アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母が作った貼り絵たち。

「パァ」の意味

 

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(2017年9月21日  アルツハイマー認知症の診断から約10年7ヶ月)


「パァ」とは良くないですね。
そんな事を人に言ってはいけませんよ。

 

「……パァ」なんて言おうもんなら、昔のおママは眉をひそめて私をたしなめたでしょう。

でも、おママが自分で言う分には問題ないか…。

 

 悲しくも可笑しい

  今年の2月ごろから初夏あたりまで、おママは良く自分の事を
「もう、私はパァなのよ」
と言っていました。

きっかけはあるのです。それについては私も悪かったかも知れません。(^。^)

プライドの高かったおママが自分の事を「パァ」と言うなんて…。ショックです。


しかし、あまりに繰り返されるから、私達もすぐに慣れっこになりました。

そして聞く度に笑ってしまいました。

お電話をくださった幼馴染にも連発して笑いを取り、

もしかして、おママの自虐ネタか?と思うような「パァ」でした。

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  久しぶりに聞いたら、新鮮だった。

  最近、これを久しぶりに聞きました。
ジジとおママと私でオヤツ時に雑談していると、おママは直前にやった行動を忘れている事が発覚❗️
「やだわ〜、もう、私、パァなのよ、もう。」
おママは笑いながら言いました。

パァのところで掌を頭の上で振る仕草が可愛いような可笑しいような…。

 

「パァ」と「パァ〜と」の違い

   そこで、私はこの機会に気になっていた事を聞いてみようと思いました。
「お母さん、そのパァというのは、どういう意味なの?」
すると、おママはちょっと小首を傾げてから、
「あの、なんでもすぐに、パァ〜と忘れてちゃうからねぇ」
と言いました。

「へぇ〜、パァ〜と忘れるパァなんだ。」
「そう、パァ〜とね。分からなくなるのよ。」

そうか、おママにとって「パァ」は「くるくるパァ」の「パァ」など「お馬鹿さん」の意味ではありませんでした。
擬態語の「パァーと」だったのです。

なるほど〜。納得❗️おママはパァじゃないもんね。

 

 

⬇️今日アップの貼り絵はこちらの姉妹編です。

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 おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

片方だけの草鞋(わらじ)

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(2017年9月26日  アルツハイマーの診断から約10年7ヶ月)


今週、おママはデイサービスで草鞋を作りました。

 可愛いミニサイズの草鞋です。

でも、片方だけなんですよ〜。


  ジジは自分で履ける大きさだったら作ってみたかったので、なぜ小さいのか聞いてみたそうです。

実際に履ける大きさを作ったら、誰でも履きたくなります。ナイロンの梱包紐が材料だから、万一、履いて滑って転んだら大変です。

だから、飾り物のミニサイズにしているのだそうです。

なるほど❗️確かにそうですよ。絶対滑りそうですもん。

 

おママは出来ました。
  その日は他に希望者もなく(ジジは結局やらなかった)、指導してくださるスタッフが先生となり、ほぼマンツーマンで作業しました。

編み上げて、鼻緒を挿げて1時間で片方が完成したそうです。
なかなか目が揃っていて上手よ〜。⬇️

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午前中にこれを余裕で拵えたから、先生は午後にもう片方をと考えて下さってたようです。


ところが…‼️
昼食後にお声を掛けて下さった時、

おママったら…。(^。^)

すでに午前中の事は忘却の彼方。

 

「私はこういう物はとても出来ませんので…」


そう言って固辞してしまいました。

全く…、これは一体誰が拵えたんでしょうね〜。

ジジの話では、先生も一瞬、固まったそうです。


  しかし、こんなに片方を上手に拵えているのです。

先生は是非もう片方を作って1足に揃えましょうと、重ねて勧めて下さったのですが、頑としてやらなかったそうです。


それで片方だけなのです。


先生は残念がって下さり、
「もう片方は私が作っておきますね。」
すみません。m(_ _)m

 

褒められて…。

翌日、この草鞋を手にしたら、当然おママに自覚はありません。


「私は作ってないわよ。」
「あら、でもデイサービスでお母さんが作ったそうよ。ねぇ。」
「上手、上手。


それでも褒められると、やったのかも知れないと思いたくなるのでしょう。
「昨日、デイサービスであなたが作ったんだよ。」
ついに最後には
「そんな気もするわね〜」
と笑っていました。


