アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

歳をとるのも大変だ(リハパンツ編)

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(2020年5月4日 アルツハイマー認知症の診断から約13年3ヶ月)

 

終戦記念日

 本日は8月15日、終戦記念日です。

今年は戦後75年になりました。

現在92歳のジジは終戦時17歳だったのですね。

私にはジジの17歳の姿は想像できません。

この世代は高度成長期に第一線で働いた猛烈サラリーマンが多かったと思うし、ジジもその例に漏れませんでした。

今も認知症のおママを抱えて懸命に生きていますが、

(歳をとるのも大変だよ…)

という溜息が聞こえてきそうです。

今回はそんなジジのリハパンツのお話です、

 

ジジとリハパンツの付き合い

ジジがリハパンツを履き始めたのはかれこれ10年近く前だと思います。

その頃は80代の前半でした。まだ仕事をしていたし、私を鞄持ちにしてお客様のお宅に伺う事も多かったです。そんな調子ですから、ジジがリハパンツを履き始めた時は、まだ全く排泄に問題はなかったのです。

 

私は仕事の合間におママの様子を見たり、家事の手伝いをしていましたから、洗濯物の中にジジのパンツがない事が不思議でした。

「どうして、お父さんのパンツは洗わないの?」

聞いてびっくりでした。

「最近は紙のパンツを履いているから、洗わないで捨てているんだよ。」

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ジジはトイレにちゃんと行っているよね…。

なぜ、ジジがリハビリパンツを履こうと決めたのか…。

それはおママのためでした。

 

「おママが認知症になったでしょう。一緒に出掛ける時に、おママがトイレに行きたいと言えば、自分よりそちらを優先しなければならない。おママが何処かへ行っちゃうと困るから目を離せないし…。そんな事をしていたら、自分が間に合わなくなるかも。

家に居ても何やかんやで、結局自分は(トイレが)間に合わなくなる可能性があると思ったから。」

 

まだ、排泄の自立が保てている認知症の妻に、嫌がるリハパンツを無理強いさせる訳にもいかず、その世話を考えて、自分が先に履くことにしたのです。

少しは痔がある事も関係していたかも知れません。これは私の想像ですが…。

 

父親がそんな調子ですから、オネコも私も全く紙パンツに抵抗がないのです。

2人とも月経がひどい時期に使った事があります。

私はおママと長時間のお出かけをする時に、何とかおママにも履いて欲しいがために

「私もよ❗️」

と履いて見せた事があります。

抵抗感があるのは、認知症患者であるおママ本人だけでしたわ。

 

履き始めた経緯がそんな風ですから、ジジは使い始めて何年も殆どリハパンを汚しませんでした。

しかし、3年前に仕事を辞めて、暫くしてから、リハパンツに尿取りパットを重ねるようになりました。

つまり、ジジ本人の足腰が弱くなり、身動きがスムーズにいかなくなって、トイレが間に合わなくなる事も起きるようになったのです。

 

現在のジジとおママのリハパンツ事情

おママが認知症が進み、段々家族も分からなくなった頃から(4年ほど前、認知症の診断から9年目あたり)、私達はおママの粗相が気になり始めました。

いえ、当時のおママは全くと言って良いほど、粗相はないのです。しかし、いつ何時、事故のようにそれが始まるかも知れない。

私は、その状況におママが置かれたらパニックになるだろうと、思いました。それで、必死に履くように勧めていましたが、おママからは手強い抵抗に遭いました。

「私は大丈夫です❗️まだこんな物は履きません。」

人によっては、認知症が進んでもプライドは頑なに残るものですね。(^◇^;)

 

でも、昨年あたりから、症状の進行のせいだと思いますが、素直に履いてくれるようになりました。

それでも、時々、自分で脱いでしまいます。そんな時、布のパンツが見つからないと、パンツなしでガードルを履いてしまう事もあります。

 

