アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

なめたらいかん‼️

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(2020年8月10日 アルツハイマー認知症の診断から約13年6ヶ月)

 

いつから包まれたのか、想像もつかん。(°_°)

 これは暑い夏の昼時の事…。

私は実家で昼食の用意に追われていました。

ダイニングテーブルの上をおママがゴソゴソと片付けている(ほとんど平行移動するだけ)と謎の物体が見つかりました。

 

「これ何かしら?」

「また、あなたが紙で包んでおいたんでしょうが…。」

「私は知らないわ。」

「知らないったって、あなたがやったんですよ。」

「えーー、私じゃないわよ。」

そんなおママとジジの不穏な会話を耳にして、私は様子を見に行きました。

ジジが一生懸命「あなたでしょ‼️」といったところで、おママに記憶がないからどうしようもありませんわ。

 

長さ6〜7㎝、太さは2㎝くらいでしょうか。

白い紙で何かを巻いて輪ゴムで留めてあります。なんでしょう?(°_°)

私は恐る恐る開いてみますと、魚のイラストが印刷された紙から、赤いアクリル絵具が出てきました。

お魚の紙は既に一部をハサミで切った痕跡があります。

(デイサービスでもらった紙なのかしら?)

使いかけの赤いアクリル絵具は、おママが皮工芸をしていた頃に買ったのかも知れません。

20年以上前のアクリル絵具と、ここ数年デイサービスに通っていて貰った紙。

年代が違いすぎます。

包んだのはおママです。おママがいつ?

何時、この紙でこのアクリル絵具を包んだのか、私は全く見当もつきませんでした。

(°_°)

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私はそっと隠れるようにして、赤いアクリル絵具のキャップを 開いたら、固まってはいませんでした。その赤い色が毒々しい。

(これは…ヤバイ。万一おママが舐めたら大変だ‼️)

私は危険を感じて、サッと絵具をゴミ箱に投げ入れました。

 

おママ、激昂❗️

ところが、この私の行動をおママはしっかり見ていました。

 

「ちょっと‼️あなた‼️何やってるの‼️」

おママは眼を三角にして私を睨んでいました。

「どうして‼️人の物を、そんな、勝手な事をするのよ‼️」

 

これは私の大失態。おママが触ったらいけないと思う余りに、捨てるタイミングを間違えてしまいました。

おママからしたら、自分の物を勝手に捨てられては、怒るのも御尤もです。

そうは思っても、こちらもおママに絵具を持たせる気にはなれません。

それに「絵具」と言ってもおママには理解でないでしょう。

「手に付いたりすると危ないから、古い物だから、もう使えないので捨てました。」

「勝手に捨てないでよ❗️ちゃんと見せなさい‼️」

おママの怒りは収まりません。

 

私は仕方なくゴミ箱から絵具を拾い出しておママに渡しました。

「古いお薬なので、もうダメになっています。手に付くと危ないので捨てました。」

おママ私の話に耳を傾けることもなくアクリル絵具のキャップを開けました。

すると、赤い絵具がほんの少しチューブの口から出てきました。

 

おママは「あ…❗️」と言いながら、その赤い膨らみを人差し指の腹で掬い取りました。

その赤い指をどうしたものか…。おママも困惑気味です。

「ほら、赤いでしょう。危ないから捨てますよ。

その手を洗いましょう。舐めないで下さいね。」

「なめないわよ‼️」

私、再びおママを怒らせてしまいました。(^◇^;)

でも、赤い色は危険な雰囲気を醸します。

おママもドキリとしたのか、今度は素直に捨てさせてくれましたわ。

 

ふと、思いました…。

私も絵具を持っています。岩絵具や顔彩や水彩絵の具などなど。

歳をとって、絵具を絵具と認識できなくなった時、すっかりオバさんになった娘のアズキに怒鳴られるかもしれませんね。

「なめたらいかん‼️」

明日は我が身かも…。(^◇^;)

 

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将来のチャーコとアズキ親子はこんな感じかも。ボケないように頑張るね。

本日アップの貼り絵

赤い絵の具は捨てましたが、それを包んでいた紙は残しました。

広げてみたら、魚類のイラストが可愛いのです。(^O^)