本当におママが作ったのよ〜。(^O^)v

 

裏側です。⬇️

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おママの貼り絵を見て下さりありがとうございます。

ジジを待つ姿

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(2017年9月21日  アルツハイマー認知症の診断から約10年7ヶ月

ミントグリーンは布リボンです。中央部は下に貼った濃い緑がリボンから透けて見えていますね。9月の貼り絵はパーツの重ね貼りが何点かあります。おママのマイブーム(死語ですかね…(^O^)かも知れません。)

 

 

  昨日、ジジとおママは駅二つ先の商業地にある銀行に行きました。

久し振りに電車に乗ればおママも気散じになりますもの。

嬉しげにシルバーカーを押すジジについて出掛けて行きました。

 

まぁ、その帰りにおママを美容院に連れ込もうと企んでいる私。

ジジと電話で連絡を取り合い、頃合い見計らって、駅の改札口から2人が出てくるのを待っていました。

 

まだ10月なのに、 立っていると足元から寒さを感じるなんて、

今年はずいぶん冬が早いものだと思っていると、

2人が乗っているだろう電車がホームに入ってくる音がしました。

人がどっと改札口に流れてくるのですが、ジジとおママは大抵いつも最後です。

シルバーカーと一緒なのでエレベータを使いますしね。

 

「あ、来た来た…」

最寄駅の改札口フロアーは結構広いので、エレベータから降りた2人は私に気がつきません。こちらから様子を見ていると、すぐに改札口に向かってくると思いきや、ジジは一番奥にあるおトイレに行くようです。

遠目に見ていると、ジジは柱の前でおママにシルバーカーを預け、待っているように言い聞かせてから、男子トイレに入ってしまいました。

「あらっ、おママ1人、大丈夫かな?」

今回は私が見ているから良いものの、おママが状況を忘れて動き出すのではないか?

心配でした。

 

柱の前に立っているおママ。

シルバーカーに手を掛けてじっとしている…。

頑ななまでに微動だにしないその姿。

 

きっと、ジジから言われた「ここで待っていてね」の言葉を忠実に守っているのでしょう。心の中で反芻しているかも知れません。

 

おママのその姿を見つめながら、私はうまく説明がつかないけれど、目頭が熱くなるのを感じました。

 

ものの数分の事でした。すぐにジジはトイレから戻りました。

そして2人は私に気が付き、笑顔で改札に向かって来ました。

ただこれだけの事なのに、溢れるほど胸がいっぱいになりました。

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

 

懸案事項、解決。

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(2017年9月21日  アルツハイマー認知症の診断から約10年7ヶ月)

 

懸案事項

 おママはいつから洗髪を嫌うようになったのだろう…。

私が家を出る前は(おママ60代)苦にもしていなかったし、

「髪の毛を洗うと頭がスッキリして、気持ちいいわ」

などと言っていました。

 

アルツハイマー認知症の診断後も、初期だったからだと思いますが、おママは割と身きれいに保っていました。

昨年くらいから、私はおママを観察していて思ったのです。

 

(もしかしたら、もう自分で洗髪は出来なくなっているのかも?)

 

ここ何年も前から、私は2ヶ月に1度おママを美容院に連れて行きました。

その時、カットの後にシャンプーをお願いしているので、どうやら、おママの洗髪は2ヶ月に1度だったのかもしれません。

かと言って、不思議なことに夏場でもそんなに臭う事もない。

よほど皮脂の分泌が少ないのでしょうか。

 

おママは今年になって入浴拒否をする事が多くなりました。

夏場は暑いし汗かくし、入浴拒否は由々しき問題です。

それで、今年の7月8月、私はおママの入浴介助に取り組みました。

夕方、私が帰る前に上手くおママを言いくるめて(?)浴室に導き、洗髪も出来ていたのですが、9月後半から全く出来なくなってしまいました。

 

  何がいけなかったのか?