現在、ジジとおママが使っているリハパンツは(↓)こちらです。」

花王の「リリーフ」パンツタイプの薄型です。44枚入りの大きなパックをamazonの定期便で購入しています。

www.kao.co.jp

 (↓)ジジはこちらの尿取りパッドを重ねています。

www.d-unicharm.jp

 

その感触

ジジは自ら決めてリハパンツや尿取りパッドを使い始めました。だから、将来的に本当の意味で使用することに対して、ある程度、覚悟はあったと思います。

しかし、頭がしっかりしていているのに、身体が思うように動かなくなった。

そして、トイレが間に合わなくなる。これは余計に堪えると思います。

 

「最近、歩くのが遅くなったし、身動きが遅くなったから、トイレまで間に合わない事もあるんだよ。」

「デイサービスでトイレに行こうとしたら、そのドアの前で出ちゃった時はガックリとするよ。」

 

やはりね…。お小水が出てしまった時の絶望感、敗北感は半端ないものでしょう。

 

「トイレに入ってからも、「もう、危ない❗️」と思ったら、無理して脱ごうとせずに、そのまま紙パンツにする様にしたよ。その方が、かえって服や下着を汚さずに済むからね。」

覚悟のあったジジでも、

「そこまで達観するまでには何年もかかった❗️」

そうですね…。そうだと思います…。(TT)

 

全く以って…、

「歳をとるのも大変だよ。」

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本日アップの貼り絵

 5月4日水曜日

私が実家へ行くと、ダイニングテーブルの上に葉っぱが6枚ほどビニール袋に入って置いてありました。

「これはどうしたの?」

「おママが朝、玄関で拾ってきたんじゃないか?」

ジジの言う通りかも知れません。過去にも(↓)玄関に生えている草を使っていますから。

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 (↓)この作品もお仲間です。

harienikki.hatenablog.com

 それで、早速「お題」にしてみました。」

何枚もある千代紙の中から、組み合わせに選んだのはシックな茶系です。

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(↑)何だかずいぶん細かく切ってますね…。(^O^) 

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 思ったよりいろんな切り方のできる千代紙でした。

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 制作時期は初夏ですが、どことなく秋を感じさせる貼り絵に仕上がりました。(^O^)v

 
おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

ピザが食べたい❗️連作の楽しさ

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(2020年4月17日 アルツハイマー認知症の診断から約13年2ヶ月)

 

意欲的だった春

最近、自分でもシリーズ「連作の楽しさ」が多いと思います。

 今年の春、私が「お題」を見せた時、おママは興が乗ると一気に4作5作と仕上げていました。

それで、枚数のまとまった連作が多かったのです。

それを、夏のうちにアップしたい…。そんな事を思うこの頃です。

 

ピザはお好き?

この貼り絵も「お題方式の貼り絵」です。

 (注)「お題方式の貼り絵」とは…。

昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それが出来ない時が増えてきました。それで、あらかじめ私が作業机に何種類かの紙や切れ端を出して置き、まるでおママが貼り絵をやり掛けていたと思えるようにお膳立てをする事が増えました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。

 

そして、「お題」はこちら。(↓)

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美味しそう❗️食べた〜い❗️

ドミノピザの広告チラシです。画像はデータを圧縮してあるので、鮮明には見えませんが、2018年1月チラシでした。

 

それを、おママの部屋の紙やら本がゴチャゴチャに積まれた机の上から、私は3月下旬に見つけました。

かれこれ2年間も眠っていたのですね。(^◇^;)

 

2年前のおママはこの広告を手にして何を思ったのかと考えると、私は微笑ましくなります。この写真を食べ物のピザだと認識出来ていたなら、

(美味しそうだわ。)

もしかしたら、

(何だか分からないけど、面白いわね)

だったかも知れません。

 

実は、ジジとおママはピザが好きです。

今でも、ジジは買い物に出た時に、スーパーで冷蔵の丸いピザを買います。そして、娘達の来ない日に2人で食べたりしてますもの。

 