早速、これをお題にしようと決めました。

 

まずは、こんな感じに細分化していました。

それから、おママに使いたいイラストを選んでもらい、切り抜き作業です。

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この動画は魚を切り抜く様子です。

おママはかなり几帳面に切ろうと、一生懸命試みています。

横で撮影しながら、「魚の尻尾が落とされる❗️」

と冷や冷やしている私の姿をご想像くださいませ。(^◇^;)


2020年8月10日 おママの貼り絵制作動画

 

大きなピースだけで構成されていますから、糊付けは楽しそうでした。

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 結局、お魚さん達だけでは物足りなかったようで、赤みが追加されました。
歌舞伎座の袋です。

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 おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

眼を開けて❗️

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(2020年7月31日 アルツハイマー認知症の診断から約13年5ヶ月)

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(2020年7月31日 アルツハイマー認知症の診断から約13年5ヶ月)

 

興味深い…。 

先日のお墓参りでお世話になった従妹のKちゃんは 小規模多機能型居宅介護施設で働いているキャリアの長い介護士さんです。

 

彼女は仕事で認知症の方々と接しています。それで、症状の例や施設でのお仕事などについて話を聞く事ができました。

その中でとりわけ印象深かった例があります。

 

女性(80代)

要介護3 お仕事をしている娘さんと2人暮らし。

施設では昼間通所しているそうです。

なるべく在宅で頑張りたいというご家族と本人の希望で、小規模多機能型居宅介護施設で昼間の通所と支援をしています。

ご本人やご家族のお名前はまだ分かるとの事。

 

ある時、施設に通所中のAさんは、突然大声を出したとさ…。

 

「きゃぁー、何も見えないわ❗️どうしよう、眼が見えなくなちゃったわ。

メ◯ラになっちゃたわよ‼️」

 

そんなわけはないのです。Kちゃんが近付いて様子を見ると、

 

なんと…、Aさんは眼を瞑っています。

眼を瞑っていることを忘れたんですね。

 

「Aさーん❗️眼を開けましょう❗️」

そう声をかけるとAさんは困惑してしまいました。

「眼を開けるって⁉️えっ⁉️どうするの〜?」

 

Aさんは眼を瞑っている事も忘れましたが、開け方もお忘れのようです。

それでKちゃんは指でAさんの閉じた上瞼と下瞼をそっと開きました。

「こうするんですよ。」

すると、Aさんは、

「あぁ❗️見えたわ。良かったぁ」

と笑顔で言ったとさ。

Aさんはまだらボケのように、この時は眼を瞑っているのを忘れていたのですね。

この話を聞いて、私はAさんがとても可愛らしく思いました。

 

でも、Aさんは眼を瞑っている事を忘れたのに、メ◯ラという言葉はわかっているのね。

 

人間とは本当に不思議です。(^O^)

 

 私はその話を聞いてすぐに、車中で眠くなり時々眼を瞑っているおママに聞きました。

「眼を開けてください。」

「え⁉️なんなの?あけてるわよ。」

おママは眼を瞑るのも開けるのも、一応まだ忘れていないようです。

 

本日アップの貼り絵

7月31日の午後。

私はおママの作業机からこんな包みを見つけました。(^O^)

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 開けてみると何やら懐かしい物が出て来ました。

これはクリネックスの箱ですね。

そして、東京のお菓子メーカー、ミルフィーユが有名な「ベルン」の昔の包装紙です。

どちらもおママが大好きな紙です。これまでも大活躍をしてきました。

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(↓)お気に入りを見て、おママは即反応しました。

ハサミを手にして、あれこれ考えていました。でも、結局はおママ定番の斜めの構成が安心なようです。

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 (↓)構成に取り掛かって、決定までおよそ6分。おママ、楽しそうでした。(^O^)

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さぁ、2枚目です。 

大きな紫のパーツは2つに分けようと考えましたが、ちょっと変化もつけたいようです。

単純な切り方ですが、紙の色や模様からイメージを掴んで切っていく様子の動画です。


2020年7月31日 おママの貼り絵制作動画

 

