと、5,6年前まで、ジジとおママが連れ立って買い物に行く姿が思い出されました。
「お父さん、おママと一緒に2人でよく買い物に行っていたわね。重い牛乳やら野菜やらを持って、よくこの坂を上ったものだわね。」
私がしみじみ語りかけると、なんとジジったら❗️
「そうだっけか?」
おいおい…。ジジよ、あんなに頑張って認知症のおママに尽くしていたのに、
その事をお忘れなんですか?(°_°)
認知症になっても、おママは決まって午後3時過ぎになるとソワソワしたものです。
長年の習慣的な記憶でしょう。夕食の準備のために「買い物に行かないとダメなのよ」と繰り返し言い募り、出掛けようとして落ち着かなくなりました。
それで、買うものがあろうとなかろうと、ジジはなるべく毎日一緒に買い物に出掛けるようにしたのです。
それは、年号が令和に変わった頃、ジジの足腰が弱くなって買い物が辛くなるまで続きました。その頃には、おママは料理をすることができなくなり、既に「夕食の準備のため」という意識も薄れて、買い物に行こうという気持ちがなくなってきました。
現在、おママが特養に入所してから、10ヶ月経ちました。
ジジはおママを忘れたわけではありません。
認知症の症状が悪化してきたおママとの暮らしの中で、ジジの負担が増えてとても大変だった。その記憶は薄れてきたようです。
喉元過ぎれば熱さを忘れる。
人間の脳は忘却を以って、良い感じに辛い記憶を和らげてくれるのでしょう。
ある意味、忘れるって幸せな事ですね。
(↓)2019年10月23日の後ろ姿です。この時は私も一緒だったので、スマホで撮影しました。
*本日アップの貼り絵
上のジジとおママが連れ立って歩いた写真と同じ日(2019年10月23日)の作品です。
(↓)この日,私はおママの机の上で、小さな紙片が詰まった紙包みを発見しました。
開けてみると、色々入っていました。
(↓)適当に中身を出して机の上に広げて置きました。
(↓)すると、おママは貼り絵を始めました。
中央の斜めのピースは元が何であったか不明ですが、他はおママが好んで使った包装紙です。
(↓)ミルフィーユで有名なベルンのリニューアル前の包装紙です。
関西には出店していないので、東京(関東地方)土産に重宝しています。
(↓)ハワイ土産のマカデミアナッツチョコレートが包まれていた包装紙。
(↓)関連作品です。
おママの貼り絵を見て下さり,ありがとうございます。