私は入浴して欲しいという思いが強すぎて、おママにプレッシャーを掛けていたのかもしれません。

長年、おママは夜に入浴していたので、夕方はやはり馴染めなかったのか…。

 

その後、夕食の後にジジが勧めると、週に1度は自力で入浴していましたが、おママは決して洗髪はしません。

 

おママの洗髪をどうするか。

今までより美容院に行く回数を増やそう。

それが苦肉の策でした。

 

 

9月末からずっと、天気がいい日は豆におママを美容院に誘っていましたが、上手くいきません。

実家にいるうちから「美容院に行きましょう」と誘っても、

「今日はどうしても無理なの。フラフラして気分が悪いのよ。頭もガーンと鉛みたいに固まっているから、出掛けられません。」

私がおママをお買い物に連れ出して、道中歩きながら美容院を勧めると、上と同じ事を言い張りました。断固拒否。

 

その気になってくれました。

それが今日(10月18日)遂に成功しました。

「美容院に行きましょう。」

そう事前に話しても、無駄どころか裏目にでる事が多いのです。

だから、黙って行ってみましょう。

 

まずは買い物のついでと称して、ジジとおママと私の3人連れで美容院に入ってしまいました。それから、優しくプッシュする。だいたい外面が良いので、美容師さんの前で駄々をこねたりはしないでしょう。

「えっ?私がやるの?お父さんじゃないの?」

と言いながらも、何とか椅子に座ってくれました。

おママったら、シャンプーが終わってドライヤーをかけてもらいながら、美容師さんに言うのです。

「頭がスッキリして気持ちいいわ〜〜。」

それなら、もっと早く来れば良かったじゃないの〜❗️(^。^)

私は本当にホッとしました。

 

;*今日アップの貼り絵について

 パーツとして使われている臙脂色の紋とロゴは「ゑリ祥」と言うお店の包装紙から切り出しました。包装紙自体はかなり以前に入手したようです。時期は不明です。

「ゑリ祥」と言うお店についてはネットや電話で調べたのですが、よく分かりませんでした。本店は浅草のようです。

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洗っても使いたい!

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(2017年9月26日  アルツハイマー認知症の診断から約10年7ヶ月)

 

花と緑

  緑と柔らかな花模様で統一感のある貼り絵。

今は秋ですがちょっと春めいています。

私がふと、そんな事を思うのは、

今の季節は秋だという固定概念に囚われているからかも知れません。

アルツハイマー認知症のおママにはあまり季節はきにならないでしょう。

それに事、貼り絵となれば、その時心の琴線に触れた紙だけを使うのですから、

ハガキを前にしたら、おママはとても自由人ですね。

 

  緑の三角は超薄い透けるような和紙です。

ヨレて貼るのが難しいのですが、おママはよく頑張ったと思います。

 

ピンク地の可愛い花柄は紀の国屋さんの芋金時を直接包んでいた包装材です。

⬇️のサイトをご覧いただくと、包装している時の形状が見られます。

甘くて美味しい芋金時を直接包んでいるのですから、素材はもちろん紙ではありません。

www.wagashi-kinokuniya.co.jp

  中央は緑の和紙の上に花柄を重ね貼りしているので、周りと少し色味が違って見えます。

 

 美味しい後には

  私はおママと一緒にこの芋金時を頂きました。

花柄の包装を丁寧に広げると小振りの金時が現れます。

「美味しいね〜。甘さも丁度いい感じだわ。」

程よい後引く美味しさで、本当はもう一つ食べたかったのですが、そこは我慢我慢。

包み紙の内側は薄っすら芋金時の名残があって、おママがいつまでもそれをスプーンで撫でているから、私はからかうように言いました。

「ベロっと舐めちゃダメよ」

するとおママは私を思いっきり白い目で見るのです。

「あ、違いましたか?」

「そんな事しないわよ❗️」

まだその行為のお行儀の悪さ、大人がやったらマズい事も意識しているのね。

すみません。

恥ずかしい気持ちって、認知症になってもシッカリ残るのかも知れません。

 

  そんな事をつらつら考えていたら、おママが急に言いだしました。

「この包んであったの、キレイね。でも、ダメか…。」

直接お菓子が包んであったのですもの。ベタベタしています。

でも紙ではないから洗えるはず❗️

それから、2人して台所で洗って軽く拭き、窓際に広げて干しました。

おママはそれを使いやすいように、本を重石にして平らに伸ばしたようです。

 

「本当に使ったんだ❗️」

ファイルの中にこの可愛い花柄を見つけた時、私は思わず頬が緩んでしまいました。


おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。

まだ10月なのに寒い❗️

 

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(2017年9月22日  アルツハイマー認知症の診断から約10年の7ヶ月)

 