こちらも、あっという間に糊付けまで進みました。黄色系の飾りは小津和紙で購入した千代紙の欠片です。これもおママの大好きな紙です。

 

お気に入りの紙を使うと、さすがに興が乗りますね。(^O^)v

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過去にこんな作品もありました。

harienikki.hatenablog.com

harienikki.hatenablog.com

 

harienikki.hatenablog.com

harienikki.hatenablog.com

おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。 

 


おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

秋の墓参 2020年10月

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(2020年5月4日 アルツハイマー認知症の診断から約13年3ヶ月)

久々のお墓参り

今週の水曜日(10月21日)にジジとおママと私は、久美子叔母や従妹のKちゃん達と、お墓参りに行きました。

お彼岸にはちょっと時期ずれてしまいましたが、暖かくて天気も良く、絶好のお墓参り日和でした。

今回も従妹のKちゃんが足腰の弱ったジジのために車で送迎をしてくれて、

本当にありがたい事です。

 

「今年の春のお彼岸はコロナでお墓参りを止めたから、1年ぶりかしら?」

「いや…去年の秋は伯父さん(ジジ)が、ほら、痔が悪くなって車に座っているのも辛いから止めたのよ。」

「すると、お墓参りは去年の春以来か❗️」

 

月日の経つのは早いものです。昨年はGWに「結婚60周年記念」の会食会をやっていますが、それから考えても約1年半が過ぎました。

 

現地で(お墓の前で)久美子叔母さんともう1人の従姉Yちゃん夫婦と合流しました。

賑やかなお参りになったから、祖父母もきっと喜んでいるでしょう。

 

「気になっていたんだ。元気なうちに又、伯父さんとお母さんを会わせられて良かったよね。」

 

Kちゃんの言葉に深く頷く私でした。

 

仲の良い兄妹ですもの。

兄は92歳、来年になったらすぐに93歳になります。

妹は87歳になったばかりです。

お墓の中の祖父母も驚いているのではないかしら。

だって、息子と娘は自分たちが鬼籍に入った年齢より遥かに長く生きているんですよ。

「又、来年の春も来れたらいいね。」

コロナの流行の状況にも左右されるのが、ちょっと悩ましいです。

 

 (↓)前回のお墓参り。

harienikki.hatenablog.com

 

 (↓)昨年のGWに催した「祝結婚60周年記念会食」

harienikki.hatenablog.com

 

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墓前にて。最高齢は92歳、最年少は50歳。年月はあっという間に経つのね…。

。*おママもちゃんと参加できました。

今回は往き帰りの車中でも、おママはとても落ち着いていました。 

「どこへ行くの?」を連発することもありませんでした。

介護職に就いているKちゃんの参考になる話で私やジジが盛り上がっていても、ニコニコと「そうなのね」と相槌を打っていました。

話の内容が分かっているとは思えないのですが、いい感じで会話に混ざっていました。

 

お墓の前では自然と手を合わせて拝んでいるので、此処が亡くなった人にお参りする所なのだと、感覚的に分かるのだと思います。

 

お墓参りの後の会食会でも、落ち着いて完食❗️

ただ、レストランのおトイレでは個室の鍵の閉め方が全く分からなかったために、私も一緒に入ることになりました。やはり、慣れた自分の家のおトイレは1人で入れても、他所のは、もう無理なようです。

 

帰りの車中で印象的な事がありました。

実家の近くまで戻って来た時の事。

車は最後の角を曲がって、後は長い坂を上がるだけなのです。

おママは急に直進方向を指差して言い出しました。

「あ、ここをこのまま行くと、」

とおママは手で左側を示しながら続けて言いました。

こちら側が…、家なのよ。」

「そうなのよ、覚えていたのね…。」

私は胸が熱くなりました。近年、おママは普段その道を歩かなくなっています。それでも、記憶の底から知っている風景として取り出す事ができたのです。

(そう言えば、まだ私が子供の頃に、おママと自転車で少し離れた商業地に行ったっけなぁ。買い物を散々した帰りに上がるこの坂は、結構キツかったね。)