思い返せば、私がまだ十代の頃、ピザチーズなるものが一般的にスーパーで売られるようになりました。その頃から、おママは時々これを買っていました。

食パンの上に載せてオーブントースターで焼くのです。今も昔も美味しいですね。(^O^)

 

いづれにしても、せっかくおママが取って置いたチラシです。

これを「お題」にするっきゃないです❗️

 

これは見開きのチラシです。

上の写真は、その見開きの表紙、外側に当たります。内側はメニュー写真でした。

www.dominos.jp

 

怒涛の連作開始

最初、このチラシを手にした時、おママは「面白いわ〜」と言って眺めていました。

いざ切る段階になって、ちょっと戸惑っていましたが、おママのハサミはどんどん進んでいきます。(↓)

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「黒いところは切っていいわよね。」

「どうぞ…。」

切っているうちに、ピザ自体も分割されたり…。

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ある程度、ピースがまとまったので、構成に取り掛かります。(↓)

この作業が楽しいんです。やっているうちに、ピザの形が更に分割されたり切り取られたり…。

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おママはドミノピザのロゴマークが気に入ったようで、それと雰囲気の合う紙を使おうと試みています。(↓)

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完成作

始めてから4作品完成まで約1時間半。

この連作は順番で作られたというよりは、全て同時進行でした。

どれも大胆でポップな作品です。(^O^)

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あーーーー❗️

ピザが食べたいよーーーー‼️

 

おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。

猛暑はつらいよ、エアコン問題

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(2020年1月11日 アルツハイマー認知症の診断から12年11ヶ月)

 

夏のお決まり

暑いです。夏は暑いです。東京の夏は結構暑いです。

こう書いていて、自分の脳味噌が暑さで崩れていくのを感じています。

夏のおママといえば…。アレです。アレ、アレ…。

冷房をかけているのに窓を開けて回る習性は、今年も健在です。(^O^)

進歩のない事ではありますが、私は毎年1度はこの話題で記事を書いています。これを書かなければ精神がもたない気がするんです。去年(令和元年)は2度書いていました…。(^◇^;)

 窓を開けまくるおママと、後を追いかけるように窓を閉める私。

イタチごっこですもの…。

 

「暑い」「寒い」が混乱してる

8月に入って、遅い夏の到来はいきなり猛暑でした。

このところ、例年通り、実家では 私ジジオネコ VS おママ のエアコンと窓をめぐる戦いに明け暮れております。

昨日(8月10日)、エアコンをかけて外よりは随分涼しくしていましたが、それでも動くと暑くなりました。

「暑いわ〜。」

席を立つなり、おママは窓を開けます。

「冷房をかけているから、窓を開けてないで。外の暑い空気が入ってくるし、冷たい空気が逃げちゃうわよ。」

「余計に暑くなるから、窓を開けないの❗️」

ジジと2人がかりで何度説明しても、おママの記憶は秒で消え失せてしまいます。

どうにもなりません。

私は昼食の準備中でした。それに暑いと堪え性がなくなるので、ついついきつい口調でおママに言いました。

「ほらここ!お母さん、エアコンの冷たい風が来るから、ここに座っていて❗️」

すると、おママはすぐに立ち上がり、エアコンの送風口に手をかざしました。

「あら、ここ、なぜかしら?暑い風が出ているわ。」

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私は一瞬、エアコンが壊れたのかと思いましたが、ちゃんと冷気が出ていました。

「おママ…、暑い風じゃなくて、冷たい風がでしょう…。」

「あらそうなの?」

おママは一向に意に介しません。

 

昼食後には、さも暑そうにTシャツの胸元をハタハタとさせているのに、

「もう、本当に寒いわ…。どうしたら良いのかしら。」

 

おママさんよ…。

ついに「暑い」「寒い」の感覚を意味する言葉が混乱してきているのね。(°_°)

 

暑い」「寒い」とは別の意味で、私は背筋に悪寒が走るのを感じました。(°_°)