東京  46年ぶり

  何の話かと申しますと…。

今日(10月16日)は朝から冷たい雨が降りしきる、寒い寒い1日でした。

「寒いね〜。本当に寒くて夜中に目が覚めたわ〜。お父さんは大丈夫だった?」

「羽毛布団かけていたから眠れたよ。」

ジジと溜息交じりに話しておりました。

テレビの気象情報によると…。

本日の東京の最高気温は14.3度。これは夜中の気温です。

夜が明けて日中は更に気温が下がり、13度台くらいだったそうです。

東京の記録で、10月に気温15度を下回るのは、実に46年ぶりの事でした❗️

寒いはずです。身体がついていかれません。

 

そんな1日でしたから、実家はエアコンを点けて暖房を入れました。

 

ところが、寒いと言いながら、おママは窓を開けています。

「お母さん❗️寒いし雨が降っているんだから、閉めるわよ〜。」

「あら、降っているの?」

一旦は納得してくれるのですが、しばらくすると又開けてしまいます。

 

あれ〜?これは…。(笑)

冬のエアコン攻防戦が、例年より一足早く始まりました。

おママ、換気はほどほどにして下さいね。(^O^)

 

⬇️夏のエアコン攻防戦です。ほとんど私は投げてます。

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 おママの貼り絵を見て下さり、有難うございます。

両面制作のカラクリ

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(2017年9月27日 アルツハイマー認知症の診断から約10年7ヶ月)

 

裏面(最初に取り組んだ貼り絵)

  9月27日にお墓参りに行ったジジとおママ。

親戚の方々のお世話になりながら、無事にお彼岸のお参りを済ませました。

帰りにベーカリーレストラン サンマルクで楽しく会食をしたそうです。

その時、ランチョンマットがわりにテーブルに敷いてあった紙のシートを頂いたそうです。(写真に残せなくて残念)

 

優しげな花柄に心惹かれたのでしょう。

オネコの証言では、帰宅後すぐに、おママはこのシートを使って⬆️の貼り絵を制作したそうです。

おやっ?

普段は裏に記入されている日付が何故か表に書かれていますね?

それも底辺のど真ん中ですよ。

初めてこの貼り絵を見た時、 私は不思議に思いました。

なんで〜?

www.saint-marc-hd.com

オネコの証言によると

  この日の夕方、オネコが実家に行ってみると、おママはサンマルクの紙シートで貼り絵を1枚完成させたところでした。それが ⬆️の貼り絵です。

ひと通り用事を済ませてオネコが帰ろうとした時、興に任せておママはもう1枚貼り絵をしていました。それが ⬇️の貼り絵です。

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チャーコの推理

  実は、この2枚の貼り絵は1枚のハガキの表裏でした。

オネコは途中を目撃していますが、まさか1枚の両面とは思っていなかったそうです。

 

おそらく、おママは最初に ⬆️の貼り絵を制作しました。(オネコ目撃)

日付を書こうとして裏返したけれど、今日が何日かわかりません。それで新聞を見て日付を確認しようとリビングに行ってテレビかおやつに気を取られたら、何のために来たのかを忘れてしまいました。(ものの何分かで記憶は消滅するんですね〜。)

 

再び作業机に戻ったら、白い真っさらのハガキが1枚出ているのです。

それが自分で作った貼り絵の裏とはつゆ知らず、新しく貼り絵を始めてしまいました。(オネコ目撃)

 

出来上がって、裏に日付を書こうとしたら…。ありゃ❗️

それで、おママは仕方なく、最初に取り組んだ ⬆️ の貼り絵の底辺ど真ん中に

「2017 9月27日」

と記入するしかありませんでした。

 

後日談

もしかしたら、これはおママはハガキを節約したのか?

私は一瞬そう思いました。

しかし、おママがハガキの両面に貼り絵をするのは珍しい事です。

 

写真撮影の時に、私はおママにこのハガキを見せました。

「珍しいわね。両面にやってあるわ。」

するとおママはハガキを手にして、表裏を交互に見ながら首を傾げました。

「なんでこんな事になったのかしら?

嫌ぁ〜ね。どうかしてるわ。」

 

それはこっちのセリフですよ。

 

ごく稀に発生する貼り絵の両面制作は、

おママが短期記憶を喪失する事により起きてしまうのですね…。(^O^)

 

おママの貼り絵を見て下さり、ありがとうございます。