そんな事を思い出したけど、今のおママは覚えていないだろうなぁ。(^◇^;)

 

 本日アップの貼り絵

 ゴールデンウィークの時に制作されましたから、半年近く前の作品です。

実は…私はこの貼り絵が大好きなので、来年の年賀状にしようかなと思っていました。

しかし…、私は今年喪中だから、年賀状はないのです。

だから、今のうちにブログにアップしようと思いました。(^◇^;)

 

(↓)こちらの貼り絵を作った直後に、おママが取り組んだ作品です。

harienikki.hatenablog.com

 

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 (↑)制作途中のハガキの横に、本日アップの貼り絵のメインパーツがあります。(^O^)

 

 (↓)今までの切れ端を組み合わせながら構成を楽しむおママ。

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 今までも良くありましたが、おママも私もこのような寄せ集めの作品は気に入っています。

有名な和菓子屋さんで、缶に入った「吹き寄せ」と言うお菓子があります。

日持ちの良さそうな小さな焼き菓子が何種類も入って、私は大好きなのです。

寄せ集めの作品は「吹き寄せ」みたいだなと思います。(^O^)

  

 おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

十月大歌舞伎の第三部『梶原平三誉石切』&コロナ対策

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(2020年5月27日 アルツハイマー認知症の診断から約13年3ヶ月)

 

今回は番外編です。

新型コロナウイルスによる肺炎がまたヨーロッパで猛威を奮い始めたこの頃。

これからの寒い季節が思いやられます。

日本では今のところ小康状態でしょうか…。

心配ながら、GO TOトラベルも始まり、

最近では介護施設医療機関では制限付きですが家族の面会を再開しているところもあるようです。

恐らく、今後も新型コロナウイルスの流行状況をみながら対応を変えていく。

それがWith コロナの社会なのだと思います。

 

 大満足だった『石切梶原』 

harienikki.hatenablog.com 前記事でも触れましたが、先週、私は久しぶりに歌舞伎座へ行きました。

暑くもなく、まだそんな寒くもなく、コロナの流行はさほどでもなく、インフルエンザの流行もまだ❗️

高齢親への感染リスクを考えると、「私のお楽しみは今のうち❗️」と思ったからです。

 

観てきたのは十月大歌舞伎の第三部『梶原平三誉石切 鶴ケ岡八幡社頭の場』

通称『石切梶原』です。源平合戦の頃の物語です。

この芝居は享保15(1730)年大阪竹本座初演の人形浄瑠璃『三浦大助紅梅靮(みうらのおおすけこうばいたずな)全五段』の三段目が元になっています。

www.kabuki-bito.jp

www.kabuki-bito.jp

enmokudb.kabuki.ne.jp

 

今月は人間国宝15世片岡仁左衛門梶原景時中村歌六の六郎大夫、片岡孝太郎の娘梢という顔合わせです。

声良し、芝居良し、姿良しの…75歳を過ぎても衰えぬ男前な仁左衛門さんの演じる景時は、やはり素晴らしい❗️

そして、全ての役者さん達の息が合った充実の舞台でした。台詞に情感がこもっていて、「目利き」「二つ胴」「石切」という3つの見せ場が鮮やかに演じられていました。

今回の上演は少し短くなっているようですが、大満足の『石切梶原』でした。

 

 コロナ対策は厳重

歌舞伎座のコロナ感染防止対策については、(↓)のページに詳しく記載されています。

www.kabuki-bito.jp

入場時の検温や飛沫感染防止の為のマスク着用は当たり前ですが、私が印象に残った点を幾つか書いていこうと思います。

 

 入場時にスタッフにチケットを差し出したら、

「すみません、ご自分でお願いします。」

チケットをもぎったのは私自身で、半券は「半券ボックス」に入れました。

スタッフの方々は、いつもは大声で案内するような事も、大きなボードに書いた文章を示して案内していました。

極力、飛沫感染を防止する試みでしょう。

その一環として、舞台と観客の距離を十分に取るために、客席最前列は全て空席にしています。

 