 

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猛暑で溶ける…⁉️

 (↓)過去のこの問題を書いた記事です。

harienikki.hatenablog.com

harienikki.hatenablog.com

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本日アップの貼り絵

涼しそうな貼り絵を探して、見つけたのが今年1月の作品です。

かれこれ半年以上前で、真冬だったのですね。

 

この作品は、私のいない土曜日に制作されました。ですから、「お題方式の貼り絵」ではありません。

(↓)下の写真は1週間ほど後に私が設定した「1月17」の「お題」の写真です。

恐らく、本日御紹介した「2020年1月11日」は、(↓)と同じティシュボックスの反対側側面を使ったのだと思います。

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(↓)歌舞伎座の袋も使われています。

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 ほんの少しですが、ネピアのブルーの箱も使われています。

(↓)下の写真の中央にあるピンクのネピアを参考になさって下さいませ。

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おママの貼り絵を見てくださり、ありがとうございます。

声掛けあって & 連作の楽しさ「それは夫婦鳩」

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(2020年4月20日  アルツハイマー認知症の診断から約13年2ヶ月)

 

秋が来た?(°_°)

東京は8月1日に梅雨が明けました。本格的な夏の真っ盛りです。

しかし、今年の立秋は8月7日金曜日でした。

あら⁉️

暦の上とはいえ、梅雨が明けたら、いきなり秋ですか⁉️

こんな調子ですから、今年の残暑は長くて厳しい事でしょう。(^◇^;)

 

2人でお出掛け

今年に入って、ジジとおママには、あまり2人で出歩かないように言っています。

これはおママの認知症の症状が進んできた事。

ジジの足腰が弱ってきて、万一おママが居なくなっても、探し回る事が難しくなってきたからです。

実際、そのような事が起きています。(↓)

harienikki.hatenablog.com

上の記事に書いた昨年大晦日の出来事は、偶然にも私の同級生のお母さんの起点で事なきを得ておりました。

「それに、暑いから、外に買い物に行ったら、ミイラになるよ。」

娘達の言い分も冗談と笑えない猛暑 になりました。

「無理に外に出ないでくださいね。」

 

ところが、今週の月曜日(8月3日)の事です。

11時過ぎに、私hは実家に行く途中で近くのスーパーに寄りました。

そこで、親子共々顔馴染みになっているレジの女性が言うのです。

「昨日、ご両親がお二人で買い物にいらしたわよ。」

「そうなんですか⁉️」

私はちょっと驚きました。

 

2人は暑い昼間に買い物に出て、身体は大丈夫だったのだろうか?

レジに並ぶ時、ママはソーシャルディスタンスが理解できないから、他の人との間隔を詰めちゃうのではないか?

 

「大丈夫だったわよ。買い物でもレジでも、お互い声を掛け合っていたもの。」

 

2人の様子が目に浮かぶようです。家でやっている事が、そのまま外でも出来ている。

「こんな事お願いするのも筋違いだと思うけど…。すみません。また何かあったら教えて下さい。」

私が頭を下げたら、その元気な女性の声が聞こえました。

「そうするわね。いいのよ。

私も田舎に親がいて、気になっているんだもん。高齢のお客さんをを見ると、どうしても目が行っちゃうのよ。」

その店員さんも50代後半から60代初めくらいでしょうか。

 

親とは遠距離だけど、気になっている。他所の高齢者を見ても、親と重ねて見ている。

そんな方々が大勢いらっしゃると思います。

お盆もコロナで、東京からは帰れない…。心配だ…。

今年はそんな、切ないお盆休みになりそうですね。

 

人の思いやりに感謝しつつ、実家へ到着した私。

(そう言えば、薬がなくなるから、午後は掛かり付け医の所に連れて行かなければ!)

と思い出しました。それで、ジジに

「午後、お医者さんに行くんでしょ、暑いからお薬だけ、私が貰いに行こうか?」
と問いました。するとですよ…。

 

「あ、朝のうちに2人で行ったよ。薬屋も空いていたから、受け取れたよ。」

え、え、え…。

私が思うより、まだまだ、たくましいジジとおママでありました。(^O^)

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ちょっと、あなた、それ、私がやるから。いいの!これがないと歩けないの❗️

 *本日アップの貼り絵

 2人で声を掛け合ってお出掛けしたジジとおママ。

それに因んで選びました。連作です。

京王百貨店のハトをデザインした包装紙が又手に入ったので、おママに渡したら、早速ハサミを持ちました。

昨年、おママはこの包装紙を何度も使っていました。やはり好きなのね。(^O^)

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おママはある程度切ったら、俄然やる気なので、こちらもハガキを何枚か出して、連作の準備をしました。

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(↑)初めはこんな感じでした。(↓)さらに構成を詰めていく。

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(↓)熱心に取り組んでいます。

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(2020年4月20日  アルツハイマー認知症の診断から約13年2ヶ月)

 

この日、おママは4枚に連作をしました。

もう1枚は?

少し雰囲気が違うので、又、別の機会にご紹介したいと思います。(^O^)

 

(↓)京王百貨店の包装紙について。

www.keionet.com

 

 (↓)昨年製作された仲間です 。

harienikki.hatenablog.com

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harienikki.hatenablog.com

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 (↓)こちらのチラシも使わせていただいてます。

plus-lumber.com

 

 おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

「越前 耳付はがき」を買いに行きました

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(2020年6月26日 アルツハイマー認知症の診断から約13年4ヶ月)

 

ハガキを買いに

いつも、おママが貼り絵の台紙に使っているのは、「越前 耳付はがき」というしっかりとしたハガキ大の和紙です。

一度貼り付けた物を剥がしとっても、多少表面は荒れますが破れたり穴が空いたりしません。

 

おママがこのハガキに貼り絵をし始めたのはおよそ14〜 15年前です。その頃すでにアルツハイマー認知症の症状が出ていましたが、とても軽かったのだと思います。

当時からデザインに試行錯誤を重ねていたおママにとって、その丈夫さと高品質は魅力だったでしょう。

糊の吸収の良さと和紙の強さ。 

おママは一度糊付しても気に入らなければ、カッターの刃の先を使って丁寧に剥がしては貼り直しました。その貼り絵制作にこのハガキはうってつけだったと思います。

おママの症状が進行して、あまり台紙に拘りがなくなっても、ジジはこの「越前 耳付はがき」を買い続けました。

「安いのにしても良いけど、質を下げたらやる気をなくすかも知れないしね。」

要するに、使う道具や材料はモチベーションを高めます。

この点、ジジは偉かったと思います。

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6月の下旬に、このハガキの残りが10枚になったので、私は買いに行きました。

わくわく❗️

綺麗な紙を見ると興奮するのは、おママ譲りでしょうか?

私はあれこれ千代紙を買ってしまうのです。これはおママのためではなく、自分が欲しくなってしまうから仕方がない。(^◇^;)

 

ところで、前回はいつ買いに行ったのでしょう。

ブログをやっているので直ぐわかります。2月の初めでした。(^O^)v

(↓)前回

harienikki.hatenablog.com

 (↓)前々回

harienikki.hatenablog.com

 今年に入ってからおママの制作ペースは月に17〜20枚です。

なるほど、5ヶ月で100枚を消費するんですね。

今後はもっと減少傾向ですから、おママが制作を続けていたとしても、買いに行くのは年末か来年かしら。(๑˃̵ᴗ˂̵)

www.ozuwashi.net

 

因みに、この時私が買った千代紙です。 おママは貼り絵に使い始めております。(↓)

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 (↑)因州板締め染め

 

因州板締め染め和紙

この時、いつもと雰囲気の違う和紙を買ってみました。

因州板締め染め和紙。

板締め染めという技法があるのです。

和紙(布)を折畳み、そして防染したい部分を板で堅く締めます。

そして染料で染める。

 