<上演時間が短くなった>

 歌舞伎公演は通常では昼夜二部制でした。昼の部は11:30から15:30くらいまで。夜の部は16:30から20:30(演目により差がある)です。

しかし、現在では長時間の上演は「密」の元。

それを一部一演目(1時間半くらい)にして四部制になっています。

つまり、上演演目が以前より減っているのです…。その分、観劇料は安くなりました。

 

<客席は半分>

映画でもスポーツ観戦でも、まだそうだと思います。歌舞伎座でも客席は前後左右を一つおきに設定されています。幾ら演劇や伝統芸能の公演は座席100%にして良いとされても、現状ではなかなか難しいと思います。そんなことをしたら「密」を恐れて客は来ないでしょうから。

www.kabuki-bito.jp

前後左右が空いている状態は、1観客としてはゆったりと鑑賞できて良いと思います。

ただ、お友達や家族と一緒に鑑賞しても、座席は一つおきだから、隣同士で観ることはできません。

私がいつも取る座席は一番お安い3階席です。ここは月に何度も観劇するコアなファンから、全く初めての人、学生さん、観光客も多くて、気安い雰囲気があります。

しかし、流石に座席数が少ないので閑散としていました。

オネコは土日に観劇したので、売り出された3階席はほぼ埋まっていたそうですが、

平日火曜に行った私の印象では、半分くらいだったと思います。

コロナ前は平日だって、1階から3階までほぼ席は埋まってましたわ。

私と同じようになかなかお神輿を上げられないファンも多いのかもしれません。

 

因みに、私は3階席より更に上に位置する「一幕見席」も大好きなのですが、「3密」を避けるためでしょう。こちらのお席は今現在販売されていません。(TT)

 

それと、上演中の掛け声が禁止です。そのため、歌舞伎に付き物の「大向う(おおむこう)」さん達がいません。(TT)

役者さんの見せ場で掛かる屋号などの掛け声がないのは寂しいものですが、致し方ありません。仁左衛門さんの場合は「松島屋!」歌六さんなら「播磨屋!」と心の中で叫びました。

その分、観客の皆さんは拍手を盛大に送っていました。

 

<館内での販売は無い>

幕間(休憩時間)が無いので、売店は全て閉まっています。(予約制の御食事処はやっているようです。)

いつもは3階で販売されている私の大好物もありませんでした。

この大好物とは…、「めでたい焼き」。

紅白の白玉が餡子と一緒に入っている鯛焼きです。幕間に早く買いに行かないと売り切れてしまう人気商品でした。

(TT)

私が観劇した13日現在では館内の飲料の自動販売機も使用不可でした。飲み物は持参するか、入場前に用意した方がよいです。

 

1階のお土産売り場は場外から入るようになっているので、チケットのない人もお買い物ができます。

 

館内でのイヤホンガイドやオペラグラスの貸し出しもありません。

驚いたのは筋書(プログラム)の販売がなかったことです。

簡単なあらすじと配役が書いてあるパンフレットが貰えました。

いつも私は筋書を買わないので、ちょっと嬉しい。大事に取っておこうかなと思います。

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 中日(毎月だいたい15日くらいから)を過ぎて掲示される役者さん達の舞台写真も館内では販売されません。

こちらは地下鉄から直結している地下1階の木挽町広場で買えます。

つまり、観劇しない人でも、見て買うことが出来ます。*\(^O^)/*

 

<全体的に思う事>

歌舞伎座のコロナ対策はとてもしっかりなされていると感じました。

 

どこの劇場も映画館も同じだと思いますが、観客数を半分に抑えているという事は興行的にはとても大変だと思います。 歌舞伎は役者さんだけでなく多くの人々が居なければ幕を開けられません。採算はどうなのでしょうか。心配です。

 

私は「あれもこれも無い」みたいに書いていますが、これだけのコロナ対策をした上で、

「歌舞伎公演がある」事が自体、素晴らしいのです。

そして、役者さん達も見事な演技で舞台を務めています。

 

コロナ以前のような歌舞伎公演の体制にいつ戻れるのか?