私はお店でこの和紙を見た時、懐かしくなりました。

子供の頃、お習字の練習の合間にやった事があるのです。

半紙を四角や三角に折り畳んで、各辺や頂点に墨汁をつけて広げると、模様が出来ました。

(遊んでいたから習字が上手くならなかったのか❗️)

(°_°)

それはさておき、職人さんの染めた板締め染めは綺麗です。一枚として同じものはありません。

おママに見せたところ、直ぐに興味深々になりました。 

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 でも、模様がくっきりと描かれているわけではないので、おママには少し扱い辛そうでした。

 

青い四角を4枚配置して、中央に赤い花(星?)を持っていく計画はすんなり思いついたようです。しかし、それでは物足りないかと思い直して、黄色の花(星?)を手にしたは良いけど、悩むは迷うわ…。(^◇^;)

長い動画です。もし、ご興味があれば…ご覧くださいませ。音声は入っていますが、前回と同様にボリュームを上げないと聞こえないかも知れません。m(_ _)m

 


2020年6月26日 因州板締め染め和紙を使って制作中

 

 その後、おママは更に飾りをつける事を思い付き、完成に至りました。(↓)

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正直なところ、いつまでおママが制作を続けられるかわからなくなってきました。

でも、もう一回くらい、ハガキを買いに行きたいものです。

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

少女ごころ

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(2020年5月24日 アルツハイマー認知症の診断から約13年3ヶ月)

 

可愛い指輪

恐らく6月末か7月初め頃だと思いますが…。

おママはデイサービスで指輪を作りました。

小さなビーズを通して、楽しかったようです。

可愛いですね。

でも、私が最初に思った事は、常々気になっていたおママの視力についてでした。

「小さなビーズの穴にテグスを通すんだから、眼はしっかり見えてんのね…。」(^O^)

なんとも情緒に欠ける娘ですわ。(^◇^;)

 

(↓)こちらです。仕舞い込まれていたので暫く行方不明でしたが、最近見つかったので撮影出来ました。上手に出来てますね。

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お気に入り

7月10日(金曜日)、私が実家へ行くと、おママの指に煌くものがありました。

おママは作った指輪の中で、特に気に入ったものを指にはめていたのです。(↓)

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 (↓)拡大するとこんな感じです。他のより華やかな印象があったのでしょう。

おママはこれを何日も指にはめていました。

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ちょっと台所で娘に食器洗いをさせられる食器洗いを頼まれた時は、

大事そうに、そっと指から外して、失くさないように台の上に置いていました。

 

それはまるで本物のジュエリーを扱うような様子。

おママの「少女ごころ」(おとめごころ)を垣間見たようでした。

 

勿論、おママも幾つかは18金やプラチナの指輪を持っているのです。

でも、今はビーズの可愛らしい指輪を愛用している。

それは、少女の感覚に戻っているのでしょうか?(^O^)

そんなおママを見ていて、私も懐かしくなりましたよ。

子供の頃、折り紙やビーズで指輪を作ってはめた時の嬉しさを。(๑˃̵ᴗ˂̵)v

 

これは1週間くらい続いて、デイサービスにもはめて行ったとか。

ジジによると、「良いのをしてますね」とスタッフさんに褒められたそうです。

 実際、7日後に撮影した写真にも写っていました。(↓)

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7月なのに…ウールのカーディガン…。いくら梅雨寒とは言え、直ぐに脱がしましたわ。 

 

えっ⁉️

それで、今、この愛用の指輪はどうしたかって⁉️

勿論、所在不明でございます。

見つけ次第、他のビーズの指輪と一緒に保管しておきますわ‼️(^O^)

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あら、あなたのも、すてきよ。

本日アップの貼り絵

「中央の赤がルビーのようだわ。」

そんな事を思いながら、今日の話題に合いそうなので選んでみました。

ルビーの指輪です。(^O^)