早く戻って欲しいと思いますが、感染状況の推移によっては、この先ずっと変わっていかないといけないのかも知れません。

いずれにしても、

幕間には、観客がロビーや売店に溢れて買い物をしたり談笑したり、座席で楽しそうにお弁当を食べている。そんな光景が戻ってくる事を、私は願って止みません。

 

私もその一人でしたが、もし、足が遠のいている歌舞伎ファンがいらっしゃいましたら、是非、歌舞伎鑑賞をなさって下さったらと思います。

もし、ご興味があるのに観劇の機会がなかった方いらっしゃいましたら、今はチャンスです。上映時間はコンパクトですし、観劇料も通常よりお安いです。

是非❗️歌舞伎鑑賞はいかがでしょうか❗️(^O^)

 

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仁左衛門さんはもっと素敵だ❗️💢なんて、オネコに叱られるかも。(^O^)

本日アップの貼り絵

江戸時代、武士の正装は裃(かみしも)と袴姿です。

歌舞伎の立役(男役)に衣装にもよく見られます。

私にはこの貼り絵が裃の後ろ姿に見えました。それで、本日アップの貼り絵に選んでみました。(^O^)

制作日の5月27日は私が実家へ行かなかった日です。そのため、制作途中の写真がないのが残念です。

 

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 (↑)ペパーミントティーの個別包装袋です。

(↓)このマーブルペーパーも使われています。このマーブルペーパーは昔おママが購入したものです。

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おママの貼り絵を見てくださり、有難うございます。

歌舞伎鑑賞の名残り

 

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 (2020年9月11日 アルツハイマー認知症の診断から約13年7ヶ月)

 

歌舞伎座を前にして

先週の火曜日、私は歌舞伎座に行きました。

久しぶりに歌舞伎座の外観を見上げて、ちょっと胸が熱くなりました。

おママの影響で、私もオネコも歌舞伎が好きです。

しかし、今年はコロナ流行の影響で殆ど観にいかれませんでした。

 

本来、2020年は歌舞伎界、歌舞伎ファンにとっては大事な年だったと思います。

名跡市川團十郎襲名披露興行が、5月6月7月の3ヶ月に歌舞伎座で予定されていました。その後、襲名披露の巡業が組まれていたのです。

それなのにコロナ禍。

歌舞伎公演は4月からすべて中止となり、それがまるっと流れてしまった…。

 

(↓)この写真は東京都に緊急事態宣言が出されてすぐの頃に撮影したものです。 

歌舞伎座建替中を除いて、こんなに絵看板も立看板も真っ白な歌舞伎座を、私は見たことがありませんでした。

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8月に歌舞伎興行が再開されても、私はコロナ禍で、なんとなく気分は沈みがちでした。それで、歌舞伎から足が遠のいていたのです

 

 先月、オネコから

「10月は仁左衛門さんが『石切梶原』をやるわよ」

と言われ、ちょっとその気になりました。

オネコにチケをポチしてもらい(姉にネットでチケットを取ってもらい)ました。

 

地下鉄東銀座駅の改札を出て、直結している木挽町広場から地上に上がるエスカレーターに乗った時、ふと思いました。

おママはいつから歌舞伎を観に行かなくなったのだろうかと…。

 

 歌舞伎が好きだったおママ

おママは2017年の秋まで、よくオネコと歌舞伎を観に行っていました。

ほぼ毎月でした。

認知症になっても何か楽しいお出掛けが出来たら良いね」

とオネコが考えて、チケットを取り、おママと観劇してくれました。

 

歌舞伎はおママにとって一番馴染み深い芸能です。子供の時から、よく母親と一緒に歌舞伎座や東劇に行ったそうです。

勿論、戦中はそれどころではありません。でも、戦後になって歌舞伎が復興してからは、戦後の名優の舞台を楽しみにしていたようです。

 

「子供の頃から馴染んでいたものは、結構覚えているものだ。」

 

実際、診断から10年近く、おママはすぐ忘れてしまうにしても、観てるその時は歌舞伎を楽しめていました。

 

でも症状が進んで、2019年からは一度も観に行っていません。

もはや、長時間座って観ているのも酷だし、あれこれ繰り返し言い出しては他の観客の迷惑です。これも仕方ないかな…。

 

 (↓)おママがオネコと歌舞伎鑑賞を楽しんでいた頃。

harienikki.hatenablog.com

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 (↓)行かれなくなった頃。

harienikki.hatenablog.com

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おママは歌舞伎に行かれなくなってしまった。

おママはもう歌舞伎を覚えていないだろうなぁ。

 

でも、おママの為に観始めたオネコはすっかり歌舞伎にハマってしまいました。

私は日本舞踊を習っていたから小学生の頃から祖母やおママと観に行き、歌舞伎は大好きです。

祖母もおママも好きだった歌舞伎。

祖母は25年ほど前に亡くなり、おママも観に行かれなくなってしまったけど、

オネコと私が観続けている。

これも形のない遺産だと思うこの頃です。

 

私が先週火曜日に観たのは、

十月大歌舞伎の第三部は『梶原平左誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり)』

通称「石切梶原」です。

With コロナの中での歌舞伎興行についてや感想などもあれこれ書きたいのですが、長くなりそうなので、それは次回にしましょうか…。

m(_ _)m

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2人で出かけていた頃はこんなだったかしら?

10月13日に撮影した歌舞伎座外観の写真を加工加筆しました。


  本日アップの貼り絵

これも「お題方式の貼り絵」です。

「お題方式の貼り絵」とは…。

昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それで、あらかじめ私が「お題」と称して何種類かの紙を用意することが多くなりました。そして、他に組み合わせする紙片をおママに選んでもらってから、切り貼りを楽しんでもらうようになりました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。

 

9月11日。おママの作業机から、こんな包みを発見しました。

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開けてみると…。いろいろ入ってますね。おママったら良いなぁと思う紙片を寄せ集めた感じです。

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こんな紙切れは面白いですね。

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おママがオネコと頻繁に歌舞伎座へ行っていた頃に、会場内で貰ってきたチラシの部分です。失われたところは、おママが過去の貼り絵に使ったのでしょう。

 

 

  昨年の6月におママはこのような貼り絵も作っていましたから、チラシは2枚あったのかも知れません。

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(2019年6月14日 おママ制作)

下記の記事の一番下の方に、大きい写真があります。

harienikki.hatenablog.com

 

「良いものを見つけたぞ」

私はそれをすかさず「お題」にしました。

 

組み合わせにおママが選んだのは、小津和紙で購入した葉模様の千代紙でした。

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<動画①>

切り抜いた葉模様をどう配置するか、指で動かしながら吟味しています。

この段階で、一応本人は構成を完成させたようです。

「これでアレしちゃう。」

「アレ」とは、糊付けの事です。

 


2020年9月11日 14:54 おママの貼り絵制作動画①

 

(↓)しかし、糊付けしている間に、決めた構成が崩れてしまいます。

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<動画②>

葉模様の位置が変わって、物足りなく感じたおママは、更に葉っぱを切り抜きました。

それを糊付けしたら、糊で汚れた手をスカートで拭きやがり💢

更に他の小さな葉を落として、恥ずかしながら、私が叫んだところで動画は終わります。

ジジかオネコが背後で何か作業をしており、そんな雑音が入っています。


2020年9月11日 15:01 おママの貼り絵制作動画②

 

結局、その後も葉っぱは増えていきました。(^O^)

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単純そうなデザインです。

しかし、葉の散らし加減など、おママなりにかなり熟考していました。

 

おママは歌舞伎を忘れても、その名残はしっかり残っています。

そして、この作品が生まれました。

 

 おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます

ファイルの中からこんにちは❗️No.9(2018年)

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(2018年4月7日 アルツハイマー認知症の診断から約11年2ヶ月)

 

どうぞ皆さま、ご自愛下さいませ。

10月17日土曜日

関東地方はとても冷たい雨が降っております。

私は昨夜からなんかおかしかったんです。微熱もありましたし…。(°_°)

それで夜のうちに土曜のお出掛け予定は全てキャンセルにしました。

こんな御時世ですから…。(^。^)

 

悪い予感は当たるもので、17日の明け方から頭部にただならぬ予感を感じました。

あれです。私の持病。偏頭痛です。久々の発作でした。

 