 

制作日の5月24日は日曜日です。

それにこの頃、私はクレバァの看病で何日も実家へ行かれませんでした。

流石にジジも気にかかり、テーブルの上に、今までの切れ端や残り物の紙片が入った箱を出して勧めたら、おママは自然と貼り絵に取り組み始めたそうです。

 

この中央の赤い紙片は、相当前からあったものです。

私が存在に気付いてから数年経ちます。

以前、おママがクラフトパンチで雪の結晶を型抜きして、貼り絵の作品に使った残りと思われます。もしかしたら10年くらい前かも知れません。

 

何回か「お題」に使っているのですが、おママには採用されませんでした。

例えば5月8日の「お題」はこんな感じでした。(↓)

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 (上の写真)思わせぶりにテッシュで包まれた物がありました。

(下の写真)包みを開くと、お馴染みのクリネックスの空箱と坂角総本店の袋が出てきました。

 

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 この日は使いかけたのですが、(↑)おママは気が変わったようですね。

 

 実際の完成作はこちらです。(↓)

harienikki.hatenablog.com

 何故か、画像が見えないようなので、もう一度、大きく載せちゃいましょう。(^O^)

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(2020年5月8日 アルツハイマー認知症の診断から約13年5ヶ月)

 

紆余曲折ありましたが…、「赤いルビー」は納まるところに納まった感があります。

やはり、ルビーの指輪が正解だったのでしょう。

 

 おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

月末企画❗️今月のイチ押し‼️(2020年7月版)記憶より感性なの!

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(2020年7月20日アルツハイマー認知症の診断から約13年5ヶ月)

 

2020年7月版の『月末企画❗️今月のイチ押し』なのですが、

今回は、しっかり月が変わって8月に入ってしまいました。

大遅刻ですが、「蒸し暑いし、まぁ、いいか」と開き直っているチャーコであります。(^O^)

 

『月末企画❗️今月のイチ押し』とは…。

 このシリーズはその月におママが制作した貼り絵の中で、私やオネコが1番気に入った(面白いと思った)作品をご紹介するものです。

「月末企画❗️今月のイチ押し‼️」というカテゴリーがあるので、もし、ご興味があれば、他の月の「イチ押し」もご覧下さいませ。m(_ _)m

 

おママは7月31日現在で16枚の貼り絵を制作しました。

ここ数ヶ月、おママは私が居る時だけしか貼り絵の制作をしません。

 

やはり制作枚数は減ったと思います。

しかし、少なくなったとはいえ、ファイルを眺めたオネコは

「どれも良いので、どれでも良いわね」

と言っていましたから、綺麗な作品が多いです。

その16枚の中から「今月のイチ押し‼️」を選ぶ判断基準は⬇️こんな感じ…。

 

①綺麗もしくは興味深い作品。

②制作エピソードがある。

③制作途中の写真があれば尚良し。

④おママの独自性が強い作品 

 

今回も①②③④に該当します。(^O^)v

しかも、制作途中の動画があります。時々チャーコの投げやりな発言が含まれていますが、まぁ、人様にお見せしても許容範囲と言えるんじゃないかしら。(^◇^;)

YouTube貼り付け」出来ました‼️

 

「お題」に行き詰まったチャーコ

この貼り絵も「お題方式の貼り絵」です。

 (注)「お題方式の貼り絵」とは…。

昨年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それが出来ない時が増えてきました。それで、あらかじめ私が作業机に何種類かの紙や切れ端を出して置き、まるでおママが貼り絵をやり掛けていたと思えるようにお膳立てをする事が増えました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。

 

最近、私は実家へ行くたびに「お題」を考えます。

在庫している小津和紙の千代紙、古い包装紙、マーブル紙…何でもいいのですが、何でも良いとなると、時々、私は途方に暮れてしまいます。

貼り絵をお休みしても良いのですが、1日ボンヤリとしているおママを見るにつけ、手や頭を使って貰わないと廃人になりそうです。

 