朝から偏頭痛のお薬レルパックス20mgを1錠飲むが、頭痛吐き気は治りません。

(たいていの場合は1錠で効くんだけどな…。)

どうにもならないので2錠目を服用の後、なかなか痛み吐き気がなくならない。

(1日2錠までだから、これでダメなら地獄だ…。

いつぞやみたいな救急車沙汰はイヤだ。)

幸い、1時間半の悶絶の末に痛みだけは治りました。

そして、ようやく布団から這い出したのは夕方でございました…。

 

皆様、秋は体調を崩し易いものです。

持病のある方も、ない方も、どうかご無理はなさいませんように。

お気をつけ下さいませ。

 

本日アップの貼り絵

2年前の写真データの中から見つけました。

この作品は好きだったのですが、ブログに載せていなかったようです。

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このようなクラフトパンチで型抜きした跡の、残り物を利用しています。

おママはこの「型抜き跡」が好きなようで、これまでも貼り絵に使ってきました。

この作品では「型抜き跡」を綺麗に四角に整えて組み合わせています。

 

(美味しそうなチョコレートの詰め合わせみたいな感じかしら。)

 

偏頭痛の後のヨレヨレの身体なのに、

そんな食い意地の張った事を思ったチャーコであります。

 

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

おしゃれ

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(2020年7月24日 アルツハイマー認知症の診断から約13年5ヶ月)

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(2020年7月24日 アルツハイマー認知症の診断から約13年5ヶ月)

 

「おしゃれ」

閉じた世界の片隅から

何を語ればいいのだろう

強張っているのは身体ではなく心

洗いたてのマスクの中で囁いても

誰にも聞こえない

せめて思い出のバックを手にして

外を歩きませう

過ぎ去った時間が戻らないなら

せめて失われた想いを詰め込んで、前に進みませう

 

開いた窓の隙間から

どんな風を感じればいいのだろう

頑張っているのは身体ではなく心

新しいルージュで唇を描いても

誰にも見えない

せめて思い出のジュエリーを身につけて

外を歩きませう

もとの当たり前が戻らないなら

せめてその輝きで風を受け止めて、前に進みませう

 

 

おママの貼り絵を見ていて、柄にもなく詩を書いてみたくなりました。

コロナ禍が止まぬ今の心境です。どうぞ、お笑いくださいませ。(^◇^;)

 

本日アップの貼り絵

これも「お題方式の貼り絵」です。

「お題方式の貼り絵」とは…。

昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それが出来ない時が増えてきました。それで、あらかじめ私が作業机に何種類かの紙や切れ端を出して置き、まるでおママが貼り絵をやり掛けていたと思えるようにお膳立てをする事が増えました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。

 

おママはいつの頃からか、溜まりに溜まった『銀座百点』を整理したようです。

気に入った広告写真だけ切り取って残してあるのです。

(↓)この広告は過去におママが何かを切り抜いたようです。私はそれを見つけた時、おママがどんな柄や写真を切り抜いたのか知りたくなりました。でも、過去の3000枚以上の貼り絵から探すのは無理ですね。

それで、7月24日の「お題」にしました。上下の写真は1枚の広告ページの裏表に当たります。

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おママは広告写真からネックレスと指輪、バックの写真を切り抜きました。

あとは机に広げた千代紙やマーブルペーパーから組み合わせました。

それと伊勢銘菓「絲印煎餅」の包装紙も使われていますね。

千代紙は小津和紙で購入したものです。

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<動画>


2020月7月24日 15:36から おママの貼り絵制作動画

青海波模様の千代紙をおママが熱心に切っています。

おママなりに模様の規則性を重視してハサミを動かしていました。

 

ネックレスバージョンを仕上げて疲れ果てたおママ。

でも私が作業机にバックの切り抜きと使っていた材料を置いておいたら、おママは自然と取り組んでいました。

2枚ともなかなかお洒落な作品だと思います。

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伊勢銘菓「絲印煎餅」の包装紙です。(↓)おママのお気に入りです。

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播田屋さんのHP

https://haritaya.sakura.ne.jp/

 

www.ozuwashi.net

www.hyakuten.or.jp

 


おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。