7月17日金曜日の午後、お題に窮した私は、ふとお中元で頂いたお菓子の紙箱を目にしました。

「これ、いけるんじゃないか⁉️」(↓)

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 (↓)案の定、取り出してみたら、おママはすぐに興味を示しました。

f:id:harienikki:20200801000307j:plainおママは7月なのに長袖のセーターを着込んでいます。

高齢者、認知症患者あるあるですが、おママも暑いという感覚が鈍くなっています。

私はこの後すぐに脱がしましたわ。

そして、身軽になったおママは、この日、2枚の貼り絵を制作しました。

 

2枚の完成作の近くに、涼しげな絵が印刷された八角形を見つけて、おママは手に取りました。そして、指で絵をなぞりながら、

「これ、面白いわね。こんな、こう、こういう風にしたら良いわね」

と、切り分けるイメージを考えていました。

「でも、今はもう良いの」

おママは疲れたのだと思います。7月17日の制作タイムはその一言で終了となりました。

(^O^)

 

八角形をどう切り分けますか?

次に私が実家へ行った日は7月20日月曜日でした。

この日の「お題」は前回おママが興味を持った八角形にしようと心に決めていました。

他の物やゴミに囲まれていますが、下(↓)の写真には「お題」八角形が見てます。

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 この日も、おママは直ぐに八角形を手に取りました。

「これ良いわね。」

そして、白いハガキの中央に載せたのでです。

私はてっきり、そのままメインパーツとして中央に貼るのかと思いました。

しかし、おママは直ぐに「こうじゃなくて…」と言いながら、手で持ち上げて切ろうとするのです。

「こんな感じかしらね…。」

ハサミを入れる様子が、3日前(7月17日)におママが考えたイメージと全く同じだったので、私は愕きました。

 

覚えていたのか⁉️

いえ、違うと思います。おママは八角形を始めて見た物のように喜んでいましたから。

 

つまり、この八角形に関しては、

記憶はなくても、おママの感性は同じものを見て、3日前と同じように感じたのですね。

 

今まで、時間や日が変わると、おママは記憶がないので、全く新しいイメージで紙に向き合う事がほとんどだったのです。だから、意外でした。(^O^)

 

 その様子がこちらです。(↓)


2020年7月20日15:22 制作途中

 

 その周囲のデザインは直ぐに決まりました。(↓)

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更に飾り付けは伊勢で私が買ってきた播田屋さんの「絲印煎餅」の包装紙を使いました。

この細かい絲印模様は数年前から時々貼り絵に登場して、大活躍をしています。

https://haritaya.sakura.ne.jp/   

口当たりも軽く、美味しいくて絶好の伊勢土産だと思います。

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絲印模様を貼り付ける様子です。(↓)

おママはどのパーツを貼ったか記憶が曖昧なので、常に糊付けの有無を確認しながら作業をしています。

恥ずかしながら、私の冷酷非情な声も入ってしまいました。

「あたしゃ、どっちでもいいよ」とか「私の眼には見えません!」とか…。

我が声を突きつけられて、もう少し優しく言ってあげるべきだったと、反省しております。 


2020年7月20日15:45〜制作途中

 

因みに、出来上がった後のお約束。

いつも、おママには裏に日付を書いてもらっています。

私としては、字を書く能力をこれ以上落とさないために、是非やって欲しい作業です。

しかし、この日は❗️💢

めんどくさがって、私の書いた見本をハサミで切り抜き、貼り付けていました。

全く、もう❗️(°▽°)

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今のおママには字を書くより、ハサミで切って貼る方がストレスが少ないのだと思いましたわ…。(^◇^;)

 

そんなこんなで、あれこれありましたが…、

この「記憶より感性なの❗️」を「今月のイチ押し」に決定‼️

👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏

 

おママの貼り絵を見て下さり,ありがとうございます。